第8話 鉄仮面の男 前編

御前試合が、終わりいい機会ということで送迎を断り、兵士1人を借り道案内をしてもらいながら色々覚えるために歩いていると、市が開かれており賑わっていたが、

広場では、あまりいい雰囲気じゃない揉め事が起きていた

広場の階段の壇上には日射しのせいで顔は見えないが官服を着た男が座り、広場の中心にはボロボロの状態の年寄りと右端には3人の女性が縄で縛られ兵士が抑えつけていて、広場の左の方には血まみれで這いつくばりながら叩き棒を持った兵士に囲まれた、男と横に綺麗な白の上等な服を着た男が取り巻きぽい人と共に立っていた、

兵士が、「将軍ここはやめておきましょう、罪人を裁いている最中のようですので遠回りになりますが他の場所や色街でも案内します」と兵士が遮るように、止めてきたが「いいよ、いい勉強になるし行こう」というと兵士は少し焦りながらも「将軍がよろしいなら」と塞ぐのをやめたので、兵士と共に広場に近づいていく、すると怒鳴りあいの声がよく聞こえてきた、

「草民風情が何を偉そうに!飾り棚にそんなにそんなような引き出しがあるわけないだろう!」「満寵様、楊主簿は引き出しとおっしゃいました、満寵様や尚書令他関係者以外物が引き出しに入っていたことなど誰も知りません」

すると広場の上で座っていた官服の男が立ち上がり、「楊主簿よ、なぜ品が引き出しに入っていたと知っている?」「それは、丞相府に参内する時に話をしているのを聞きました」

「ほう、この1件は丞相には眠所で報告し、丞相府では他のものは知らぬし以外は尚書令しか知らぬのだが?」と楊修に返すと、

楊修は言葉につまり「いえ宮殿で尚書のものに聞いたのでした」

すると広場の上に立っていた男は階段をおりてきた、

すると男はこちらを見て少し驚きながらも楊修に近づいていくニヤリとした顔に「ほうその尚書のものは誰だ?、さっきも言ったがこの案件は私や尚書令が自ら動いていて他の尚書にも手伝わせていない、仮にその情報を知っているなら処罰が必要だ!」と詰め寄るすると男はムッとした顔をした瞬間、嫌な予感がした私は槍を持つ兵士のやりをひったくり投擲した、

すると満寵の横にいた横の兵士の剣を楊修が抜き取り、満寵の横切って血まみれで這いつくばっていた男に剣を上段に振り上げて走りだした、咄嗟のことで周りは誰もタッタッタッと足音が響き這いつくばった男の前で剣を振り下ろす直前に、楊修の着物を少し割き横をかすめ地面に刺さった、その瞬間に「やめろ!」と大声で叫ぶと、広場にいた物が全員こちらを向き一部の兵士は、剣を抜いたり矢をつがえたりと臨戦体制に入る、

すると荀彧が「やめよ、剣を納めよ!このものは征北将軍八雲である!通せ」と叫ぶと兵士は剣を収めると、満寵が近よってきて「これはこれは将軍こんな場所へいかがされました?」と丁寧な挨拶をしながら聞いてきたので、「御前試合の後、兵士を1人借り街を兵士に街を案内してもらっていたら、この騒動に出くわしただけで後学のために、見学させてもらおうと近寄ってきました」と返す、

すると、満寵はため息をつきながらも「そうでしたが、学びにはなりましたか?」と聞いてきたので「こちらの御仁が原因で、そうはなりませんでした」というと満寵は「それは申し訳のないことをしました」と深く頭を下げると「しかし助かりました、この白い服の男の名前は楊修と申すのですが」

「あちらの中央にいる司馬都尉が丞相暗殺の主犯の1人という嫌疑でひったてられ、証言者としてこの場に立ったのですが、そこの司馬懿という司馬都尉の息子の供述によって、矛盾が生じその結果将軍が止めてくださった騒ぎが起きたのです」とざっくりとではあったが説明してくれた、すると後ろから騎馬の小集団が駆けてきて、止まると数人の兵士と1人の官服の男が降りて近寄ってくるのが見える

よく見ると荀彧とその護衛兵士の兵士だった、荀彧はこちらを見て驚きながらも「満寵遅くなった、この騒ぎはなんだ?」と満寵に問いかけると、満寵が荀彧に耳打ちで状況を説明すると、荀彧は少しニヤついた顔で楊修を見ると

「楊主簿どうやら知りえぬ情報を知っているようだな」と楊修に向かって呆れたような表情で問いかけると

楊修は何か気づいた顔で声を荒げ騒ぎ出した「よってたかってこの私の証言を信じず、そこの草民風情の証言に耳を貸すとは!」「そうかわかったぞ、お前たちは私が丞相に気に入られているのが気に入らないから、こやつら司馬と共謀して私を嵌めるつもりだな!」と満寵と荀彧に暴言を吐き付けるすると

「ほうその程度で私らが法をまげるとでも思ったか青二才、お主が自分で化けの皮を脱いだだけであろう」と少しイラついた声で返したあと、すぐに満寵に向き直り「満寵よ廷尉たるお主に問いたい此度の一件だが司馬都尉の斬首は執行すべきか?」と聞くと満寵は「いいえ荀彧様、法に基けばこの一件は司馬都尉の息子の証言・楊主簿の証言の矛盾もあり審議不十分です、審議を差し戻し再調査すべきかとそして楊主簿の司馬都尉の息子の殺害未遂もありますので」「そうか、ならば誰か」と荀彧が言うと、兵士が1人近づいていき片膝をつく「楊主簿を牢へ、都尉や息子は治療が終わったら牢へ、そのほか司馬都尉や一族のものも牢へ戻せ」と荀彧が命令すると

「はっ」「おい引っ立てよ!」と兵士は関係者を引っ立てて行った、その際楊修は「この借りは必ず返す覚えておけ!」と荀彧と満寵に言った後、半笑いで兵士と共に去って言った。







●後書き

お久しぶりです、なんとなくですが他のことで忙殺されて鈍っていた感覚が乗ってきたので再開しました、ぼちぼちのペースにはなりますが不定期で更新再開していきますので暇つぶしにまたご覧いただけたら幸いです、

今回は軍師連盟を見ていたら知ってる場面を少し簡略化して入れ込み、司馬懿に八雲が恩を売る構図と廷尉の満寵という新しい登場人物を出し、少し政争の種を撒きました、ただこれはあくまでも転移物なのでそれなりにご都合主義や私の妄想を練り込んでるのでズレがありますので、ご注意ください。

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三国志演義の世界に転生?いや神隠し? 熊暁 翔帥 @kyureisi1214

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