第4話 第4小隊救援要請 後編
「ヴオ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙!!!」
獣の様な咆哮を挙げ全身が筋肉により膨張。
右腕の装甲に通った配線は赤く光り、湯気が視認出来る程熱を帯びていた。
咆哮を聞いた全員が動きを止めた。
SUはその隙を逃すまいと手始めに近くにいたテロリスト5人の頭を素手で弾け飛ばし、持っていた対装甲用狙撃銃をテロリストに乱射した。
弾は人体を容易に貫通し、一瞬で数十人の身体に風穴が空いた。
テロリストがようやく理解が追いついた頃には半数以上の仲間が死んでいた。
テロリスト全員がパニックに陥り、逃げ出した。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
SUは雄叫びを挙げながら逃げ遅れたテロリストを素手、時には銃で殺していった。
周囲にテロリストが居なくなった頃、SUの身体から大量の蒸気が熱と共に排出された。
リミッター解除する前の状態に戻ったSUはそのまま気絶し、倒れた。
[此方HQ!誰か応答願います!SU隊長のバイタルが以上です!何がありました!?報告して下さい!]
「此方第1小隊副隊長ウィング、隊長はパワードスーツのリミッターを解除しバーサークモードを実行した...。直ぐにカードヘリに乗せて帰投する」
[....HQ了解しました。ヘリパッドに医療班待機させていますので直ぐ帰投して下さい...。HQアウト]
「この馬鹿野郎...。なんでそう簡単に命を投げ出そうとするんだよ...。おい!早く帰投するぞ!隊長をカーゴヘリに乗せろ!」
「「「了解!!」」」
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ここは何処だ?
そう思い周囲を見渡し今いる場所が医療棟だと言うことがわかった。
隣にはボロスが椅子にもたれ掛かりながら寝ていた。
「守れたか...良かった...」
そう声を漏らし安堵した。
その声でボロスが目を覚まし、SUが目を覚ました事に気がついた。
「隊長!目ぇ覚ましたか!良かった...。ぶっ倒れるように気絶しちまったから暫く目を覚まさないと思いましたよ!」
彼は安堵し、今にも泣き出しそうな声で言った。
「そうだ!こうしちゃいられねぇ!他の隊員にも伝えて来ます!」
彼はそう言うと部屋を出た。
それと入れ替わるようにオペレーターの結月が入って来て驚いた表情を見せた。そして同時に大粒の涙を流し始め、もたれ掛かって来た。
「良かった...。本当に良かった...。もう目を覚まさないんじゃ無いかと...」
「任務からどれ位経っていたんだ...?」
「1週間です...。意識が全然戻らなくて...皆さん凄い心配していましたよ...?」
「それは悪い事をしたな...。お前にもだがな...」
そう言って頭を撫でる。えへへ、と顔を綻ばせる結月。やっぱり可愛いなコイツ。
そんな中ドアの外でガタッと音が鳴る。
二人がドアの外を見るとそこには覗き見していた隊員がいた。
「あ...隊長...すみません...なんか良い雰囲気でしたので...」
「〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
結月は顔を赤く染め、固まってしまった。
「わ、私仕事に戻りますっ!」
そう言い、部屋を飛び出す様に出て行った。
「あー...体調意識戻って良かったですね」
ウィング、そう言って雰囲気を変えようとしているが変わってねえぞ。
「あぁ、心配かけたな...」
「もう自分の命を軽く思わないで下さいね、俺らの隊長は隊長以外いないんですから」
「そうだ!そうだ!」
「そうだよ隊長!」
「あんた以外に俺の命を預けようと思わねえんだから!」
口々に隊員が言う。やっぱり俺はコイツらが大好きだ。
「馬鹿野郎が、だったらさっさと俺より強くなりやがれってんだ」
SUはそう笑いながら言った。
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その後病室の中からは楽しそうな笑い声が暫く聞こえたが、医療班に怒られ始末書が増えた。
極東重工MAGUS戦 @SUM82a1
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