アマガエルの日

@dofjgnosfgof98

第1話

雨が続く毎日に、ふと嫌気がさした。

路面は濡れて、ところどころ水たまりがある。

小さなアマガエルがこちらを見た。

この子は私のことを何者だと思っているのだろう。

怪しい人、敵? それとも仲間?

傘の石突きを当てない様に、その場を後にする。


道行く人はみな鬱屈として、一つも晴れた表情はない。

雨はこんなにも簡単に、人を変えてしまう。

しとしと柔らかい雨も、本当は怖い存在。

どうか、それは嘘であって欲しい。

私はわがままだ。

けれど、自分の気持ちは正直に伝えたいと思う。

嘘で取り繕っていては、誰も信じられなくなるなら、、、

そんなのは嫌だから。


用水路には、滔々と水が流れる。

間違って落ちないよう、気をつけよう。

水はまっすぐ進んだり、ぐにゃりと回り道をしたり。

そんなものでいいのだ。

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