本作は、何といっても、詭弁の構造を明らかにし、その無益さを丁寧に論じているところに大いなる価値がある。
こういうメカニズムはいちいちまじめに考えてみたりしないものであり、また、あまり普段意識しないものである。
しかし、そこに少しばかり意識することによって、いざというときに相手に言い負かされたりけむに巻かれたりしないように、また、そのようなふりをせざるを得ない時でも、冷静に、対処できるようになる。
ネット上の誹謗中傷、ましてや裁判沙汰になるような目に遭わないためにも、また、そのような目に遭ったときに相手の弁をいかに冷静に見破れるか。
本作は、その指針を十二分に示してくれるであろう。