第16話 希望の光
血の
汝らの
交わした鎖断ち切るは、
始まりの地にて血を洗え。
さすれば血の
これはダイモーンに伝わる言い伝えだとジョナが教えてくれた。
「ダイモーンや飛竜が人間たちの手によって討伐され迫害を受けた年、1人の年老いたダイモーンが天からの声を聞いたと言われている。
ジョナはリタにそう説明しながら何かの書物を眺めていた。
「血を洗うって何をするの?」
「互いの血を混ぜ合わせるんだ。少量でいい。指先を切って合わせるだけだ」
ジョナは平然と言ってのけたが、リタは顔をしかめた。
「あの……どうしてトーイだとその血の
リタはまだまだ分からない事だらけだった。
何故“先祖還り”したトーイにみんなが希望を抱いているのかもさっぱり分からなかった。
「天使が血の
ジョナはそう言うと、手にしていた書物を閉じて部屋に残った飛竜守りたちを集めた。
集められた飛竜守りたちはこれからの事やアバン王のことについて真剣に口論していた。
「血の
ジョナに指名されたルアンナはいつもとは違う真剣な顔つきで頷いた。
「アバン王の動きはどうなっている?」
ジョナは1人の飛竜守りに視線をやった。
「はい。アバン王は着々と計画を進めています。まだここは見つかっていませんが、部隊を各地に送り込んで血眼になって我らを探しています。戦力については数千の兵が集まっていると推測されます。まだ時間はあると思いますが、万が一の事を備えて対策は必要だと考えられます」
「分かった。もし今までのように血の
「承知しました。お任せください」
レイアンと呼ばれた飛竜守りは深々と頭を下げた。
大人しそうな中性的な顔立ちに似合わず、鍛え上げられた体つきはまるで戦士のようだった。
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