第1章 モーニングティー
「....報酬が平等じゃない仕事は受けません。」
部屋に入るなり、ボスが反対側に座る男に冷静にいい放つ。
男は荒々しくティーカップを置くと喉に虎を飼ってるのかと言われんばかりの声で怒鳴った。
「舐めんなよ!初っ端からお前らに払う報酬なんざ一銭もねぇんだよ...それが依頼主がどうしてもって言うから分けてやってんだろうがそれで今度は平等じゃねぇだと?!」
男はそう吐き捨てるとボスの胸ぐらをつかんだ。
僕のからだは真っ先に引かれた。
「ボスから手を離せ...今すぐに...離せ。」
胸ぐらをつかんだ男の腕に隠し持っていたナイフを突きつけた。刺してはいないまだ先端が皮膚にくい込んでるだけだ、させるのであればこの腕所ではなく四肢を全て切り取って売りさばいてやりたいところだが...。
黒狐の面の奥から怒りの目を向ける。
いつでも切り落とせる。いつだって...✕せる。
「なんだテメェ...まぁいい、後日話しをつけるぞ。」
男はそう乱暴に言うと部屋を出ていった。
ナイフをスーツの下に仕舞うと、ボスに謝った。
今のでボスが刺されていたら僕にはもう匿ってくれる人は居ない。
「お前が謝る必要は無い...来儀。やつは商談をしに来ただけだ。それに胸ぐらをつかんだだけだしな」
『でも!僕からしたらボスに手を出すやつはたとえ触ったのが胸ぐらだけだとしても許せないんです』
そう言うとボスは少し微笑んだ。
「大丈夫だ来儀。やつは私には勝てない...お前がいる限り私は上に立つ。」
嗚呼...なんて素晴らしい...まさしくその通りだと僕の頭で処理された。
ボスには昔拾われた。家族を燃やした僕を救ってくれた命の恩人だ。だからこそ誰にも近づけはさせないし、指1本触れさせない。それはファミリーと同じ。中には僕がボスのことを大好き過ぎてヤンデレ化してるとかいう奴がいるけどそうじゃない。
命を救ってくれてなおかつ
だから絶対に守ると誓ったんだ。
鳳凰が飛来して立派な姿で居る @Aotetu_036
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