大学で日本画を専攻する主人公。キャンバスに武蔵野公園の桜のトンネルを描く。そんな中、出会った一人の女性。絵を教えてほしいと懇願され、供に絵を描く楽しさを知る。二人の生活の節目に、桜が舞う。その人生が美しい。そして二人で描く武蔵野公園の桜。こんな人生を送りたいと思わせてくれる、素敵な作品だった。
武蔵野の歴史とある二人の歴史を重ねて書かれた物語。きれいにまとまっていますし、語り口も美しい文章で心に染みました。文字数が少ない中で簡潔にまとまっていると思います。この作品のボリュームが多いものを読んでみたいと思いました。ご健筆をお祈りいたします。