【外出自粛の街で#6 あとがき】渋谷・原宿 5月27日19時~20時半

すでおに

渋谷・原宿 5月27日19時~20時半

 2020年5月25日、緊急事態宣言の解除が発表された。翌26日は小雨。この日は曇り空だったものの気温は高く、陽が落ちても25℃近くあって、歩いているとじんわりと汗をかいた。


 PM6:30頃に乗った渋谷行きの電車のその車両は、ちょうど座席が埋まるくらいの混み具合だった。立っている人も見られたものの座席もいくつか空いていたので、相殺すると座席数と乗客数がほぼ重なる。実際に車両内を歩いて一人一人目視した。

 座席に座って何気なく周りを見たらみんなマスクをしていて、右を見て左を見て、離れた座席を見ても、見渡す限り一面のマスク姿。してない人はどれぐらいいるのかと車両を巡回したら、ものの見事に全員していた。ほとんどではなく一人残らず。着用率100%。これが日本という国か。


 夜の渋谷は、日常に近いと感じた。マルイやパルコは閉まっていたし(6月1日営業再開)、久しぶりにスタバのコーヒーでも、と思ったら7時で閉店していたりと、まだまだいつも通りとはいかないけれど、スクランブル交差点もセンター街も普段の夜の人出の7、8割ぐらいには戻っていたと思う。


 ところが竹下通り。この『外出自粛の街で』でも何度か書いたけれど、この日もやっぱり人が少ない。6時7時で閉店も多く、7時半過ぎには店の多くが閉まっていた。解禁されたマクドナルドの店内飲食も8時まで。

 緊急事態宣言中の竹下通りは、普段の人混みが見る影もなく、他の街と比べてもひと際人が少なかった。休校中の若者が集まらないよう、何らかの要請があったのだろうか。



 それにしても「緊急事態宣言」というフレーズは若干気にはなる。緊急事態が宣言されたら「緊急事態宣言中」ではなく、「緊急事態」あるいは「緊急事態措置中」で、終わりも「緊急事態宣言解除」ではなく「緊急事態解除」ではないのかと。法律なので細かいことを気にする必要はないと思いつつ。


 僕はコンタクトレンズ利用者なのですが、コンタクトを外すと近距離は近視の方がよく見える。その目で鏡を見たら、目の下に小さいシミが出来ているのに気づいた。ほんの小さなもので他人にはわからないかもしれないが、自分ではわかる。

 シミができた理由は多分マスク。洗顔後タオルでゴシゴシ拭いているとシミになるのと同じで、着用中は常に肌を摩擦しているから、シミの原因になるわけだ。マスクにこんな弊害があったとは盲点でした。知られているのかいないのか、特に女性に広まったら一気にマスクの着用率が下がりそうですが。しばらくしたら『マスクジミ』なんてのが注目を集めて流行語になるかもしれません。


 エンタメ業界も冷え込んでしまいましたが、残りの半年で、2020年を象徴するような聴くたびにこの年の記憶が蘇るヒット曲は生まれるでしょうか。紅白歌合戦が中止なんていう話もありますが、ヒット曲が生まれなければ、それも今年を象徴しているようではありますけれども。


 2020年5月27日の渋谷原宿で。

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