第3話 第4小隊救援要請 前編

室内に警報が鳴り響く

「緊急出動要請!緊急出動要請!鉄鬼衆第4小隊の中規模武装勢力との交戦を確認!直ちに鉄鬼衆第1小隊は総員準備をし、援護に迎え!繰り返す!鉄鬼衆----」


「またか、これで今週何度目の救援要請だ...」

そうSUが呆れたように呟く。

「まだ6回目ですね」

皮肉まじりにウィングが言う。

「今回の武装勢力ってのは?」

「数ヶ月前うちの武器を積んだトラックを強襲していくつか武器や装備を奪ったテロリストです」

「なんでその程度の奴らに第4小隊は負けそうになってんだよ...。仕方ねえ、上からの要請だし行くしかねえか」

「ですね」

「ウィング、他の隊員を直ぐに集めろ、全員対装甲兵用の装備に換装させて5分後にヘリに集合させろ!」

「了解です」

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「お前ら!!今回の敵は俺らと同じ装備をしているのが複数名確認されてる!!幸いHQより識別は完了しているから誤射する可能性は低い!アルファ、ベータは俺と共に敵の掃討!チャーリーは第4小隊の救援だ!生き残ってる奴らを帰してやれ!クソッタレのテロリスト共に第1小隊の恐怖を刻み込んでやるぞ!!」

「「「「「了解!!!!」」」」



「降下地点到着!!」

「HQ、着地地点に到着した!これより降下し、第4小隊の援護を開始する!

[HQ了解しました!御武運を!]

「よし、行け!GO!GO!GO!」

小隊30名がカーゴヘリより飛び降りそれぞれ轟音と共に着陸する。

それぞれが第4小隊のいる方向に走り出し、接敵する。

「アルファ!9時の方向!敵を確認!射撃を開始する!」

「ベータ!2時方向!建物の屋上に敵を確認!蹴散らすぞ!」

「チャーリー!第4小隊の生存者を確認!救援に向かう!」

[了解しました。アルファはそのまま敵を排除、装甲兵もいるので注意を。ベータは屋上制圧後、そこから3時方向50m先にいる敵の増援を足止めして下さい。チャーリーは第4小隊と合流後、負傷兵をカーゴヘリに搭乗させてベータと合流後増援を排除して下さい]

「「「了解!!」」」

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「第1小隊チャーリー部隊だ、生き残ってるのはここにいる奴らだけか!?」

「あぁ、ここにいる隊員だけだ!すまない助かった!」

相当戦闘が激しかったのだろう。30人居たはずの隊員が10数名まで減っていた。

「さっさとカーゴヘリに戻るぞ!一人で戻れる奴は歩け!無理なら運んでやれ!手が空いてる奴は周囲の警戒!」

「HQ!負傷兵を運んでいる!本部の方に医療班を待機させておいてくれ!!」

[HQ了解しました。医療班を待機させて置きます]

「さっさと運んでベータの援護に行くぞ!」

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互いの銃火器が鳴り響く中段々とテロリストのメンバーが倒れて行く。

「クソが!なんだこいつら!?めちゃくちゃ強いじゃねえか!」

「ぐああああああ!!!足がああ!!」

「また一人やられちまった!!おい!どうすんだよこの状況!!」

「この装備着てれば勝てるんじゃなかったのかよ!?」

「クソッ!俺は逃げっ」

逃げようとした者、抵抗する者等しく地面に倒れて行く。

「マッド!まだ弾薬はあるか!?弾切れだ!」

「残り3マグしかねえよ!しっかり狙って撃てアホが!」

「ウェイド!グレネードを投げろ!」

「おらよっ!!」

爆風で数人が肉塊と化す。

「此方アルファ、後数分で制圧完了する!ベータが対応している増援以外他にはいるか!?」

[此方HQ、その他増援はいません。ベータが対応している増援だけです。制圧後は周囲を警戒し、カーゴヘリへの強襲に備えて下さい]

「了解!アルファ、アウト!」

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周囲を埋め尽くす程の敵、敵、敵。

全員がチャーリーを囲み始めていた。

「副隊長!この増援異常に多くねえか!?」

「見れば分かるわ!馬鹿野郎!!無駄口叩いてないでチャーリーが来るまで持ち堪えろ!!」

「こいつら大した装備じゃ無いくせになんでこんな突っ込んで来るんだよ!?」

「知るか!?さっさと撃て!!」

「ヤベッ」

眼前に敵が迫り銃口が向けられていた。

ボロスは目を瞑り、死を覚悟した。

しかし衝撃も痛みもいつまでもやってこなかった。

目を開けると目の前にアルファと一緒にいたはずの隊長が立っていた。

「俺の前で勝手に死ぬ事は許さん。絶対にだ。」

彼はそう言うと


「第一、第二能力解放、眼前の敵の完全沈黙まで限定解除」


パワードスーツのリミッターを解除した。


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