竜堂一華の大学入学(8)


「それではお兄様、また明日♡」



そう言い残し、一華はお兄様の部屋から逃げるように素早く退出しました。


……違いますね。一華は本当にお兄様から逃げ出しました。

だってこのままだとほぼ間違いなくお兄様を襲ってしまいそうでしたもん。もちろん性的な意味で、です。



「あぁ……お兄様……お兄様……お兄様、お兄様、お兄様、お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様お兄様!!」



急いで家に帰り、部屋に戻り、万が一の時のために部屋の鍵を閉めお気に入りの大きなクッションを抱きしめて心を落ち着かせます。


でもダメです。

どうしても落ち着いてられそうにありません。

顔が熱いです。身体も熱いです。身体の昂りが、火照りがおさまりません。


なぜでしょうか?

いえ、理由なんてわかってます。

お兄様を誘惑したからです。

昼の出来事でお兄様に対して怒ってしまった私は、仕返しとしてお兄様を精一杯誘惑してからかう事にしました。


そう、からかうだけです。

私としては一気に最後までヤっちゃってもよかったというかお兄様が誘惑に耐えきれなくて襲ってくるのを期待していたのですが、残念ながら……ひっじょ〜に!残念ながら!!立場的にも年齢的にもまだダメとのことで!今回我慢しました。

お兄様が必死に我慢してるのに私がその努力を無に帰すというのも気が引けますし。


お父さんの言いつけ?最初ハナから守る気なんてありませんよそんなもの。

私とお兄様との愛は何事にも囚われないのです。

たとえそれが親だとしても、法律だとしても。

まぁでも実際にこうして結婚できる年齢になるまでお預けを食らわされていたわけですが……。

……というか私達が結婚できる年齢になってもう約1年以上経つというのに未だに結婚も結婚を前提にした恋人同士がするそういうこと・・・・・・もまだ一切していないのですがそれは。


お兄様がヘタレというわけでは決してないのですが、お兄様は少し将来の事について深く考えすぎなんです。

私とお兄様が一緒に居る限り現在将来未来死後ついでに来世も永遠に幸せになるのは確実なのですから、いつか未来よりも現在を最大限幸せになるように行動した方が良いと思うのですけどねー。

まぁお兄様のそういう部分も大好きなのですが。

というか私がお兄様を嫌いになる部分なんてありますかね?ないですね。(断定)

だってお兄様が私を嫌いになる要素がないのですから。それなのに私がお兄様を嫌いになる要素なんてあるわけがありません。

なにせ私とお兄様は完璧完全無敵で他人が入る余地なんてカケラもない完全無欠の夫婦なのですから!ふふん♪



……と、頭の中ではレッツゴー私イケイケGOGOな私ですが、現実はこのザマです。

溢れ出て止まらない、止められない熱い想いに身を焦がしながらお兄様から逃げ出し、1人部屋で悶々としているのが現実の現状の私です。


お兄様と今すぐにでも創生合体したいというのは事実です。

ですが、竜堂家の娘としての責任を果たさなければならないと思っているのも事実です。

お兄様との愛と比べれば家の事情なんてとっっっても小さな事ですが、私がお兄様に出逢えたのは私が竜堂家の娘だったからです。

恩義ぐらい感じてます。


それに、私は竜堂家の娘として普通の人より大変な思いもしていますが、普通の人より良い生活を送れているのも確かなのです。

別荘で人混みのない場所でお兄様と過ごせますし、プライベートビーチでお兄様にかなり大胆な水着を見せつける事もできます。

お兄様以外の男性にはほんの少しも肌を見せたくない私にとってプライベートビーチは必需品です。

というかそこ以外では泳ぎたくありません。

そういえば小学校や中学校の指定のスクール水着の布面積をお父さんに頼んで学校に直訴してもらって増やしてもらった事もありましたねぇ…。

あの時はほぼ全ての女子とその両親に感謝されて嬉しかったです。


社長令嬢としての恩恵の中でも特に最高なのがお小遣いが他の人より多い事ですね。

そのおかげで通販で大人が買うようなモノを買えたり……その中でもマニアックで高級なモノを買えたりもしてます。

メイド服とかチャイナ服とか旧白スク水とかのコスプレ服ってなんであんなにも高価なのでしょうね?

それと本格的なボンデージってかなり値段が高いんですよねぇ。

まぁ身体に痕を残さないために高価な素材を使っているので仕方ないといえば仕方ないのですが。


……私としてはお兄様に縛られるのなら荒縄でも全然大丈夫なのですけどね。痛がる私を無理矢理縛り付けて私の傷1つない色白な肌に緊縛の跡を付けるお兄様というのも支配されている感があってかなり興ふ……もとい満たされます。


……被虐趣味では断じてないですよ?

お兄様が私のモノであると同様に、私もお兄様のモノというだけです。

なのでお兄様には私の心や身体の全てを好きなように、自由にできる権利があるのです。

お兄様が激しい行為プレイを望むというのならば、私はそれを拒否する事は出来ないのです。

だから決してただのドMなんかじゃないんです。

まぁそもそもお兄様は私にそんなハードなプレイを要求する事がないんですけどね。私の綺麗な身体に傷をつけれるのはお兄様だけだというのに。

そのせいでせっかく買ったムチやロウソクが無駄に……ゲフンゲフン!!


……というか誰に対しての釈明なんですか?これって。


……私自身ですね。

今の全部なかった事にしちゃいましょう。




そんなわけで現実に戻ってきました。

ウジウジモンモンしている私に逆戻り。

何しるんですかね、私は。



……本当に、何やってんてますかね、私は。



昼間の事を根に持って、


その報復としてお兄様を拘束してからかって、


その結果私の方が我慢できずに今こうしている。



私は—————





『コンコンッ』





—————ッ!?



なに!?ノックの音!?なんで!?今この家には私しか居ないはずなのに!?




『あ〜、一華?ちょっと入っていいか?』



「お兄様!?ちょっ、ちょっと待ってください!!」




そうでした。この家の鍵はお兄様も持っているのでした。

小さい頃から私は鳥羽家を、お兄様は竜堂家を自由に行き来してました。

両親が泊りがけで出かけている時は深夜にお互いの家に、そして部屋に侵入する事だって可能なのです。

ちなみに私は何回かした事あります。

その時は我慢して添い寝だけで済ませましたが。


……それなのになぜ今まで『間違い』が起きなかったのでしょうか……少し自分に自信をなくしますよ?




『………一華?』



「い、今開けます!!」




せっかくお兄様から部屋に来てくださったのに待たせるわけにはいきません!!

というかお兄様から私の部屋に来てくださるのなんていったいいつ以来でしょうか?

そもそもお兄様が私の部屋に来る事自体が久しぶりな気がします。

お兄様はここ最近忙しかったみたいですからね……。

せっかくの機会ですから布団にいっぱい……というか部屋中にい〜っぱいお兄様の匂いを付けなくては!



「ど、どうぞ……」


「あ、うん、どうも……おじゃましまーす……」


「ただいまの間違いでは?それと、お兄様ならノックなんてせずにいつでもいきなり部屋に入っても大丈夫ですよ」


「え?あ、うん、ただいま…。それとさすがに女の子の部屋にいきなり入るのは……ね?」



紳士ですね。


カッコいいですね。


襲いますよ?


むしろ襲われたいのですが。



せっかく巨乳美少女妹系幼馴染の部屋に無断で入り放題だというのにどうして躊躇うのですか。

私のプライバシーを尊重してくれるのは嬉しいのですが、私はお兄様になら何を見られても平気なんですよ?それこそタンスの中から身体の隅々まで。


『女の子のバッグの中身を見るのは内臓を見るのと同じ』という言葉がありますが、女の子のタンスの中身を見るのは何と同等なのでしょうね?……脳でしょうか?

脳まで見られるってことは私の全てを完全に把握されるのと同じじゃないですかー!やだー!


それものすっごいドキドキキュンキュンしますね!!


支配したい願望と支配されたい願望って同じぐらいあるって思います。

え?ない?いえいえ、そんなバカな……。もしそうだとしたらまるで私が変た……変人みたいじゃないですか。



「……一華?どうした?」

「あぁ、いえ、なんでもありません。大丈夫です。ちゃんと勝負下着は穿いておりますので」

「へぇ〜そうなん………そうなの!?」

「はい。ですのでいつでも襲っていただいてかまいませんよ?お兄様が望むなら今からでもお風呂に入った後でも大丈夫です」



あぁ、ダメですね。やっぱり今日の私はダメダメみたいです。

テンパってるせいでつい私の得意性的な話に逃げてしまいました。

まぁ心からの本心ですし嘘はついてないのですが。


ただこの話は放課後にしっかり自問自答し、その結果、今日はシないと決めたはずです。

落ち着いてください、私。

そう思いながらも実際に服を脱ぎかけてる時点で全然落ち着けてないですけどね。



「まー、ま、ま、ま、ま、ま、待て待て待て!まずはおと、おと、落ち着け一華!!」

「お兄様の方が落ち着いてくださいな。心が鎮まるハーブティーります?」



おかげで落ち着けました。さすがはお兄様です。

お兄様は私の心を動かすのが本当に上手ですね。

というかお兄様以外に私の心を動かす事なんて出来ませんが。



「それで、どうしたんですか?お兄様が自分から捕まりに……じゃなくてお兄様から一華の部屋に来るなんて珍しいですね」

「あぁ!それだ!その事についてだ!うん!その………さっきの俺の部屋……というか今日の事で、な」

「—————っ!」



やはりそうでしたか……。

心優しいお兄様のことです。私が少しでもおかしなところがあったらすぐに来るのは予想できてました。

それでも動揺してしまうなんて……私、本当に今日はちょっとダメかもしれません。



「……なぁ一華」

「……はい」

「……ちょっと、目をつぶってくれ」

「え…?……あ、はい!」



目をつぶる?なぜ?と思いつつも指示には従います。

そもそも私がお兄様の意に沿わない行動などするわけな———


——くもありませんが、基本的にはしません。

お兄様の期待には答えてこその妹ですからね。



というかなぜ私は目をつぶらされたのでしょうか。

ちなみに今は2人して私のベッドに腰掛けています。

このシチュエーション……まさかキスをするためだったり!?


………なんて。

お兄様のことです、きっと目を開けたら目の前には高価なプレゼントが!……みたいな事でしょう。

そしてお兄様は私の予想を遥かに上回るほど喜ぶ事をしてくれるはずです。

となれば……指輪とか?……いえいえ、お兄様なら婚姻届を持ってきてくれるかも……。



……まぁ、どんなプレゼントでもサプライズでもいいのです。


でも、私としては一回お兄様がキスをしてくれるだけで———





———♡





「……え…?」


「……………」



感じたのは唇にしっとりとした柔らかくも温かい感触。

目を開けるとそこには顔を真っ赤にして私から目を背けているお兄様。


……え?……いまのって……え…!?



「お、お兄様!?今何を…!?」


「……………」



『何を』なんて本当は言わなくてもわかってます。

唇に触れたあの感触………いつも私が・・お兄様にしている事です。

そして、私が最も欲しかったもの。



つまり………キス、です。



ほんと、お兄様はいつも私が想像する以上のプレゼントとサプライズをしてくれますね……!!

あぁもう!唇が……というより顔全体が熱いです…!!

きっと今の私はお兄様と同じぐらい顔が赤いのでしょうね…。

お兄様ったら耳まで真っ赤にして……最っっっ高に可愛いですね!!襲いますよ!?

今の流れなら襲っても押し倒しても覆いかぶさっても文句は言われないような……!!



「………一華、嫌だったら言うんだぞ」


「……へ?—————きゃっ…!?」



ドサッ



ベッドに仰向けに押し倒し、覆い被さりました。



お兄様・・・が、一華・・に。




……………



…………え〜〜と



………え?



……えぇ!?




「おおおおおお兄様!?にゃっ、にゃにを…!?」


「……………」



お兄様は答えてくれません。


……お兄様に無視されるなんて生まれて初めてでは?なんて思いましたが、返事してくれないだけでむしろいつもより至近距離から私を見つめてくれていました。

その瞳を見てもお兄様が何を考えてこんな行動をしたのかわかりません。それがとてつもなく悔しいですが………でも、私の嫌がる事をする気はないことは伝わってきました。

そして私は無意識のうちに強張っていた身体をリラックスさせます。


それを感じたお兄様は少しホッとした表情になり、またキスをしてくださいました。

いつもは私からですけど……やっぱりお兄様からのキスも最高ですね。

珍しいからこその特別感が凄いですし。



「……今日はゴメンな、一華。情けなくて……カッコ悪い事言っちまって」

「お兄様……」

「そして……ありがとな、一華。俺のせいで一華をこんなにも混乱させちまって」

「お兄様……!!」



嬉しい……!!

お兄様が私が混乱しているとわかってくれたことが!

そして私が混乱しているのは自分のせいに違いないと信じてくださっていることが!!


普通ならこんな考えは傲慢だと思うでしょう。

でもそれでいい。それがいい。それでこそお兄様。

私がヤむほど愛しあえる特別なお兄様なればこそです。普通だなんて物足りません。



「そうですよ、お兄様…。一華は今混乱しています。そしてそれはお兄様のせいです。……お兄様以外では心動かされません」

「そうか……。じゃあ……償わないといけないよな……?」

「はい、そうです…。なので……一華がして欲しい事を……お兄様が望む事をしてください……」



そうして私は目を閉じ、唇を少し前に突き出します。

いわゆるキス待ちの顔。

どうでしょうか?可愛く、艶めかしくできているでしょうか?

いつもは私から仕掛けているので待つのはなんか新鮮ですね。たまには良いですね、こういうの。



……それにしてもなんなんでしょうかこの空気は。この雰囲気は。

私が攻め攻めイケイケガンガン行こうぜ!なのは通常通りですけど、お兄様がそれに乗ってくるなんてとんでもなく珍しいです。

お兄様が中学生の頃には雰囲気に流されて〜っていうのはありましたけど、今はお兄様からきています。むしろ私の方が流されてます。


しかも未だにベッドに押し倒されたままの状態です。

このシチュエーションは何度か夢見たことありますが、さすがに願ったり叶ったりすぎて逆に少しだけ心配になってきますね。



……まさかこのまま最後・・までいっちゃったり……なんて。



………な、何を高望みしているのですかね、私は!

常識的に考えてそんなことあるはずないというのに、まったく……!そもそも—————




「———んむぅッ!?」




いきなりお兄様にキスされました。


……ちょっと待ってください。今の色気もへったくれもない声は聴かなかった事にしてください。

完璧に雰囲気ぶち壊しじゃないですか!

もう一度!もう一度だけやり直しを!!むしろ一度と言わず何度でもお願いします!!



「一華……」

「お、お兄様!今のは—————ひゃぃいん!?」



む、胸が!私の胸が!!お兄様にさ、触られ……揉まれた!?

え!?なに!?なんで急に……!?



「一華………」

「お、お兄様!?———んぅッ!?」



またもやお兄様からの強引なキス。

しかも今度は長いです。なかなか唇を離してくれません。物理的に口を塞がれました。

夢にまで見た状況ですが、当の私は混乱しすぎてそれどころではありません。



「……ぷはっ!———んぅ!?〜〜〜〜〜ッ!!?」



息継ぎのために少しだけ唇を離されましたが、間髪入れずにまたもやキスされます。


そして………私の胸を揉んでいたお兄様の手が、今度は私の服を脱がしにかかりました。


抵抗する気はカケラもなかったのですが、つい条件反射で腕が動いてしまいます。

そんな私の腕をお兄様は片手で押さえつけました。

私に抵抗する気はないとはいえ、お兄様は大人の男性。押さえつけられると私の腕は一切動かせなくなりました。

そしてもう片方の手で服を脱がしに……服をたくし上げてきました。


まずお腹が見えて……おへそが見えて……胸のすぐ下で一旦止まりました。

そして一呼吸置いてから……お兄様は私の服を一気にたくし上げました。


………ぷるん!


たくし上げた時に服が引っかかり、自慢の巨乳が大きく揺れます。

これで、お兄様に私のブラジャーが見られてしまいました。

色は薄いピンク。こんなことになるとは思ってなかったので黒やシースルーではありません。

自分から脱いで見せつけた事なら何度もあります。

でも……お兄様の方から脱がされて、見られたのは初めてかもしれません。

羞恥と混乱と高揚感で心臓の音がヤバイです。頭がおかしくなりそうです。


……今の私はお兄様に手を押さえつけられ、のしかかられ、声が出せないように口も塞がれて……もしこの状況を誰かに見られたら間違いなく襲われてると思われるでしょう。

でも……少しも怖いなんて思いません。少しもイヤだなんて思いません。



「一華………」

「……お兄様………」



お兄様の手が私の胸を守っている最後の防壁、ブラジャーに触れます。

そして背中に手を回し—————ホックを外し、上にずり上げました。


ついに露わになった私の胸。

お兄様のために育て、ケアしてきた自慢のおっぱい。

お兄様が息を飲んだことがわかります。

お兄様が唾を飲み込んだ音が聞こえます。

お兄様の眼が獣のようになっていくのを感じます。

お兄様の手がおもわずといった形で胸に触れようとします……が、触れる直前で止まってしまいました。



「一…華………」

「………安心してください、お兄様。貴方様に見てもらう為に整え、貴方様に触れられる為に育てたのです」

「—————ッ…!」

「この胸は……この身体は、この心までも、全てお兄様のモノなのですから」

「………一華ッ!!」

「———ひゃんッ!?」



お兄様の手がやっと胸に触れます。

やっと……お兄様から触れてくれました。

お兄様の大きな手で触れてもなお有り余るボリューム……その大きさと重さに苦労しながらも育ててきた甲斐がありました……。やっと苦労が報われました……!!

お兄様の顔から余裕がなくなります。

でも私も余裕なんてありません。羞恥と喜びと……快楽で頭がおかしくなりそうです。


今まで夜中にお兄様を想う時、淑女の嗜みで自分で触れた事はあります。

でも……これ程までの高揚感を得たことはありませんでした。

これが、想い人に……お兄様に触れられるということなのですね…。頭が真っ白になりそうです……。



スゥ………フゥ………



お兄様の深呼吸が聞こえます。

まるで匂いを嗅がれたみたいで少し恥ずかしいですね…。

もちろん、お兄様が望むのならば全くイヤではありませんが。


深呼吸を終えて、覚悟を決めたお兄様は………それでもなお震える手をスカートへと伸ばしました。



………へ…?



……え…!?



えぇぇぇぇ!?



「おおおおおお兄様!?」



さすがに……その……ここまでするとは思ってませんでした!!

こんな事までしておいて何を……と思われるかもしれませんが、それはそれ、これはこれです!

せめてシャワーを!シャワーを浴びさせてください!!

特に今はお兄様に押し倒され脱がされ胸を直に見られ触られ揉まれたせいでいろいろとたいへん・・・・なんですから!!



「おおおお兄様!!せめてシャワーを……!!」

「ダメ」

「はぅううン♡」



なんですか今の!すっごいキュン……ってきました!!

まるでドMみたいになってますが実際に感じてしまったのでなんとも言えません!

命令形で主導権を握るお兄様……イイですね……。



「一華、いくぞ……!」

「ひぃん!?」



なんでお兄様が女の子のスカートの脱がし方を知っているのですか!?………私が教えたのでした!過去の私、グッジョブ!!

……じゃなくて!!

今は本当に危ないんですって!ヤバイんですって!!



ファサ……



「—————ぁ」

「………おぅ……」



ついにスカートまで脱がされました。

そして露わになる女の子の最終防壁にして秘密兵器、パンツ。

色はブラジャーと同じ薄いピンクで、可愛いフリルがあしらわれています。

色やデザインは普通です。クローゼットの奥に眠っている来るべきの時用の物と比べたら防御力は段違いに高いです。

ですが、普通じゃない部分がありました。

お兄様もスカートを脱がせた第一声が『oh……』になるとは思ってもいなかったでしょう。


それぐらい……湿がありました。


仰向けになってますし、胸で隠れて下半身の惨状は見えませんがこれだけはわかります。感触でわかります。

……ナプキンを付けるべきでしたねぇ…。

生理でもないのに付けたくはないですが、今は全力で後悔しています。

まぁこの量では防ぎきれるか不安ですが。今だってこんな恥ずかしい姿を見られてお腹の奥が熱いですし。



ピトッ……



「ひぃん!?」



冷たっ!?


と、いうのも、濡れたが身体の敏感な箇所に当たったからです。

つまり……お兄様が私の薄くてフリルの付いた可愛らしい最終防壁に手をかけたからです。


……え?………え!?

まさか本当に最後までするのですか!?

いや嫌ってわけじゃないですし怖がっているわけでもないですしむしろ待ち望んでいたといいますかでもまだ心の準備が出来てないといいますかまさかこんなにもお兄様の方から攻めてくるなんて想像してなくてビックリしたといいますか興奮したといいますかせめてそれ用の下着を穿いてくればよかったとかシャワーを浴びたいというかあぁ……お兄様に一方的に攻められてる……ステキ……お腹の奥がキュンってします………



「—————きゃぅううんッ!?」



なんてトリップしてたら強烈な刺激によって現実に引き戻されました。

お兄様の手が………私の最終防壁の中に入ってきました。


最終防壁の内に入ったことにより、大学生にしてはかなり薄めの恥毛がお兄様の手に直に触れます。

そしてその奥……秘められし洞窟にまで……。



「お、お兄様……」

「一華……」


そこ・・を直に触られるなんていつ以来でしょうか。幼かった頃、まだ性に目覚める前にお風呂で洗いっこした時以来なんじゃないでしょうか?小学生まではたまに一緒にお風呂に入ってましたが、途中から身体の前面は洗ってくれなくなりましたし。



お兄様の手が、指が、息が熱い……。

今まで私はお兄様にいろんなアプローチをしてきました。

裸を見せたことがあります。裸で抱きついたこともあります。

全てはお兄様を私だけのモノにするために、そして私をお兄様だけのモノにするために。

その手っ取り早い方法が既成事実を作ること。

だから私はお兄様に性的なアプローチをしてきました。

多少は恥ずかしいですが……でもそれ以上にお兄様を誘惑するのは楽しかったのでそれを繰り返しました。


正直言って私は不安定です。

お兄様に依存するほど、お兄様をヤむまで愛するほど精神的に。

だからお兄様としっかりと繋がり、結ばれたい。


そして社会的立場から見ても私は不安定です。

日本を代表する巨大企業、『RUDE』の社長令嬢。

そんな私を娶る事ができたなら、その者は次期社長になれるとも噂されてます。

まぁ実際にお父さんはお兄様を次期社長にしようと画策していますが。

でもそれはお兄様が私の許嫁になったからではなく、お兄様に会社を任せられる程のビジネスマンとしての才能があったからです。

まぁそれもお兄様が6歳の時から私の許婿(仮)になったおかげでお父さん直々の英才教育を受けれたからってのもありますが。

でもお父さんのしごきに耐えられたのはお兄様の力です。

ただの幼馴染の年下の女の子のために幼い頃から辛い勉強に耐え、勉強と私と遊ぶために部活にも入らず、超難関大学であるに慶就大学に入学し……まさに私のために人生をかけてくれました。

惚れますよね、当然。


じゃなくて。

いや全然違わないのですが。


つまりはお兄様だから特別だったにも関わらず変な噂が付いたせいで、私は昔から私を利用しようとする浅はかな輩や、見た目と外面の笑顔だけで惚れたとかす輩から数多くの求婚をされてきました。

求婚された数ならかぐや姫すら超える自信があります。


そう、求婚です。お見合いですらありません。

そんなとんでもなく傲慢で無謀な事をしてくるのは決まって超大企業の次期社長とかそういうの。自身の年齢と見た目を少しは考えてから出直してこい。

でもそんなことをされるまでに私は経済界で重要な扱いを受けてきました。

本当は私個人には経済界にもRUDEにも何の影響力もないというのに。

莫大な富と権力の為なら子どもや婚姻すらも利用するのが当たり前のセカイで私を商売道具として利用したくないお父さん。

その温度差もあって私は経済界での社会的立場がもの凄い不安定かつ不明瞭な存在なんです。

だから面倒な事になる前に身を固めたい。

お父さんもこうなることを見込してお兄様を私の許婿にしたのかもしれませんね。


まぁつまり何が言いたいかというとですね……お兄様が私を抱けば万事解決ということであり、私は今この時をずっと待っていたということです。


だからビビってません。

いつもあれだけお兄様のことを誘惑しておいていざ急にお兄様から求められると動揺するなんてありえません。

今は……その……アレです。……そう! 急に全身金縛りにあっているせいで身体と思考が止まってるだけです。



ふにっ



「んくぅぅぅぅン!?」



嘘ですごめんなさい許してください許さないでくださいそのままで!!


な、なんでしょう。なんなんでしょうかこの気持ちは!

私が繋がりを求めたのは文字通りの意味で繋がりたかったからです。合体したかったからです。少しの隙間も耐えられないほど離れたくなかったからです。

そして正式に私をお兄様のモノにしてほしかったからです。

それなのにこれは……この気持ちは!この感情は!まるで性欲に支配されたような感じはなんなんですか!?


わ、私はただ愛のために……!

性欲なんかに負けたりしない……!

……悔しい……けど…感じちゃう………!



「ひゃふん!?」



あ、待って、待ってお兄様。これ、本当に、本当に—————




……………。




別の考え方をしてみましょう。


私が今こんなに気持ちいいのは相手がお兄様だからです。

自分で触ってもこんなには乱れませんし、もし相手がお兄様じゃなかったら———やめましょう、想像するだけで吐き気腹痛頭痛がします。


要するに相手がお兄様だから、私が愛するお兄様だからこうなっているわけで、私を支配するこの感情は断じて性欲ではなく、お兄様の愛による情欲……愛欲であるということです!


これも愛、あれも愛、たぶん愛、絶対に愛。



だから……愛ならば、もう我慢する必要などないですよね?


私の本能のままに動いてもいいですよね?




………ね、お兄様?




「お兄様ぁ!!」


「———ッ!?」




お兄様の首に腕を回し、身体に脚を絡ませます。

そして身体全体でお兄様をぎゅっと抱きしめる(絡みつく?)体勢へ。


あぁ……こうしてるとお兄様の息遣いが……鼓動の速さが……そして、主に下半身の熱と硬さがよくわかります……。

お兄様はずっと無言ですがちゃんと私の身体で興奮してくださってる……。もしかしたら口の中がカラカラで声が出せないだけなのかもしれませんね。

だとすると潤ってる私がお兄様に分け与えないと。逆に私は口が半開きの状態なので涎がこぼれそうなんです。



「んっ……」

「んむっ……!?」



涎を流し込むようなキス。

お兄様は少し逡巡した後、素直に飲み込んでくれました。

あぁ……これで私の一部がお兄様の身体に吸収された…。そしてお兄様の身体を形作る一部に……!!


身体を密着させた事により先程の舌と唾液を絡め合うキスがどれだけお兄様に影響を与えたか……どれだけお兄様を興奮させたのかが伝わってきます。

胸の鼓動はさらに早くなり身体の硬さも……♡


おっと、このままではいけませんね。

愛とは与え、与えられるもの。

一方的に愛されるだけではお兄様に申し訳ないです。私からも愛さないと。


そう思い、ズボン越しでもわかるほど大きく苦しそうに腫れ上がったに手を伸ばし—————




「くふぅぅゥン!?」




———撫でようとしたらお兄様のによって止められました。

抑えられたわけではなく、突如急増した快感によって。

今まで浅く、優しく秘部を撫でてくださってたお兄様の指が私の伸ばした腕とその意図に気づいた瞬間に私の…ぉ、お豆を……!!



「きゃふっ、きゅふゅぅぅん!?お、お兄様ぁっ!?」


「……………」



そしてそのまま強く激しく、それでも敏感なそこを傷付けないように優しく愛情込めて愛撫を続けるお兄様。

返事も言葉もなく、聞こえてくるのは荒い息遣いだけ。


あぁ…目の奥がチカチカしてきました……そして身体もふわふわして……しっかりとお兄様に抱きついてないと意識と身体がどこかに飛んでいっちゃいそうなこの感覚……。

この感覚が怖くてお兄様にもっと強く抱きつきます。

でも足りない。全然足りない。腕に力が入らない。身体がふにゃふにゃになってふわふわになって……こうしてる間にも何度も飛びそうになって……。

いや、だめ、私だけ飛んじゃダメ。お兄様と離れたくない。

お兄様お兄様お兄様……!!



「お兄様……おにぃさま……おにぃひゃま……!!ぎゅってして…!いちかをもっとつよくだいて……!いちかをはなさないで……!!」


「………あぁ…!!」



そして強くぎゅっと抱きしめてくれるお兄様。

温かい……そして安心する……。



「おにぃひゃまぁ……キスぅ………んっ……ちゅっ……」



求めた通りにキスしてくださるお兄様。


頭の中がチカチカふわふわみょんみょんみょん……。


あぁ、ダメです、意識が飛びそうです。

視界が白く点滅しています。もう限界です。

お兄様の手……気持ち良すぎます。まぁ私の身体とお兄様の相性が良いのは当然といえば当然ですが。



その結果———




「おにぃ…ひゃま……そのまま……壊れるぐらいぎゅって、して……!」




—————意識が




「おにぃ、ひゃま………おにぃさまおにぃさまおにぃひゃまぁ!!」




———————飛ぶイク





「はきゃぅぅぅぅぅうううんんぅ!?」





それは、例えるなら快感の爆発。

溜まりに溜まった快楽と熱……愛欲が限界を超え、視界と理性を白くき切って全身から放出された。

下半身から生まれた熱が全身に行き渡り、脳天を突き抜けたイメージ……かな。


頭を白く染め上げた爆発が収まってくるある一ヶ所に感じる熱が気になりました。

その場所とは私の股の部分。身体から放出された熱飛沫の残滓が温かい…。






お兄様も私も数秒間、動く事もできずに至近距離で見つめ合っていました。

視界がクリアになっていくにつれ、意識もはっきりしてきます。

ほうけた顔のお兄様……可愛らしい……♪



「お兄様……」


「……………———ッ!?」



キスしようとしたら正気に戻ったお兄様は全力で私から離れてしまいました。


……ちょっと傷つきますよ、それ。

だから仕返しの意を込めて飛び散った飛沫・・を胸に塗ってやりました。



「ちょっ!?一華!?」

「もう一度……しますか?」



赤くなってるお兄様、可愛いですね。もしも青くなってたら自殺するところでした。

あぁもういけませんよお兄様。そんなに可愛い表情ばかりしてると調子に乗ってしまいますよ?


……こんなふうに。



「お兄様」

「な、なんだ…!?」

「続き……しないんですか?」

「続き……?」

「ふふっ♪当然、このことですよ……♡」



そう言って私は右手を濡れそぼった下腹部に擦りつけます。

にちゃ……という多少粘つきのある体液の音。

その光景を見てさらに顔を赤くするお兄様。


これは……もう一息ですかね?

あともう少しで私の思い通りに事が進んでくれるかもしれません。



でも……思い通りになってくれないのがお兄様です。



「———い、一華!!」

「はい、お兄様の一華ですよ?」

「お、俺は—————」




「俺は!……今の俺はこれで精一杯…だ。一華の願いを叶えてやることはまだできない。……でも!でも絶対にここまでやった責任は取る!だから……その……はまだ少しだけ待っててくれ!………じゃあな!!」




バタン!タタタタタタ………


そう言って部屋のドアを閉め、まるで逃げ出すように……逃げるお兄様。

私はそれを見てるだけ。お兄様を追いかけることはしません。……というかできません。

先程味わったに腰が抜けたままで動けないのです。



「ふふ……うふふふふふふふっ♪」


「お兄様……愛らしい方。カッコイイのに最後の最後で捨て台詞っぽくなるんですから…♪」



そして……いけずな方。

私はこんなにもお兄様を求めているのにいつもこうです。

こんなにもねじれた愛になったのは絶対にお兄様のせいでもあります。私だけのせいじゃないです。


でもそんなお兄様との関係も今日で大きな一歩を踏み出したといってもいいでしょう。

だって今日はお兄様が……お兄様から……ふふっ♪


おかげで私は初めての快感を味わえました。

他の人より愛も性も胸の成長も早かった私は1も他の人と比べて早く覚えてしまいましたが、今まで何をしても……お兄様の布団に包まっても、お兄様の私物で弄ってもする事はできませんでした。ただ身体が反応するだけで余計切なくなるだけでした。


ですがやっと、やっとスッキリする事ができました!今までのフラストレーションが全て消え去ってしまいました!感動ものです!!

やはり1人でどうにかしようとしてたのが間違いだったのです。お兄様を想ってスるのですからお兄様にしてもらわないといけなかったのです。お兄様じゃないと私は満たされないのです。



「うふふふっ♪あはははははははっ♪」



私にこんな快楽を味わわせて……愛欲を満たさせて……もう余程のことじゃない満足できなくなってしまったじゃないですか。

今までもそうでしたけどこれで本当にお兄様なしじゃ生きていけない身体になっちゃったじゃないですか。



「お兄様……覚悟してくださいね?」



私の……お兄様の許嫁の竜堂一華の愛は重いですよ…♡


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺と許嫁のヤンデレ幼馴染との日常 輝久 @euiayr7

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ