第4話転がる世界、取り残される自分

お医者さんの旦那さんは心配しました。

娘たちも一緒に暮らしながらむっちゃんのお手伝いをするようになりました。むっちゃんのお友達もお手伝いに来てくれました。でもむっちゃんは少しずつ思い出が消えてしまいます。

とうとう娘たちの名前が分からなくなりました。娘と旦那さんが話をしているのを見て、「旦那さんにステキな女性がいる…。私は私の育った場所に帰らないといけないわ」と、思うようになりました。むっちゃんは不安でたまりません。

不安で不安で不安で、どうしようもありません。早く家に帰りたい、安心できる家に帰りたいと思うようになりました。


お父さん

お母さん

帰りたいよ…


でもむっちゃんは時々、お父さんもお母さんももうおらず、大好きな旦那さんが側にいる事を思い出します。

むっちゃんは分からなくなっていく事が不安で仕方がありませんでした。

でも…不思議と寂しくはありませんでした。

誰かが必ずそばにいるからです。

旦那さんも娘たちもいつもそばにいました。


しかし、いつもいつも不安で不安で、不安が募ってしまいました。でもその不安もうまく伝えられません。だんだん周りの人の話が早すぎてついていかれなくなりました。

むっちゃんは自分の気持ちをうまく伝えられなくなり、不安や不満に思った事を行動で表すようになりました。

それは周りの人達から見たら暴力を振るっているように見えました。むっちゃんはだんだん自分の気持ちが表現できず、苦しくなっていきました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

むっちゃんからのプレゼント @iyocan3

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ