録外都市

フラワー


 雨が降る。街に流れた心の声は、冬の外で重りを沈めた。芝生の生えた都会の跡は、動物の奇態を忘れるサビのように、雲を照らして浮いていた。歩く人のない静かな空の下、幾千もの瞳のガラスは、形を変えてそこにある。粒子が維持する場は、都市を止めて声を枯らした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る