2.fin.『』

(でっ)


 と、あたいはアーちゃんの膝の上で体をまるめた。


(あの小娘は免疫屋になって、脳洗浄をまぬがれたわけ?)

(ええ)


 アーちゃんの細長い指が私の喉元をなであげる。あ〜、そこそこ、こんどは耳の後ろのあたりをちょうだいな。


(そんで、そのままバクにゃんが面倒を見るのか。良かったのかしら? 敵に塩を送るようなことをして)

(塩?)


 アーちゃんは首を傾げた。

 本当に何も心配をしていないように見えた。いくら思念通話でも猫と人間では大して共感できない。アーちゃんにとってのバクにゃんってどうなのかしら。普通じゃないとは思うけど、特別と言えるかはいまいち掴みきれない。


 まぁ、いいや。


 アーちゃんの指が耳の後ろから頭のてっぺんのあたりをもみ上げていく。あ〜極楽極楽。


(でもさ)

(はい?)

(免疫屋になったから検疫はなし、っていうほど保健省は甘くないでしょうに。あの小娘は感染エリアにいたのだから)

(もちろん、検疫はしましたよ。社会大脳のブラックリストに登録する必要もありましたから。ただ、脳洗浄はしていません。免疫屋には攻撃性が必要ですから)

(晴れて、殺人脳リストに登録されたってわけね)

(それは不適切な呼び方です。正式には共感機能不全脳リストです)

(人間ってのは不思議なものね。誰も覚えられない難しい言葉をつけておいて、影ではみんな殺人脳リストなんて呼ぶ。そもそも、命を奪うことはそんな悪いことなのかしら? アーちゃんだってお肉を食べるでしょ)

(ほとんどが合成肉なので実際は大豆ですよ。共有脳が普及してから菜食主義者の割合も増加していますし、菜食のほうが壁内の限られた資源を節約できますから)

(どうせ味は脳内再生だしね)


 ふとバクにゃんのアパートで飲んだ、本物のミルクの味を思い出した。あの生臭い感じはなかなか猫の野性をくすぐる。まぁ、私はたまに運動がてらネズミとかゴキブリとか狩って食べるけど。自分の野性とは適度に遊んでやるのが猫のたしなみってもんよ。

 そう言えば、前にゴキブリを食べている時にアーちゃんが思念通話をかけてきたことがあったわね。あの時は、めずらしく動揺していたっけ。

 その後、めちゃくちゃ歯磨きさせられたけど。


(猫とはいえ同族の猫を殺さないでしょう)

(ゴキブリは殺すけどね)

(……マリー?)


 アーちゃんの怒りが伝わり、全身の毛が逆立ってしまった。さっきまで優しく撫でていた指が、今にも千切らんばかりに耳をつまんでいる。


(もしかして、また、アレを食べたのですか?)

(あ、いや。他の猫の話よ。一般的な猫の話)

(……)

(それにしても、さっきの話よ。何の話だっけ?)

(猫だって同族は殺さないでしょう、と言う話です。食べるために虫を殺すことはあるでしょうが)

(まぁ、ないわね。でも、喧嘩は日常茶飯事よ)

(それは共有脳がないからです。かつての人間もいさかいが絶えなかったそうです)

(だったら、他の猫たちにも入れてあげなさいよ)

(それは禁止されています)


 人間の社会は禁止ばかりね。共有脳なんかなくても猫の社会はもっとうまく行ってるわ。決まり事は一つだけ。集会ではお腹を見せ合ってのべ〜とくつろぎましょう。それだけで十分だというのに。


 まぁ、いいや。くわぁ、とあくびをする。人間のことなんて考えるだけムダよ、ムダ。


(それにしても、今回のは大手柄だったんじゃないの?)

(そうですね)


 耳をつまんでいた指が、また背中から尻尾につたっていく。


(トロルを発症した母親、その脳内を検疫して、ツィリンさんを強姦した潜在トロルが三人。そして、壁の中で活動していた売春組織と銃を持ち込んだ黒い脳が五人だ)


 彼女は仕留めた獲物の数を数え上げた。それは普通の防疫官なら数年はかかる数だろう。


(マリーのおかげですね)

(そうよ、感謝しなさい)

(ええ)


 彼女は指をあたいの額の上に当て、カリカリとくすぐってきた。おぼこな彼女だけど猫の愛でかたはテクニシャン。


(とはいえ、今回ばかりはアーちゃんを疑ってしまったわ。特にこの仕事の最初は納得いかなかったのよ。あんな冴えないバクにゃんを監視するために、このあたいを使うってんだから)

(ええ、実は局内を調整するのも大変でした)


 検疫動物は貴重だ。その中でもあたいは超一流。免疫屋を監視するためだけに使う、普通なら許可されない。


(でも、成果は大きい)

(黒い脳と売春組織はデカいでしょうね)

(それもそうですが、もっと別の成果です)

(なに?)

(カタリの脳を捕まえました)


 カタリと言えば、保健省で話題になっている大物トロルだ。防疫が困難なコンテンツ型感染の創作者であり、防疫官ですら感染させた。


(彼はツィリンさんとも脳を交換していたようですね)


 アーちゃんが指を回すと、検疫の分析データらしきものが網膜投写された。数字とグラフが並んでいるが、猫のあたいは読む気がない。


(なにこれ)

(ここです。彼女の大脳マップに特異領域が検出されました)


 アーちゃんは脳内を色分けした図を指差した。


(この領域だけ別の人格に置き換わっていました。肉体的アイデンティティは若い男性で性的指向は両性バイ。断片的ではありますが、おそらく、カタリ本人の脳でしょう)

(これって)

(ようやく、尻尾を掴みました)


 アーちゃんは笑った。まるで猫が獲物を見つけたように。


「アルナナ君」


 背後から声がしたので、アーちゃんは私のお尻を叩いて立ち上がった。

 彼女に声をかけたのはここらのボスであるイワモリ課長だ。その背後に背の高い長髪の男をつれていた。

 その顔をみて目を丸くする。バクにゃんにボコボコにされた黒い脳のリーダー、クルード・カザマだ。


「はい」

「ちょっといいかね?」

「もちろんです。最大の功労者であるマリーに御礼をしていただけなので」

「そうか」


 課長は近くの椅子に腰かけた。


「分からんものだな。君の第一印象では、もっとマニュアル的な人間だと見誤っていたよ。まさか、こんな提案をしてくるとは」

「ご苦労をおかけしました」

「いや、そういう仕事だ。さて、上とは相当揉めたがなんとか通ったよ。クルード・カザマの殺処分は中止し、君の部下になる」

「感謝します」


 アーちゃんは頭を下げると、背後に控えていたクルードに視線を移す。


「あんたが俺を助けてくれた防疫官か」と彼は口笛を吹いた。

「アルナナと申します」

「フルネームはなんて言うんだい? べっぴんさん」


 アーちゃんはその質問を無視した。


「貴方には、私を壁の外に案内してもらいます」

「おいおい。分かってんだろ。あんたみたいなのが行くとこじゃないぜ。あそこにはトロルどもが潜んでいる」

「それが貴方の助命を申請した理由です。その壁外での経験は貴重ですから。その脳を是非、私たちの役に立ててください」


 アーちゃんはにっこりと笑顔を作った。



 ◇


 バクバが無人タクシーから外に出ると、そこには懐かしい庭が広がっていた。


 庭というか、そこは畑だ。土臭い、ありていに言えば堆肥の臭いがぷ〜んと漂っている。それでも、嫌な気はしないのは、自分が幸せな幼少期をこの臭いの中で過ごしたからだろう。


 向こうにはつたに覆われた大きな建物がそびえ立っていた。外壁に近いとはいえ、地価の高騰が続く東京の壁の内側で、これだけ広大な敷地をどうやって維持できているのだろうか? 幼い頃には気がつかなかったことが、大人になると色々と見つかる。

 ここは布津野ふつの孤児院。僕が育った家だった。


「なんか、ウンコくさい」


 ツィリンが横で顔をしかめた。


「昔は、ここで農作業をやらされたなぁ」


 屈んでみて、よくかもされた柔らかい土壌を掴んでみた。目の前にはキャベツやらニラがばらばらに生えている。見上げてみると、今度はまるまると太ったナスやゴーヤが垂れていた。


「今だから分かるんだけど、こんなご時世に畑で有機野菜なんてすごい贅沢なんだよなぁ」

「孤児院って儲かるの? そのワリには建物はかなりボロいけど」


 彼女は一階の部分がびっしりとつたで覆われた向こうの建物を指差した。


「っていうか、植物にのまれてない? 本当に人が住んでいるの?」

「あの蔦はヤマブドウだよ。この時期だと実をつけているな。久しぶりに食べてみようかな」

「なんだなんだ」と後ろから声がした。「久しぶりに帰ってきたら、さっそく盗み食いか」


 後ろを振り返ると、背の高いすらりとした、しかし皺深い老人がいた。


「ニィ爺!」

 懐かしくて、思わず駆けよる。

「よぉ」とニィ爺は笑って、僕の肩を叩いた「おうおう、バク坊や。まだ死んでなかったか。感心、感心」

「随分な言い方だなぁ」

「こっちより先に死なれてはかなわん。もうこっちは百二十だ。バク坊は確か……」

「三十五だよ」


 百年以上前に遺伝子最適化が普及し、人の健康寿命は百歳を超えた。それでもニィ爺のように百二十歳を超えてなお健康なのは珍しい。しかも、その背筋はまっすぐと伸び、受け答えもしっかりしたままだ。


「でっ、その子が例の?」

「ああ」

「どれ」


 ニィ爺は小柄な彼女の前でかがみ込み目線を合わせた。


「この孤児院の院長をしているフツノ・ニィだ。よろしくな」


 ニィ爺は農作業をしていたのか、土汚れにまみれた手を作業着でごしごしとふいてから、彼女に差し出した。

 ツィリンはおそるおそる手をにぎる。ニィ爺の大きな手がそれを包んで上下に軽くゆらした。


「いい目だ」

「……」

「野性の猫のような。こういう目をした子は最近、めっきり居なくなったな。俺の死んだ妻に少し似ている。名前は?」

「ツィリン……」と少し黙ってから「ファン。ツィリン・ファンです」

「そうか。事情はバク坊から聞いているよ。もし名字を変えたいのならフツノに変えてもいい。バク坊と同じで、君はここの家族になるのだから」


 ニィ爺は目配せをして、蔓に覆われた建物のほうを示した。その先には物珍しそうにこちらを眺めている、小さな子どもたちがいた。


「あ、あの。私……」

「ん?」

「バクバさんみたいな免疫屋になれますか? あんたがバクバさんの師匠なんでしょ?」


 ニィ爺がこっちに横目を向けた。


「そんな風に言ったのか?」

「まぁ、師匠ってのは間違ってないから」

「教えたのは技だけだがな」


 ふぅと息を吐いて、ニィ爺はツィリンに視線を戻した。じっと彼女を見つめながら、珍しく真剣な声で言った。


「お前さんは強くなるだろう」と彼女の肩に手をおいた。「望むなら、バク坊と同じ稽古をつけてやってもいい。その代わりに、今から言うことは覚えておいてくれ。納得はしなくて構わんから」

「なに?」

「幸せも学びなさい。殺し方だけじゃ、いずれ死にたくなる」

「幸せなんて、どこで売ってるの?」

「そこの男が」とニィ爺はこっちを見た。「タダで配るだろうよ」

「……なるほどね」

「あわせて、もらって、かえす」


 ニィ爺は両手でわっかを作って見せた。自分も幼いころに、同じことを何度も聞かされ続けてきた。


「きっちり同じだけ返せば無限にまわり、まわるだけで減ることはない。幸せっていうのはそういうものらしい。まぁ、同じだけ返す、というのがなかなか難しい。だから、生きるだけでも稽古がいる」

「なにそれ? バクバさんも同じようなこと言ってたけど」

「俺の親父の寝言さ。お前さんに教える合気術の開祖でもあるな。まぁ、分からなくても、覚えているだけでいい」


 怪訝な顔をしているツィリンに向かって、ニィ爺はにやりと笑って見せた。


「呪文みたいなものさ。幸せなんて薄っぺらい、とお前には思えるだろうが。まずはそこのバク坊からタダでもらってみろ」

「もうもらったわ。言われなくてもちゃんと返すつもり」

「ほっ、そうか。だったら、ぴったり同じだけ返してやれ。多すぎるとバク坊が調子にのるからな」


 ツィリンはにやりと歯をみせた。

 よし、とニィ爺は腰をあげて、こちらを振り返る。


「さて、良い子と出会ったな」

「ああ」


 ニィ爺は僕の肩に手を回して、耳元に口をよせる。老いたとはいえ、背はニィ爺のほうが高い。


「お前は自慢の息子だ」と僕の胸を拳でどんと叩く。「いや、年齢的には玄孫やしゃごか? まぁいい。しかし、覚悟は出来ているんだろうな。子どもってのは、助けてそれで終わりってわけにはいかない」

「……うん」

「まぁ、大丈夫だ。俺も手伝うからな」


 ニィ爺に今度は背中を叩かれて、ツィリンの前によろめいてしまった。とても老人の力に思えない。

 

「ねぇ、バクバさん」

 と、ツィリンの顔が目の前にきた。

「私、なるよ。バクバさんみたいな免疫屋に」


 僕みたいにはならないで、と正直な感想をぐっと飲み込む。免疫屋は危険な仕事だ。でも、あの彼女が目をキラキラと輝かせていた。ニィ爺の言うとおりだ。今は、もらったものを、そのまま返さないといけない。


「ああ。一緒に頑張ろうか」



 ◇


 布津野孤児院であてがわれた部屋の窓辺には、外のヤマブドウのつるがはびこっていた。それをぷちぷちと引きちぎって、たてつけが固くなった窓を開けると、畑のうんこ臭い風が吹き付けてくる。


(ねぇ、カタリ?)

(なんだい。ツィリン)


 毎晩しているようにカタリと交換した脳とおしゃべりをする。


(今、何してるの?)

(分からないよ。もう他の脳たちとは長いこと通信していないから。でも、壁の外で洪水を泳ぐように楽しんでいるんじゃないかな?)

(いいわね。私もそっちについて行けばよかったなぁ)

(嘘だね)

(……分かる?)


 カタリと一緒に我慢していたイライラは、もう脳の中に溶けてしまった。脳洗浄みたいに消したわけでも誤魔化したわけでもない。私は自分の悪意トロルを取り込んだのだ。


(バクバさんは、僕の依頼を達成したみたいだね)

(優秀なハンターの紹介、ありがとう)

(君がうらやましいよ。いや、ツィリンだってカタリだ。ここはありがとうと言うべきだね。君のその素晴らしい経験をこうやって共有してもらえるのだから。ああ、君と再会出来る日が待ち遠しい)

(その時は、私、免疫屋よ)

(しかも、バクバさんの弟子だ)


 あのカタリに、うらやましい、と言われてめちゃくちゃうれしかった。

 カタリがいるこめかみのあたりを指でなでながら、窓辺に腰掛けた。虫が交尾を誘う鳴き声、畑はウンチ臭い、月にはティッシュみたいな雲がかかっている。

 この世界は汚いのと綺麗なのがごちゃ混ぜだ。


(私、免疫屋になる。そうすれば、あの母親に植えつけられたトロルも少しは役に立つかもしれない。ちょっとしゃくだけどね)

(ふふっ)


 カタリは笑った。


(壁の外で待っているよ。免疫屋になった君に捕まるのを)

 


————二章:売春少女感染事件 了。




——参考文献——


以降では、本作には直接出てきませんでしたが、執筆する上で参考になった文献をあげさせていただきます。


▼『彼女たちの売春(ワリキリ)』(荻上 チキ。SPA!BOOKS。2012年)

 売春に従事する女性たちへのインタビュー集。体を売る女性たち本人による言葉による貴重な記録でもあります。買春にせよ売春にせよ、メディアでは否定と消極的肯定の二つの意見が語られます。しかし、この本を読めばそれらの主張は、実際にそれで生活をしている女性たちの感情とは遠く離れた、単なる理屈でしかないことが実感できます。

 この本には、精神疾患を患いワリキリでしか生活できない女性も、ワリキリをしたたかに利用する女性も登場します。社会の不幸として有史以前から存在し続けていた売春について、レッテルを剥がして見るには最適な良書です。


▼『私たちは子どもに何ができるのか』(ポール・タフ。英治出版。2017年)

 四歳までの環境が将来に及ぼす影響について、近年の実証研究を引きながら解説している本。幼児教育の啓蒙本のうち、統計的な裏付けのある研究結果を多数ひいて紹介している点がとくに素晴らしい。

 安全でストレスのない環境に育った子は、ストレスに対抗する必要がないためか、逆境に対して過剰反応はせずに、我慢強くなる。それに対して、ストレスに晒され続けた子どもは逆境に対して過剰に攻撃的になる傾向がある。などと結論を結び、幼児期の教育に注力すべきだと主張している。

 本書は米国と日本の幼児教育にかける予算を比較し、幼児教育に大きな予算を割いている日本を賞賛している。こういう外国の本を読むと、自分が認識していなかった自国の良いところを発見できて面白い。


▼『サイコパスの真実』(原田隆之。ちくま新書。2018年)

 他人にたいして共感することができないサイコパスと呼ばれる人たちについての述べた本。先天的な要因が濃いサイコパスという心理的特性は、他人に共感せず、他人を手段と見なすことを厭わないことから、犯罪者や経営者に多いとされています。はたして、その実態とは?

 サイコパス治療の可能性については、研究者によって意見が異なるようです。脳の特徴についての先天性と後天性については、双方の影響が混合していることは真実として、その程度についてはまだ定説がないと思われます。


▼『精神鑑定事例集』(監修 田中修。日本評論社。2000年)

 死刑囚となった犯罪者に対する精神鑑定の結果をおそらく原文のママ掲載した書籍です。ここにあげた本は古いですが、2010年版の『精神鑑定事例集2』もあります。どちらもお高いですが。

 正直、あまりにも精神的につらくて一事例だけしか読破できませんでした。私が読んだのはある連続強姦殺人を犯した人の鑑定事例だったのですが、単なる性欲を目的に次々と強姦して殺していく経緯が詳細に書かれています。

 精神鑑定というのは、その人の家族構成と関係性、過去の犯罪歴、性癖や証言の矛盾などつぶさに調べて文章に記録し分析していく作業のようです。おそらく数年に渡るその調査結果をこの本を読めば確認できます。

 よく、責任能力の鑑定結果によって裁判の判決が調整されることを問題視する意見を耳にします。では、その精神鑑定は実際にどのように行われているのか、本書を読むことである程度は実感することができるでしょう。読めば心を病みますが。(もう、二度と読みたくない)

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