2. Sealioning:基本的な質問の繰り返し

A:犬は哺乳類である。

B:犬とはどのような生き物ですか?


 どんな議論にも、その議論を行うのであれば当然知っておくべき知識というものが存在する。それを知らなければ議論が成立しない。


 詭弁屋は意図的にせよ非意図的にせよ非常に無知蒙昧なので、このような基礎知識を持っていない。しかし、彼らは自らの無知すらも都合よく利用するのである。


 詭弁屋はある言葉に出くわすと、その意味を尋ねる。相手が説明をしようとすれば、それはもれなく応答コストの増大につながるというわけである。そしてその説明に新しい言葉が登場すれば、さらに質問をする。


 この質問攻撃は止むことがない。なぜなら、ここでの詭弁屋の目的はその概念を理解することではなく、相手に手間をかけさせることだからだ。このような手法は英語でSealioningと呼ばれている。


 では、この応答コストの増大を回避するために手を打ったらどうなるだろうか。最もよく使われる対応はやはり「ググレカス」であろう。実際、彼らがTwitterをやっている機械は本来、インターネットで様々な情報を収集するためにあるのだから。


 だが、この返答には必ず「説明できないならお前はそれを知らないまま使っているのだ」というかたちの反論が返ってくる。自分が知らないからと質問したことがすでに忘れられているが、彼らは全く意に介さない。相手を叩ければどうでもいいのである。


 このような人々に真面目に応答するのはあまりにも馬鹿らしい。このような無知を装う者は無視して、物事を理解している人々でのみ話を進めるくらいしか対策はない。

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