「鍵束」20:56
「だから言ったんだよ、初めからその鍵で試していれば、こんなことにはならなかったんだって」
「仕方がないだろ。お前だって、最初はこれだって言ったじゃないか」
「そりゃ言ったけどさ、よくよく考えてみて、こっちの鍵が論理的に正しいって思ったんだよ」
「なんだよそれ、論理的に正しいって、そもそも合う鍵はひとつしかないだろ」
「あーもーうるさいな……ていうかなんで、鍵をこんな束で寄越したんだよ」
「それがお決まりだからだろ」
「丸い輪っかに、じゃらりと十何本もついた鍵束が、今のご時世にウケると?」
「それがやりたかったんだろ、ここの屋敷の主人はさ」
「お陰でここからでられなくなったじゃねーか」
「刺さったまま抜けないしな」
鍵の話 七辻ヲ歩 @7tsuji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます