第4話 囚われたリエナ(3)
そう、1度最愛の彼女を殺しているこの男がリエナを真っ当に愛する。
そんな話があるわけが無い。
自分が、シルエなら、秘密を知った者をずっと野放しにはしない。
「だから、言っただろう? 俺の物だと」
そう言われてそのモノどういう言葉にこれ程恐怖を覚えたのは初めてだった。
「わ、私に何をさせるおつもりですか? 貴方が好きなのはエメラルドであって私ではない、そんな、人と結婚だなんて……」
そう言ってから気づいた。
結婚?…………。
そう、彼は確かに婚約者だと名乗った。
しかし、愛はない。
つまり監視のために結婚するというのだ。
ならば、シルエの考えてることが手に取るように分かりリエナは
1番聞きたくない問いを聞くことにした。
「お、お父様に、会わせてください」
先程から話が妙だった。
確かにフルヴァル家の話は出たが、父親の部分なんと言っていたか……?
そう、何も言っていない、本当に会っているのならあるはず言葉がそこにはない……。
そもそも、秘密を知った娘の手助けをしかねない親をこの王が残しとくメリットが無い。
「お父様に何をなさったの?」
その声は確信に変わっていた。
「おや、気づいたか?」
そう言われてため息をついた。
「お前が悪いんだ、リエナ、お前があの日、あの場であのようなモノを見なければ、最愛なエメラルドもお前の父親もお前の婚約者も、死ぬ必要はなかった。」
そう言われてリエナは
「この鬼!悪魔! あんたに人の命を奪う権利なんかない! 返してよ、私の家族を! 返して私のリオを……」
そう言うなり泣き崩れた。
酷いあまりに酷すぎる。
そして、この男はなおも告げる。
「つまり、残るはお前のみ、なぁ、リエナ? お前も死にたいか?」
そう問われてリエナが絶句した顔をした。
「ここに来て死にたいか? ですって!!!」
そう泣き叫ぶと大声より先に手が出ていた。
パンッ!
思いっきり叩いてしまっていた。
シルエが叩かれた頬を抑えて動揺した顔をする。
「どうせ、あんたなんて幸せになれないわよ! 子供も出来ずにずっと独身がお似合いだわ!」
そう泣き叫ぶとシルエの手が無造作にリエナの服にかけられると
「なぁ、リエナ! お前なにか、勘違いをしてないか?」
その妙に冷めた声でリエナがとまどえば
「お前さ、誰に手を挙げたと思ってる?」
そう怒鳴ると同時にブラウスを左右に引っ張った。
ボタンが弾け飛びシーツの上に散乱して行く。
リエナが嫌がれば
「暴れんな! 大人しくしなさい!」
そう怒鳴られてリエナは何度もシルクの体を平手で叩いてしまっていた。
すると、シルエが乱暴にリエナの服を脱がせるとそのまま今度はスカートに手をかける。
正直怖かった。
そうなった時リエナは涙を流した。
リエナがあまりに泣くものだからシルエが手を止めると
そっと、リエナの体を抱きしめた。
「ごめん、怖がらせたな? お前があんなに反抗的になると思わなくてね、申し訳なかった」
そう言われてリエナがシルエの腕の中で仕切りなしに泣いていた。
落ちこぼれ魔法使いは夢を見る~婚約者に育てられて成長する私 リナ @rina9756
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます