泥だらけの女の子に言い寄られて困っていると相談した相手が泥だらけになって言い寄ってきました

第1話

「好きです。」

目の前の泥だらけの女は唐突に言った。

はっ？こいつは何を言ってるんだ？

俺は初対面のはずの女の発言が全く理解できず、こう言ってしまった。

「あなたは、どなたですか？」

すると、女は驚いた表情で言った。

「分かりました。ありがとうございます。」

そう言い終えると、満面の笑みで後ろを向き言ってしまった。

のちに、俺は後悔する。

この10分にも満たないやりとりのせいで、俺の高校生活が、壊滅してしまうことを、この時の俺はまだ知らなかった。