第20話 妹

俺達は帰国のために空港にいた。時子からは、鳴彦の異常は報告されたがそれは俺の仕事の範疇ではない。


飛行機を待っていると、一人の女性が近づいてくる。黒髪で美しく、セーラー服に身を包んでいる。


「お兄様。お久し振りです」


彼女は俺の妹の静香だ。やれやれ、どこから俺が帰国した情報をつかんだのか。


「仕事で来ただけなんだけど」

「ええ、わかってますわ。でも、わたくしの学園にも、お兄様の手助けが必要な案件があるのですけどね」

「金次第だなあ、それは」

「そちらの有彦さんが関係あるとしても、ですか?」

それは聞き捨てならない。俺は不安そうに俺を見ている有彦の頭を撫でる。


「OKわかった、話を聞かせろ、我が妹よ」


こうして、事件かひとつ終わったとしても、俺の周囲が静かになることはなかった。


end

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宵鳴鳥 九条静寂の冒険2 @hotarappy

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