第26話 変わり者の研究者
「なるほど、
ジョナはトーイの先祖返りから推測した、ダイモーンの考えをビアンカに伝えた。
「確かに血の
ビアンカは床に散乱した本の背表紙を一つ一つ確認しては、別の場所へ放り投げながらジョナたちに尋ねた。
「『交わした鎖断ち切るは
ジョナが懐から手記を取り出すと、ビアンカの目に驚きの色が浮かんだ。
「懐かしい文字だね。私の旦那の字だよ」
ビアンカの言葉を聞いて、その場にいた全員が驚きのあまり固まってしまった。
ジョナから手記を受け取り、懐かしそうにページをめくっているビアンカにジョナは訊ねた。
「あなたは……いったい何者だ? 俺たちはあなたにそっくりなダイモーンを知っている」
「待ってくれ、ビアンカどういう事だ! ダイモーンと交流があったのか?」
話を聞いていたヴェリエルはこらえきれずにビアンカに叫んだ。
「ずっと昔の話だよ。私たちとダイモーンが共に血の
ジョナたちは
「俺はてっきり変な実験でもしてああなっているんだとばかり……」
ルーノはシャミスを思い出しながら頭を掻いた。
「私の話はどうだっていいよ。血の
ビアンカにそう言われ、ヴェリエルは渋々納得したようだった。
「私はあれからもずっと研究を続けている。だけど、どうしても分からないことがあるんだよ。天使の子孫に伝わる唄に『一対の戦士』という一節がある。両手に掲げた戦士とはダイモーンと飛竜を指す。一対なんだ。恐らく何か共通点のあるダイモーンと飛竜でないといけないと考えている。ただ、それが何なのか私には分からない……」
ビアンカはジョナから受け取った手記の一文字一文字を指でなぞりながら悔しそうに言った。
「深紅の瞳……飛竜が
ルーノは顎をさすりながら呟いた。
「深紅の瞳? そうか!
ビアンカは興奮気味に身を乗り出した。
「トーイは俺の相棒だ」
ジョナは深紅の瞳でビアンカを真っ直ぐ見つめながら答えた。
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