カーブ

くじら時計

第1話

僕が道路を歩いていると、女の子がうずくまって座っていました。


気になったので「どうしたの?」と声をかけると、


「体が痛いから休んでいるの」と言いました。


「ふーん。」


僕は一人で道路を歩いていきました。


「あれ?」


道路に穴が出来ていました。


ジャンプしても向こう側に届きそうにありません。


穴をのぞいて見ました。


真っ黒で何も見えません。


トン。


僕は押されて穴に落ちていきました。


振り返ると、さっきの女の子でした。



「……うわぁぁ!」


僕は目が覚めました。


嫌な夢でした。





また僕が道路を歩いていると、女の子がうずくまって座っていました。


気になったので「どうしたの?」と声をかけると、


「体が痛いから休んでいるの」と言いました。


「お薬買ってこようか?」と女の子に聞いてみました。


「お薬は効かないの」と女の子が言いました。


「どうしたら治るの?」と聞きました。


「分かんない」と女の子は言いました。


僕も分からないので、道路を歩いていきました。


僕は、また穴に落ちました。


僕は、また目が覚めました。


嫌な夢でした。





またまた、僕が道路を歩いていると、女の子がうずくまって座っていました。


気になったので「どうしたの?」と声をかけると、


「体が痛いから休んでいるの」と言いました。


「放っておけば治るよ」と僕は言いました。


「放っておいたから痛くなってきたの」と彼女は言いました。


「なら、また治るよ。」と僕は言いました。


「……」彼女は何も言わずに歩き出しました。


僕も彼女の後をついて歩きました。


しばらく歩くと、彼女が倒れました。


僕が呼びかけても起きてくれません。


僕は悲しくなりました。


僕は目を覚ましました。


起きたら涙がこぼれました。






またまたまた、僕が道路を歩いていると、女の子がうずくまって座っていました。


気になったので「どうしたの?」と声をかけると、


「体が痛いから休んでいるの」と言いました。


僕は悲しくならないやり方を試してみました。


「一緒に歩かない?」僕は手を出して言いました。


「一緒に歩いてくれるの?」彼女は僕の手を取りながら聞いてきました。


彼女を笑顔にするために僕は答えました。


「もちろん!」


僕と彼女は歩き出しました。


二人とも笑顔でした。


道路はどこまでも繋がっていました。


僕は目が覚めました。


その日はずっと笑顔でした。





またまたまたまた、僕が道路を歩いていると、女の子がうずくまって座っていました。


「どうしたの?」と声をかけると、


「一緒に歩いてくれる人が来るのを待ってたの」と笑顔で言いました。


僕と彼女は手をつないで歩きました。


「どうして体が痛いの?」僕は聞きました。


「呼吸が苦しいから」彼女は困った顔で言いました。


「呼吸? 病気なの?」僕は聞きました。


「肺が少しずつ小さくなっているの」彼女は自分の胸に手をあてて言いました。


「僕に手伝えることはある?」僕は言いました。


「これからも手を離さないで欲しいかな」彼女は笑顔で言いました。


「これからどうするの?」僕は言いました。


「どうしよっか? 夢がいっぱいあるの」彼女が笑顔で言いました。


「どんな夢があるの?」僕は聞きました。


「あれとかこれとか……とりあえずいっぱい」彼女は両手を広げて、これでもかって大きい丸を描いて言いました。


僕も夢を見つけて叶えたいと思いました。


笑った彼女はとてもキレイでした。


「なんでいつもキレイなの?」僕は聞きました。


「好き嫌いがないから」彼女は笑って言いました。


僕も好き嫌いをせずにご飯を食べようと思いました。


彼女はとてもステキでした。


「ねえ、名前教えて」僕は聞きました。


「わたし?」彼女は笑って言いました。


「わたしは地球って言うの」


僕は目が覚めました。


僕は夢を見つけました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

カーブ くじら時計 @k2kujiratokei

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ