第7話 御前試合 後編
兵卒から弓を借りそのまま宮殿屋根にいた男に向けて矢を放ち
「宮殿の屋根に賊だ!、陛下と丞相を守れ!」と叫ぶと夏侯惇や許褚が
立ち上がり許褚は丞相の元へ、夏侯惇は賊の元へ走り出す
それに合わせて私も走ろうとすると丞相がこちらに向かって手をだし
目だけで「そのままじっとしておれ」というような合図をこちらに送ってくる、
そして
曹操と皇帝を中心に兵卒が盾を構え、八方位に盾を構えた兵卒が並ぶと同時に賊に矢があたり
賊が屋根から落ちる、すると夏侯惇と張郃が賊に駆け寄り取り押さようとした瞬間、賊は「曹賊に死を!」と叫び周りの兵卒を切り殺し始める
兵卒は、剣を抜き応戦しようとするが、相手が何枚も上手だったのか
剣を抜く前に賊が兵卒を撫でるように剣を振ると兵卒が死んでいくという一方的な構図が生まれる、
張郃が自身の剣を槍投げのようなスタイルで投擲し投げると、賊はそれに反応し張郃の剣を弾く、そしてこちらを般若のような表情でむきつつそばに落ちていた兵卒の槍を投げようと投擲姿勢を取ろうとした次の瞬間、賊の腹部から剣が飛び出し大量の血が撒き散らされる。
何事かと見ると夏侯惇が、張郃に注意が向いた瞬間に賊の腹部を後ろから長剣で刺したと思われるポーズで立っていた。
曹操が近づき死体を確認すると「荀彧」と曹操は荀彧を呼び寄せる
すると荀彧が「はい丞相」と曹操の横に着く
「この者は、誰の刺客だと思う?」「わかりませんが江東や劉備ではないかと」「なぜ江東や劉備ではないと?」「劉備はなんだかんだで仁義等を重視し武を誇る将軍が多数いますが暗殺に長けたものは聞かず、江東も水軍等自慢の戦力を持ちますが暗殺に長けた者はいません」「だがお主が知らないだけでいる可能性もあろう?」と挑発的な視線で荀彧に言うと。
程昱が横から「丞相、荀彧殿のいうことは一理あるかと」と話に加わる
「こういった手法を用いるのであれば、劉備はすでに荊州ともう一州は少なくとも得ているでしょうし、江東も劉表を暗殺していたはずです」「‥」と少し考えると
「つまり可能性があるとすれば西涼の馬氏や今まで滅ぼしたものの残党かと考えられるのではと思います」
と程昱は恐る恐る曹操に提言する。
すると皇帝に目線を向けながら、「皇帝陛下を解放せしめんと考える者たちと言うことか」
荀彧と程昱が揃えて「はい」というと、我が意を得たと言わんばかりに、皇帝の元に近づき「陛下、臣下たるこの曹操のせいで陛下を危険に晒し申し訳ありません、何とぞこの曹操を罰しくださりますようお願い申し上げます」とわざとらしく土下座すると皇帝は慌てたように立ち上がり近づき
「丞相よ立たれよ、朕は八雲将軍のおかげで傷一つなく
無事だ、丞相を罰する必要はないと朕は思う」
「朕はむしろ、暗殺に気づいた将軍の功を重く扱われたらよいと考えるが丞相は如何であろう?」と皇帝がいうので曹操は少し不安を覚えながらも
「八雲よ」と曹操が手招きするので、私は曹操に近づき一礼した後、皇帝の前で片膝を着く。
「陛下お呼びでしょうか?」
「将軍、朕の命をよく助けてくれた心から感謝する」
「いえ、当然のことをしたまでです」
「丞相は、自身を罰してくれと懇願するが朕は丞相のを罰するのは筋が違うと思い将軍の功を高く評価すべきと提案したがそなたはどう思う?」
「陛下わたしは当然のことをしたまでで評価されるようなことはしておりません辞退いたします」というと曹操とわたしの顔を交互に見た後慌てて
「謙虚だの、丞相やはり評価すべき思うがどうか?」
曹操は少し投げやりになりながらも「陛下におまかせ致します」というと
皇帝は、一瞬口元が緩んだかと思うと
「八雲将軍」
「はっ」
「朕や丞相暗殺を未然に防いだそちの功績を認めそちを征北将軍執金吾とし、朕や丞相を守るのだ」
「陛下」と言おうとすると
曹操が「八雲よ辞退は認めぬ陛下がわざわざ纏めようとされておるゆえその邪魔は許さぬ」と少し想定とは違う流れに困惑してるかのような表情を見せつつも言うので
不思議に思いながらも皇帝に「わかりました、臣八雲がお受けいたします」とわたしはひざまづく返事すると
「構わぬ、また時間があればそちの話でもきかせてくれ」
「はっ」
と立ち上がる。
すると夏侯惇はすこし微笑むような顔をしているが、張郃は少し機嫌が悪そうにこちらを見ていることに気がついたので会釈すると、横からドスンというような音を立てて私の背中を叩き
豪快な笑い声で許褚が、
「八雲よよかったな」と声をかけてきたので
「はい」と苦笑いし答えると、
曹操が「皆のもの今日は、色々と興が削がれたのでこれまでとするたい退朝せよ」というと「退朝」と侍従が叫ぶ
すると百官は、礼をしながら宮殿を出ていった。
すると曹操は、「張郃に命ずる」
「ここに」と丞相の前に張郃が来る。
「陛下がお休みになられるまでの間警備にあたれ」
「御意」「翌朝詳しく報告せよ」
「御意」といい一礼し皇帝の後ろにつくと、「陛下今日はお休みになられるまでの間張郃を身辺に就かせますのでご安心ください」「感謝する丞相」と苦虫を潰した顔でいうと皇帝は、曹操他私達に見送られながら宮殿の中に入っていった。
すると「余計なことをしおる」と急に害したと言わんばかりに愚痴を言い出したので、「丞相やはり辞退いたしましょうか?」
というと曹操は「それには及ばぬ」
「少し、引っかかるが元々お主にはそれなりの待遇を考えておったゆえな単純にわし経由でお主に授けられなかったのがあまり縁起がよくないと考えていただけよ」
「それはどういう?」と言おうとすると荀彧が手を出し制するかのような対応を取ったので、「そうでしたか」と答える。
すると曹操は、「今日は色々と邪魔が入ったゆえ話はまた今度といたすぞお主も屋敷に帰るが良い」といってきたので
「はい」と答え一礼すると荀彧だけが残る形で曹操は去っていった。
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