第4話 〜対流〜


 できた味噌汁を、お椀によそってみましょう。


 表面をよく観察してください。

 味噌汁の茶色は、絵の具を溶かしたような均一な茶色ではありませんね。たくさんの茶色の粒が集まって、茶色に見えています。味噌汁の表面には粒がなく、透明になった薄い層があるはずです。

 観察を続けると、この茶色い粒が、お椀の底から湧き上がり、また、沈んでいく様子が観察できます。


 物質は、「温度」によって「密度」が変わり、温められたものは「膨張」して密度が減少して軽くなります。したがって、軽い部分は上に浮き上がり、表面の空気に触れて冷やされて重くなり下に戻っていきます。その「循環」が、「対流」です。この「対流」の流れによって、味噌の細かい粒が一緒に運ばれるので、この現象を目で確認することができるのです。


 対流自体は、空調の働いている部屋、風呂のお湯の中などでも起きていますが、なかなか解りやすく目で見ることはできません。


 最後に味噌汁が完全に冷え切ってしまった時、お椀の中の温度差はなくなってしまいますので、「対流」はなくなります。味噌の粒は、お椀の底に沈んで動かなくなります。

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