『小さなお話し』 その76

やましん(テンパー)

『歴史』

《これは、フィクションであり、この世界とは、なんの、関係も、ありません。》


        

         📚


『ひとは、みな、生きる、プロであります。


 どのような、職業かは、あるいは、職業があるかないかも、関係ないのです。


 生涯、大病もせず、100年生きたひとも、


 大富豪となったひとも、


 栄冠を得たひとも、そうしたものには、かんけいなかったひとも、


 わずかしか、いきなかったひとも、


 貧困から脱出、出来なかったひとも、


 病気などに、ひたすら、苦しんだひとも、


 戦争に倒れたひとも、


 出世したひとも、


 まったく、しなかったひとも、


 なにかに、殺害されたひとも、


 みな、等しく、生きるプロの誇りを持ち、


 また、等しく、尊重されなければならないです。』



 最後の『ひと』は、そう、言い残して、ゴキたちに囲まれ、静かに死を迎えた。


 これにより、『ひと』族は、地球から、絶滅したのである。


 あらゆる種は、絶滅をまぬかれないのだ。


 しかも、ごく、短期間の、事件で。

 


    ・・・・・・・・・・・・・・


    『ごき 大世界史 第3巻』より


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