本作は短編連作形式で、同時にロードムービーの体裁を取ります。
構成としてはよくある構成であり、いわゆる異世界転移もので現代知識チートものであり、表面的には主人公無双ものと、はやりの要素をこれでもかと詰め込んだ作品ですが、複線の張り方回収の仕方などきっちりと練りこまれつつ世界観の設定も無理がないレベルで曖昧さを残しておくと、手練れの作家さんなんでしょうか。
きっちり完結していることも素晴らしい!
エタるものがほとんどなんですけどね。
で、書かれているアイデアも俊逸です。
少々アイデア頼り世界観頼りってとこも見受けられますけど、だからこその短編連作でロードムービー形式なんだろうと。多分アイデアありきで「書いてみたい」から始まっている作品なんでしょうね。
全体としては結構なボリュームですが、各章は一気に読める分量で文体に癖もないため楽しく読んでいけて、「アレっ?」と思うと時間がたってるって感じになるんじゃないかと思います。
人によっては少々淡泊と感じるかもしれませんが、エンタメとしてお勧めできます。ぜひどうぞ。
アイデアを生かす伏線と回収で「おぉっ」となること請け合いです。
他の方のレビューにあるように、当作品は30万字ほどで綺麗に完結させた作品であり、骨太でありながらも読みやすく手に取りやすい作品になっています。
特に序盤の描写が素晴らしく、重厚感を出しながら世界の描写をしっかり行っている大人向けのファンタジーと言えるのではないでしょうか。
昨今の作品らしく「異世界転移」という利点を生かした知識チート(?)のようなことを行いますが、主にそれを活かすのが転移者である主人公ではなくヒロイン(s)と言うところが大変オリジナリティがあり素晴らしいと思いました。
小説の内容も素晴らしいですが、それ以上にお手本のような構成で読みやすく、レビュー数評価数も納得です。(特に獲得星数割る評価人数で割り出せる)平均星数の高さが万人が評価している証拠ではないでしょうか。
まだ未読の方はぜひ一度読んでみてください!大変おすすめです!