連邦市民は「良くも悪くも理性的な判断をこそ重視するしコスモポリタンとしての意識が強い」傾向があるような気がするので、
この辺りの「故郷への愛着が強すぎる」辺りがラガーヴ人の評価がいまいち低い所なんだろうなというのはありますね。
ただまぁ言ってみれば「テセウスの船」に近い思考問題ですよねこれ
「別の恒星系に移されて人工天体の影響を受けて多少なり変質した自星の環境及び生態系が再移植された『惑星ラガーヴ』は本当にラガーヴ人の故郷なのか」という
なのでまぁ故郷への愛着が強いラガーヴ人に忌避感が出るのは判らんでもないのはないんですよね……
それはそれとして「じゃあどうするの」に回答が無い時点でどうしようもないんですけど
作者からの返信
感想ありがとうございます。
連邦市民的には、天然惑星は有限な資源なのである程度割り切らなくちゃならないという考えが通底しています。
ラガーヴ人はちょっと逸脱してますのでね。
思考問題としては、結局どこを落としどころにするか、という問題なのですよね。本来ならあきらめざるを得ない天災ですから。
地元のダムの底には、かつて集落がありました。
今も、その集落の出身者やそのご家族が時々集まったり、集落が見える時期にダムを訪れたりしています。
集落を離れるときに持ち出した名産だった野菜は、今も大事に種が受け継がれています。
水底に沈んで何十年も経つのに故郷を大切に思う人たちを見ているから、ラガーウの人が見苦しいくらいに諦めなかったり、身勝手なほどに「最良」を求める必死さも、しかたないことだよな…って思いました。
作者からの返信
感想ありがとうございます。
この話の感想をいただいた時、私もふとダムとダムに沈んだ居住地のことを思いました。
私は特にダムに関わる地域には暮らしていませんが、生まれ育った場所が変わることへの痛みは、きっと当事者の方にしか分からないものなのでしょうね。
貴重なお話をありがとうございます。
ラガーヴの人々の未来が、皆さんの心に添えるようだと嬉しいのですが。
恒星が出来た時に周りにあった小惑星がぶつかりあっていい感じの大きさになってたまたま恒星の周回軌道に乗って幸運にも水分も含んでたからなんやかんやあって生命が生まれて~と極小の確率の末にある現在の惑星を地表削ってから別の恒星系に持っていって再構成しますと言われたら不安になるのも当然。
愛郷心という民族単位でどうにならない上に自他で温度差の激しい感情がある中でよく決断出来たものだと思いますよ。
作者からの返信
感想ありがとうございます。
どんなことでも最初は怖いですよね。そこにリスクを感じるのも、不安を感じるのもそれなりに普通のことだとは思っています。
決断しないと故郷が文字通り壊滅する路線ですので、決断を強いられた部分はあると思いますが、確かによく決断しましたよね。
そんなに元の状態が好きなら星と運命を共にしろよと思うのです。
作者からの返信
感想ありがとうございます。
そう思うのも無理はないと思います。一方で、故郷が喪失の危機にある時、その故郷を出来るだけ遺失しないように守りたいと願うのもまた人情なのではないかなとも思うのです。
正解のない問いのひとつの形として、この章にて彼らを描いております。
それをカイトたちがどのようにひっくり返していくのか、お楽しみいただければ嬉しいです。