第2話


俺の名前は、高坂秋。

この春から高校に入学する。

俺の通う高校は都立西湘学園だ。この辺では珍しく、生徒の自由性を重視している授業が特徴的で、

とても人気がある。

そのため、毎年倍率が10倍を超える、超が着くほどの、頭のいい人が集まる高校だ。

一学年180人、6クラスに分けられる。

クラスの分け方は、入試の点数によって決められる。

俺は、順位は46位だったので、Bクラスだった。


そして、今日は入学式。新しい制服を着ていると、少しワクワクしてしまう。


「しゅうー? 早くしないと遅れちゃうよー。」


「すぐ行くから待ってろ。」


俺を呼んでいるのは、柳童子菜留。俺の昔からの幼なじみだ。

菜留は、俺と同じくBクラスだ。


「ごめん、ちょっと遅れた。」

「もー、春休みのせいでちょっとだらけちゃったんじゃないの?」

「そんなことはないぞ!この春休みの間、1日も筋トレを怠ったことはないからな!見るか?」

「見るわけないでしょうがーー!このバカ秋め!」

「もー、無駄話ばっかりしてると入学式遅刻するぞ。」

「誰のせいで遅れてるとおもってんの?」

「お前だろ?」

「あんただよ!」


「朝から痴話喧嘩とは…やっぱり付き合ってる?」


「付き合ってない!」


突然話しかけてきたこいつは、友達の神野浩介だ。

浩介も同じく西湘学園に入学する。

金髪でピアスをしている典型的なチャラ男だが、

入試では11位で実は頭がいい。


「って言うか、痴話喧嘩ばっかりしてたら、ほんとに遅れるぞ。」

「だから、痴話喧嘩じゃないって言ってんでしょーが!って、入学式遅刻しちゃう!秋、急いで!」

「よし!菜留、浩介、行くか!」

こうして俺たち3人は、学校に向かった。



「〜であるからして、〜〜〜」

倍率10倍を超える超難関校なのに大半の生徒が寝てしまうほど長い学園長の話が終わり生徒会長のスピーチが始まった。

「私は、この学園で生徒会長をしている、古御坂朱音だ。新入生諸君も知ってのとうり、この学校は生徒の自主性を尊重している。しかし、これは生徒たちが自由な考え方を豊かにするものであって、君たちが好き勝手に暴れてもいいと言う校則ではない。

そこを吐き違えるな!それが分からないなら学校を辞めてもらう。以上だ。」


そして、生徒会長による話が終わろうとしていた時、生徒会長は俺の方を見つめこう言った。」


「それからもう一つ、1年Bクラスの高坂秋。入学式が終わり次第すぐ生徒会室に来るように。」


ザワッ


周りの生徒からの視線が俺に集まる。

そして最後に生徒会長は俺を睨んで、


「いいな。」

とドスの効いた声で睨んで言った。

ヒェー、なんだあの目つき!絶対人5人は殺してるだろ!って言うか、睨んだだけで人殺せるんじゃないか?

と、ビビリながら入学式が終わるのを待った。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

泥だらけの女の子に言い寄られて困っていると相談した相手が泥だらけになって言い寄ってきました @kuragekurage

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る