第4話 「戦車装甲」

真夜中の戦場を次々と均していく鉄の塊。

回転するキャタピラ。

塹壕を軽々と越えていき、遂には前線にまで現れた。

その鉄の塊に装填された砲が、次々と兵士を撃ち抜く。


その新兵器にミクロシア兵士は動揺を隠せぬまま、次々と部隊は壊滅状態に陥っていった。そしてそれは、防衛砦を守る兵士たちにも伝わっていた。


「鉄の塊...?車両みたいなものが動いているだと?」

「はい!前線はほぼ壊滅...塹壕も乗り越えられます!」

「...死守しろ!」

「グレネードは...使えそうですかね」

「...やってみるしかない」


前線から撤退してきた兵士を全て受け入れ、砦の門を完全に閉じる。

有利だった戦況が一気に不利に変わってしまった。

「あれか...確かに...」


グレネードを装填し投げつける。

しかし闇夜の中では当たったかどうかすらも分からない。

しかし確実に聞こえた爆発音。


相手に被害を被らせることが出来たのは確かだろう。


刹那、門が一気に突き破られた。

「ッ!?撃て!!」

集中砲火を浴びせるミクロシア軍。

しかし抵抗虚しく、敵軍は次々と入り込んでくる。


相手も集中砲火により損害が出たが、それ以上に陥落が迫り続けている。

次々に後退していくミクロシア軍。

終いには自決用のグレネードを用意する者まで現れた。


先の戦争により、ミクロシアの損害は決して柔らかなものではなかった。

ましてやこの戦争に負ければ実質的にミクロシアは国としての権力が更に弱まる。



「支配下に置かれるなんて死んでもゴメンだ」

「...じゃ、勝つしか道はねーよな...」


「望むところだ」

どうやら鉄の兵器はこの細かなところまで突っ込むことはできないようだ。

そう判断した敵軍は砲から縦横無尽に撃ち続ける。

砦は蜂の巣同然になってしまった。

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蒼穹の戦士達 せいちゃん @Sei_chan

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