第10話 世界警察

ノブ達は、20人位の警察官の恰好をした男たちに囲まれていた。後から遅れてきた人が話し掛けてくる。


「やあ、そこの男女を引き渡してくれたら君達に危害を加えない。」


リーダーらしき男が提案してきた。


「ユウナ、コイツら何者だ?」


「世界警察よ。この世界を管理している組織よ。私達は、自由の為に戦っているレジスタンス。」


「うーん、ざっくり過ぎてよくわかんねーよ。ミラ、結局は世界警察って何?」


「世界警察は、名前の通り世界を管理しようとする組織よ。ゲームプレイから逸脱や世界を渡ろうとするプレイヤーを妨害するわ。ゆくゆくは、あなたの障害になる存在でもあるわ。」


「ミラ、ありがとう。で、やつらは強いのか?」


「まわりの下っ端の巡査は雑魚、リーダーの警部補はまあまあよ。あなたでも勝てるわ」


「ちょっと、ノブでは勝てないわよ」


「助けてもらった所、悪いがこれは俺達の問題だ。助太刀はいらない。うっ」


「リクト君大丈夫?」


リクトは、怪我で気を失ってしまう。それを見たユウナが直ぐにリクトの身体を抱えて地面に倒れないよう支える。


「怪我人を見捨てられないぜ。」


「流石は勇者殿である。」


「いいえ、勝てる相手だから気が大きいだけよ。」


ノブは、ミラを睨んだ。


「ノブ、睨んでも意味ないわ。カイと私で露払いはして上げるから一人でなんとかしなさい。」


「わかったよ。ミラは相変わらず無茶ぶりだな。」


「大人しく引き渡してくれそうに無いようだな。お前ら全員殺せ。」

 

リーダーの警部補の命令で巡査が輪を狭めノブ達を襲う。


「ミラ、カイ‼︎ ユウナ達を守ってくれ。俺はコイツらを片付ける。」


「了解じゃ。勇者殿。」


   ノブは、前の巡査の攻撃を受けながら言った。ミラとカイもノブへの攻撃と同時に襲われたが二人とも攻撃を受ける前にカンターで襲って来た巡査を殴っていた。殴られた巡査のHPは瞬く間になくなり死亡した。

   巡査の攻撃を受けながらノブは一撃で一撃を巡査与えている。


「ノブ、そんな攻撃じゃ相手はたおせないわ。」


 ユウナは、ノブのあまりにも無防備な戦い方に巡査達を倒すことは出来ないと考えていた。


「問題ないわ。じきに倒せるようになるわ。」


  ミラの言うとおりにある程度の攻撃したあたりから巡査が一人また一人と倒れていった。耐えられないと判断した巡査は、一端ノブから引く。その隙間を突くように後方から3人の魔法攻撃ファイヤーボールがノブへと放たれた。


「ノブ危ない、避けて‼︎」


魔法攻撃に気が付いたユウナが叫ぶが、ほぼ同時にファイヤーボールが着弾した。


  「この魔法攻撃は、耐えられないぜ。完全に死んだな。」


 魔法攻撃を行った巡査の一人が呟いた。ファイヤーボールの爆炎が舞う中、ミラとカイ以外はノブが死んだと確信していた。

爆炎のエフェクトが消えて現れたノブは、ピンピンしていた。


「何‼︎ 何で死なねーんだ? ぐはっ」


 魔法を放ったけいかんは、ノブのパー玉にどんどん倒れていく。離れていた巡査は慌ててノブに近づいて各々の武器で攻撃を行うがノブのジャンケンドーには最早、敵わなかった。そして、ノブは最後の一人を倒してしまった。


「ふふふ、私は警部補だ。そこらの巡査とは訳が違うぞ。最後に聞くが、二人を差し出せば殺さずにいてやろう。」


「嫌だね。お前らは俺達を殺そうとした時点で覚悟してるぜ。」


    すると警部補は剣を抜きノブを攻撃し始める。警部補の斬撃は早くノブに易々と当たるがノブのHPの表示バーはあまり減っていない。ノブと警部補の闘いが五分経過した辺りから徐々に警部補を抑えるようになる。


「何故だ? この俺が押されている。」


「すごい、あの警部補を一人で渡り合うなんて。」


「ノブの強さはこれからよ。」


「そうじゃ、勇者殿は更に強くなるのじゃ」


「 ん?今勇者って言わなかった?  あいつ何やってんのかなー?  後で、ちゃんと聞かないと。」


  ユウナは何やらぶつぶつ独り言を言うのであった。

  闘いは、少しずつではあるがノブに傾いていく。とうとう、ノブのグーナックルが警部補の腹に致命傷を与え警部補は後方へ吹っ飛ばされた。

  

  「何故だこの俺が押されるなんて。」


「ふん、お前が強いんじゃない。俺が更に強いだけだ。決まったぜ。」


  ノブは、ドヤ顔で言った。


「ノブ、カッコつけてないで早く倒しなさい。」


  ノブのドヤ顔にジト目でミラが言った。ユウナもミラに賛同するように大きく頷く。

   警部補は、更にもう一本左手に剣を持ち構えた。


「仕方がない。切り札を出すか。

喰らえ、スーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルローリングギャラクシーバーストマグナムバージョンカー‼︎」


  警部補はすごい速さで回転してその勢いでノブに斬りかかった。ノブは、何十回も斬られ壁へ突き飛ばされるのであった。


  「手間取らせやがって、これで死んだだろう。」


  ユウナは、ノブが死んだと確信し涙を流した。それとは対比的に、ミラとカイはノブが死んだとは露程思ってない表情でノブが倒れた方を見ている。すると、倒れていたノブがのそりと立ち上がった。


  「今のは効いたぜ。お前もいろんな技が混ざっているが何で最後はプラモなんだよ。」


  警部補は、並の人間が死ぬ何倍ものダメージを負わしたのに、生きていることに驚愕を覚えた。巡査が負わしたダメージを回復魔法やポーションを使った形跡もなくそして自分の切り札も食らってなお生きていることに理解できず頭が混乱してしまった。


「まあいいや。これでお前の最期だ。チョキスラーッシュ‼︎」


  警部補は足が上手く動かずチョキスラッシュをまともに受けてしまった。警部補のHPが0になり巡査が死ぬ時のエフェクトと同様に光の粒子になった。


「ふー、やれやれだぜ。」

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 デスgoゲームが終わらない~死んだ後から魂をかけたデスゲームが始まる~ 田圃獅子迦 @shishika

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