第4話 「向かい風」

最悪の一日が幕を開けた僕は鉛のように重たくなってしまった身体をなんとか教室まで運んだ。


「どしたの、朝から元気ないじゃん。」


隣の席の吉野が心配そうに言った。


実はこの吉野とは高校3年間全て同じクラス、そして隣の席だった。


学年中でこれは「運命」だと騒がれ、絶対に付き合うべきだとみんなに言われる。


お互いまんざらでもなかった。


そんな風に騒がれれば嫌でも意識してしまう。


でも今の僕はそれどころではなかった。


あっという間に時間は経ち、お昼休み。


いつものメンバーで弁当を食べ、担当の掃除場所へと向かった。


朝からあんなことがあったからだろうか、ふとサボりたくなった僕は、いつもは通らない廊下を歩き、なるべく人のいない教室へと向かった。


周りに誰もいないことを確認し、ゆっくりとドアを開けた。


「あ・・・」


思わず声に出てしまっていた。


そこには昨日の彼女が男子と一緒にいた。


頭の中がパニックになりながらも、すぐに今僕が取るべき最善の行動を導き出し、教室から逃げるようにして走り去った。


色々な考えが頭の中をぐるぐる駆け巡った。


正解はない問題には自分で答えを決めるしかなかった。


「あぁ、そうか。そうだよな。。。」


諦めと悔しさと悲しさが混じったようなため息とともに、そうつぶやいた。


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かなしき恋に「さだめ」あり singnal @yamajun1218

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