運命の相手って誰ですか?

石田夏目

第1話赤い糸の行方

赤い糸。それは自分の小指と運命の相手に結ばれているといわれる言わばおとぎ話のような話。

いつかは自分にもそんな人が現れるのかもしれないと思っていたがまさかその相手が

三人もいたなんて一体誰が想像したのだろう。

そうして自分の小指をじっと見ると俺の赤い糸は複雑にからまっていてこの三人のうち

誰が運命の相手なのかは全くわからない。

「おはよ。」


「おはようございます。」


「おはよっせんぱーい。」


「ちょっと朝からなにボーとしてんのよ。」


「相変わらずあなたは五月蝿い方ですね。」


「なに?朝から喧嘩売ってるの?」


「せーんぱい。早く学校行きましょ?」


「ちょっとあんたなにどさくさに紛れて

くっついてんのよ!」


「あらあら。はしたないこと。」


「おばさんたちは黙っててもらえますか?」


あぁ。またはじまったな。

いつもの光景も今日はまた違って見えるな。

「一体俺の運命の相手って誰なんだ?」

「…運命の相手?」

「運命ですか。」

「んー。それはやっぱり…」


「私よね。」

「私ですよね?」

「私だよね!」


三人の顔をじっくりと見てうーんと唸る。

これはやはり時間をかけて一人ずつと

向き合って見極めるしかなさそうだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

運命の相手って誰ですか? 石田夏目 @beerbeer

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ