ちゃんとしたいけどちゃんと出来ないあなたへ

  • ★★★ Excellent!!!

泣いた泣いた泣いた。
社会の構造ってピラミッドになっていてピラミッドだから底辺の占める割合ってすごく大きくて、ちゃんとしたいけどちゃんと出来ない人の大部分はその底辺に埋もれてる。ただ単に怠惰な人だってもしかしたら怠惰になってしまった理由があるのかもしれないし単純にそれを悪だとは思ってないけど、世間の基準的にはちゃんとしたいのにちゃんと出来ない自分も怠惰な人も全部十把一絡に一緒くたで、それでも時にあらがったり足掻いたり諦めたり死にたくなったり右へ行き左へ行き後ろに下がりしながら少しづつ時間をかけてその時出来ることをひとつひとつやってきた。ちゃんとした人間でありたいと、生きて社会の中で暮らしていくことを他ならぬ自分自身を肯定してあげたいと思ってきたからだ。現在でも ”普通の人” とはお世辞にも言えない。個人的にはそういう ”普通の人” は心の底からすごいしと思ってるしとても感謝している。飲食店のスタッフさんや宅配業者さんバスの運転手さん等、そういう人たちがいるから私は生活ができている。でもこのエッセイに出会って初めて本当の意味で自分自身を肯定してあげられたように思う。とても残念なことだけど私には ”不幸を楽しむ才能” はない。だけど行きつ戻りつしながらでも闘ってはきた。今まで肯定してくれるのは自分自身だけだったけど、ひとからこれでいいんだと、ひとつづつでいいんだと、言ってもらえることがこんなに希望になるなんて今まで知らなかった。伊集院アケミさんが同じところから出発してる人だからこんなに響いてくるんだと思う。これからも闘い続けていこうと思えた。 ”貴方のおかげでここまで来れました。” といえる日が来るかはわからないけど少なくともこの言葉をお守りにしたっていいよね?と思えた。
間違いなくあなたは代弁者だ。少なくとも私にとってはこんなに泣けてしまうほどに代弁者だ。

蛇足:人生は縁だなと思う、私は怖がりな性質だし、ことSNSにおいてはかなり慎重なほうだと思う。XもアカウントはあるけどほとんどROM専、『発信<好きな発信者に嫌われてブロックされる』ことが嫌で自分を出さないようにしていた(プロフはちゃんと書いてた)。本当にたまたまNTRのことを知った。株クラ界隈にはほぼノータッチだったので本当にたまたま。謎解きがおもしろそうだと思って 「全力さんと海」 を読んだ。ヒントはよくわからなかったけど作品にとてつもないエネルギーを感じた。正直言えば読み終わるころにはヒントがわからないことなんてどうでもいいと思っていた。ヒントを探すために読むのは嫌になっていたと言う方が近い。このエッセイもそうだけど、エネルギーとか意志とかうまく言えないけどそういうものが詰まっていると私にはそういうものが伝わった。しばらくしてXに鍵をかけるという、発信してない者はブロックされるかもしれないという、プロフはいじる必要ないけど発信はほとんどしてないからなれないながらも少しづつたまにだけどつぶやくようにしている。フォローもした。X廃の人にはわからないと思うけどこれってかなりすごい進歩なんだよ。妙ちきりんな発信で二次元の神からブロックされたら悲しいけどいまはそれも受け入れられる自分がいる。すごくささやか過ぎることかもしれないけどあなたに出会って私は確実に前に進んでいる。私は一つのことを決めるのにとても時間がかかるしなかなかちゃんとすることが難しい人間だけど、その分好きなことや興味を強く惹かれたものに対しては長いし捨ててしまうこともない。握力の強さだけは取り柄だから。
後半の自分語り交じり、エッセイ以外の別作品の感想(?)はきっと蛇足なんだろうけど、これがいまの自分だからこのまま投稿します。不快に感じさせてしまったら本当にごめんなさい。ちょっとハイになってるな・・・
ちゃんとしたいのにちゃんと出来ない人だけじゃなく、自分に自信がない人や辛さを抱えて生きている人人生に焦りを感じてる人、もちろん自分は勝ち組だと思っている人も様々な人に読んでもらいたい、そんなエッセイだ。

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