学園列島パンチラ大戦 スカートめくり戦記
碗蓮涼
第1話 戦場にて
「カナ、後ろ!!」
小隊長の発した警告は、しかし今一歩のところで間に合わない。
「あっ、ダメぇっ!」
恥じらいのこもったカナの悲鳴が、混沌とした戦場の一角に響き渡る。
ふわっ。
大きくめくれ上がったスカートの下から表れる白と水色のボーダー柄。
お尻の丸みをすっぽりと覆い隠すフルバック型のパンティーが、青い空の下にさらけ出された。
「ああっ、やだぁっ」
羞恥のあまりその場にへたり込むカナ。
その姿を目にした敵兵は、撃破を確信して口元を緩ませる。
痩せ型で引き締まった腰回り。
小ぶりだが柔らかそうなお尻を隠すパンツは素朴な綿100%の生地だろう。
視認は完璧。加えて相手は激しく恥じらう姿を見せている。
これなら、すぐにでも《症状》が表れるはず。
「あっ、やっ、だめ、止まって……」
まもなく。
敵兵の予想した通り、一度はうずくまって固まっていたカナの体が、まるで誰かに操られているかのようにぎこちなく動き始めた。
「お願い、見て。……ああ、いや、だめ、見ないで!」
誘うように腰をくねらしながら、ゆっくりと立ち上がるカナ。
左手を頭に添え、上目遣いで媚びるように周囲を見渡す。
「あはぁん。やだぁ。見てぇ。見ないでぇ!」
支離滅裂な言葉を叫びながら、艶めかしいダンスは続いていく。
出し惜しむようにスカートをちらちらとたくし上げる。
ハリのある白いふとももが見え隠れする。
扇情的なため息を撒き散らしながら、「見て、見ないで」と繰り返すカナ。
頬は真っ赤に染まり、目にはうっすら涙が浮かぶ。
「ああっ、もうダメっ。見てぇぇ!!」
絶叫とともに、ミカの両手がスカートの裾をやさしく摘む。
「見て、見て、見てぇぇ!!」
バサッと。
切羽詰まった声を上げて、自らの手で大胆にスカートをめくり上げるカナ。
おヘソが見えるほど豪快にめくられたスカートの下から、先ほど敵兵によって晒された水色ボーダーパンツの前面が、誰はばかることなく衆目に開帳される。
ささやかに彩られた腰回りのレースが、さりげなく膨らんだ下腹部の丘陵が、余すところ無く敵味方の兵士に露出した。
「は、恥ずかしいっ! 見ないでぇ!」
極限の羞恥を訴えつつも、その手は一向にスカートを手放そうとはしない。
むしろ、時間が経つにつれてより激しく腰を突き出し、自らの痴態を見せつけるような妖しい動きが加速していく。
「あっ、あっ!」
言葉とは矛盾した不可解な行動。
いや、矛盾しているのは行動ではなく、彼女を突き動かしている精神状態そのものなのかもしれない。
「見ないで」と叫ぶ少女の顔は明らかな羞恥と屈辱の存在を訴えていたが、いつしかそこに、どこか恍惚とした快楽の色が混ざり始めている。
まるで直接肉体を刺激されているかのような苦悶の様相は、やがて表情だけではなく、その全身へと広がっていった。
パックリと左右に開いた太ももがビクンビクンと痙攣を始め、それを鎮めようという無意識の反応から踵は浮き上がり、つま先立ちへと姿勢が変化していく。
呼吸はひゅうひゅうと荒くなり、全身は紅く火照ってぐっしょりと湿り気を帯び始めている。
「くぅぅっ……、んぅぅうぅっ……!」
耐え忍ぶように下唇を強く噛み締め天を仰ぐ少女。
だが、すでに発症に至っている彼女がいかに抗おうとも、それは焼け石に水を注ぐかの如き無益な抵抗にしか過ぎないのだった。
「ああっ、もう、もうっ!」
悲痛な叫びがこだまする。
自ら限界に達しつつあることを悟った少女の最期の悲鳴だ。
無慈悲な快感が彼女の全身を貫き、その先端がついに中枢へと到達したのだ。
「っ、くぅっぅぅぅっ! あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ひときわ大きな絶叫とともに、全身を震わせて崩れ落ちるカナ。
決して他人には見られたくないであろう瞬間を余すところなく実演させられた少女は、すべてをさらけ出してようやく被撃破のペナルティから開放され、戦場からそしてこの悪夢のような舞台から退場するすることを許されたのだった。
意識を失って地に伏せる少女。
スカートはめくれ上がり、パンツは露出したままとなっている。
清潔だったはずの布地はぐっしょりと濡れ、地面には小さな水たまりが生まれていた。
戦場に散った者の哀れな末路。
その場にいる兵士のすべて彼女の無残な有様を目に留めつつ、それでも戦闘は依然として終わらない。
いや、むしろ彼女が演じた残酷な最期を見たからこそ、同じ運命が自らの身に訪れることを恐れるからこそ。少女たちは眼前の敵を燔祭に捧げようと全力を尽くさざるを得ないのかもしれない。
グレイネ学園第5分校J3-Dクラス3小隊は初の戦失者「的矢カナ」の殉職後も戦闘を継続し、それから13分と30秒の後に全滅した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます