“誰か”と出会うことでくすんでいた世界がキラキラ輝き出す。
この小説はそんなキラキラがいっぱい詰まった素敵な小説です。
登場人物の心理描写が非常に丁寧ですが、シーンの描写もとても美しい。
ヒロイン二人が駅のホームを走り出すシーンはまさにそのキラキラが満ちていて、
独りで帰っていたときは決して走らなかった無味乾燥とした風景が輝きだして、
何気ない風景をなんて素敵に描くのだろうと思いました。
主人公の心咲(みさき)が奏(かなで)との過ごす時間が積み重ねていくたびに
奏の新しい顔が一つ、また一つと発見していくのも素敵でした。
出会い、ていいな。そう思える作品です。
作者様の創作活動がこれからも実りあるものになりますように