異世界へ7(第8話)

「どうするんですか、ひかりさん。」

『もちろん倒しに行くよ。』

「簡単に言ってますけど、幹部?らしいですよ。強いんじゃないんですか。」

『こんな何にもないところに来る奴だよ。きっと幹部のなかでも最弱なやつで   しょ。』 

言われてみれば、っといったん納得しました。そしてひかりさんと一緒に、幹部?

の現れたらしいところにいきました。でも、なんか嫌な予感がします。


着きました。そこには人らしきものが。

『あいつは、フラス!幹部の中でも結構強い、魔族殺しと言われている奴だ。』

え、何それ怖い。いきなり中ボスクラス来ちゃいましたよ。フラグ回収しすぎです。

「ていうか、あれって人じゃないんですか?」

『そう、人だよ。たまにいるんだよ、魔王側に寝返るやつ。』

「因みに、どういう魔法を使うんですか。」

『一回食らったことのある魔法を無効にするらしい。』

なんかよく聞こえませんでした。

「もう一度。」

『魔法を無効化する。』

え、無理ゲーじゃないですかやだー。

「勝てます?」

『勝てないかも。でも勝算がないわけじゃない。私しか使えない魔法で初見殺しするか、体術で倒すか。』

「私の出番ですか!」

『それはない。あいつ近距離普通に強いから。しかも戦闘経験豊富。油断も隙も無 い強者。だから不意打ち。

  火 属 性 上 級 魔 法 極 炎。』

めちゃめちゃ卑劣じゃないですか。

〈あっつ、あちい。〉

一応きいたみたいですね。

『どうしよ。一撃で落とせなかったし、終わったかも。』

不意打ちしておいていきなりピンチって。とりあえず、「あれ」使いますか。私は「メガネ」を付けました。そして意識を失いました。



『沙苗ちゃん、どうしたの?』

私は突然メガネをかけた彼女にこんわくしてしまった。すると、

「ひかり。ここは私に任せてくれないか。」

『は?』

え、なに。唐突に口調変わったんだけど。声のトーンめちゃめちゃ変わってるし。

     う っ !

『わかったよ。』

なんでかわからないけど、逆らえない。この魔力、本当に沙苗ちゃんがだしているの!でもなんか、彼女に任せれば大丈夫な気がする。

「まず、奴の魔法を分析する。」

『あいつの魔法は一度喰らった魔法の無効化だけど。』

「そんな強い奴を魔王の近くに置かないのは不自然だ。さっきの魔法の威力はどの 程度のもんだ。」

『さっきの魔法の火力をこす魔法はそう多くないよ。さっきは全然火力出てなかっ たけど。』

「じゃぁ、もう一回撃ってみてくれ。」

〈お!やっと話し合い終わったか。待っててやったんだから、少しは感謝s....。>

『火属性上級魔法極炎!』

<あちぃー。容赦ねー。>

効いてる!いったいなんで。

「ひかり。今からいう作戦、やってくれないか?」

その作戦は賭けの要素が大きいし、成功率は決して高くなかったが、

『わかった。』

私は彼女に自然と任せたくなっていた。



あついなぁ。まさか二回も不意打ちされるとは。あの狼族、逃げ出したぞ。もし隠れて不意打ちされたらたまらんからな。警戒しとくか。    

『火属性上級魔法極炎』

さすが「極炎のひかり」。簡単には解析できないな。俺の無属性魔法マジノ専。魔法に触れて解析をし、魔法を無効化する。中級魔法なら一瞬で解析可能。だが、あの練度の上級魔法となると解析には時間がかかる。一応50%は解析できたし、もう少しで無効化できるんが。ん?

『火属性上級魔法獄炎龍』

炎が追いかけてくる。上級魔法か。何とか半減できたが、おそらくまだ技を隠しているな。狼族の魔力の気配が完全に消えた。完全に逃げたな。ん?まさかここの地形を変えてしまうレベルの魔法を使うつもりなのか!そうなれば狼族を逃がすのにも納得がいく。おそらく、さっきまでの攻撃で俺の魔法はおおかたばれてる。なら火力で押し切ろうということか。うわさには聞いていたがとんだ脳筋野郎だ。だが、解析に全神経を集中させれば、解析速度を大幅に上げられるんだよ。普段は護衛がいないと使えないが、これなら。まさか偵察にきただけでこうなるとはな。こい!ひかり。

「火属性体術獄炎切り」

<え?>

突如として背後に現れたのだ。狼族が!さっきまでそこに魔力は。まさか、魔力の気配を消したってことか!!そんなの狐族か、闇魔族しかできないはずじゃ。こいつは一体。

<ぐぁぁ。いでぇぇ。>

まずい腕が…



フラスは気絶した。腕を斬られたショックが大きかったらしい。でも今はそんなことより、沙苗ちゃんだ。区長やしゃべり方ならまだしも、さっきの潜伏魔法は確実に闇魔族のもの。すると、彼女はメガネを外して

「私なんかやっちゃいました?」

『なろう系主人公か!』

「ていうのは、半分冗談です。一応何となくは覚えています。実は私メガネをかけ ると、性格が変わるんです。」

うん。うすうすきずいてた。

「小さい頃からゲームをたくさんやってて、いつもメガネをかけてたんですよ。す ろと、メガネをかけるとゲーム脳になるようになってたんですよ。ゲーム脳にな

 るとなんかいろいろ解決してるんですよ。」

ちょっと仕組みがわかんない。この子謎多くない。不思議な人って問題じゃないんだが。でも、何故か恐怖は感じない。お母さんの言ってた私に必要な人って、こういうやつなのかもしれない。

『沙苗ちゃん。帰れるようになるまで、私と一緒に魔王と戦わない?』

「はい。いいですよ。」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

私の血筋が特別ってマジ!? @yokayato931

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ