第76話 クリスマスイブ
「メリークリスマスイブ♪ ですよ! 晃太さん!」
朝起きると目の前にツインテールミニスカ黒タイツサンタがいた。
しかもとびきり可愛い。なんだ、俺の彼女か。
って……なんだその格好!?
「結、なんで朝からサンタ?」
「だって付き合って初めてのクリスマスじゃないですかぁ♪ それに昨日から冬休みですし!」
「理由になってねぇ……」
そう言いながらベッドの横でクルンと一回転する。いや、俺まだ寝っ転がってるから、そこでその短さのスカートで回られると、タイツが薄いおかげで透けて丸見えなんだが……。
にしても……そうか。そういえば学生は冬休みに入ったんだったな。
──結が通っている学校は俺の職場でもある。俺も最近聞いたんだが、ここは文化祭が三年に一回だけ行われるらしい。だからどの生徒も三年間の高校生活で一回しか経験できない。進学校らしいっちゃらしいけどな。そして結が文化祭を経験出来るのは来年らしい。
だから、修学旅行が終った後は特にイベントも無く、唯一ある期末試験が終わるとすぐに冬休みだった。
まぁ、俺は普通に仕事なんだけどな。だって平日だし。ちなみに柚も仕事だ。補習の講師をやらなきゃならないって嘆いてたな。
「ったく……俺は今日も仕事なのにそんな格好されたら仕事に行くのが嫌になるだろうが」
「ダメですよー? お仕事はちゃんと行って下さいね? はい、早く起きて顔洗って来てくださいな」
「へいへい」
そして朝食。目の前にはサンタ。
なんだこれ。
そして俺は仕事に行く為に厚着をしてるわけだが……。
「結? 部屋暑くね?」
「ちょっと温度上げてるんです。流石にこの格好だと少し寒いので」
「だと思ったよ。まぁ……可愛いけどさ」
「えへへ~。ありがとうございますっ♪」
「風邪引くなよ?」
俺がただ本当に心配してそう言うと、結がススッと俺の隣に来る──だけではおさまらず、うんしょうんしょ言いながら俺の膝の上に座り、俺に背中を預けてきた。
「風邪ひかないようにあっためてくださぁ~い!」
「……俺、まだ食ってるんだけども」
「知ってます。だから、こうします!」
するとまたモゾモゾ動いて、今度は俺と向き合うとガシッしがみついてきた。おかげで胸の感触が俺の腹の上辺りにダイレクトに当たる。つーかこの感触って、もしかして──
「なんでよ。てか結さんや、もしかしてつけてない?」
「はいっ! ブラはつけてません! だって晃太さんはこの方が好きでしょ?」
おい。俺がオブラートに包んだのにハッキリと言うんじゃないよ。好きだけどさ!
つーかクリスマスだからってちょっとテンション上がり過ぎだから!
「だーもう! 俺は今から仕事なのー! だから離れなさいっ!」
「んんっ!」
「な、なんだよ?」
「あ、いえ……今晃太さんが動いたからちょっと擦れちゃいましてその……」
「んなっ!?」
──結局、暴走した結を引き剥がして飯を食い、俺が家を出たのは時間ギリギリだった。
やばかった。今日が休みだったらホントにやばかった。俺の理性よく頑張った!
そしていつも通りに倉庫に行き、仕事に入る前に一度スマホを見ると、そこには結からのメッセージ。
『今日は早く帰ってきてくださいね? あ、ちゃんとブラは付けました。晃太さんの好きな水色ですよ?』
そして一緒に届いた添付ファイルには、サンタ服の胸元を少し引っ張って上から撮った写真。そこにはしっかりと水色の下着。そして谷間が写っていた。
「俺、今夜耐えきれるかな……」
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