第3話 囚われたリエナ(2)

「ならば、私が黙っていればそれで済むでしょ? 私の自由を貴方に咎められる権利はないはずよ?」

そう言い返せば少しの間シルエが黙ったので今のうちに何とか動こうと試みる。


しかし、魔力の波動が切れても既にリエナは衰弱状態だ。

動くことは出来ない。


困りに困った顔をするとそのままシルエを盗み見ようとすればシルエが自分のすぐ横に来ていることに気づき困惑した顔をすれば

「そう言えばお前は昨晩何をしにあの場にいたんだ?」

そう問われてリエナが戸惑った。


「その、……。」

そう言うなりリエナの表情が赤くなる。


その様子をシルエが見ていたがやがてため息をつくと

「今後は、あそこで稼ぐな!」

そう言われてコクンと頷いた。


「では、体を拭いてやる、お前の素肌は確認しておきたいしな?」

そう言われてリエナが悲鳴をあげた。


「嫌です、陛下の変態!」

そう叫べばシルエがムッとした顔をした。


「誰が、変態だって? 馬鹿で愚かな弟子よ?」

そう言われてリエナが

「だから、私は貴方を師と認めたわけじゃ?」

そう言われてシルクがリエナに

「それ以上余計な声で喚いてみろ! お仕置きするぞ?」

そう言われてぴたっと止まった。


そうこの国の師弟関係は

厳しい、そしてさらに厳しいのは師弟関係を持つ恋人同士は

更にやばい。


お仕置きと称して大変なことをされることが多いのだ。


「その、陛下? 横暴ですよ、私は貴方の弟子になった覚えは?」

そこまで言った瞬間、体に鋭い痛みが走り悲鳴をあげた。


「やあああああ!」

そのままぐたっと前のめりに倒れればそれをシルエが支えると

「リエナ、お前また言ったな?」

その声は先程までの感覚は無くとても無機質で絶句したようにシルエを見つめていれば

「どうも、そういう事をするやつは弄られるのが相当好きらしいな……ああいう所ですれ違う他の女性も同じだよ?」

そう言われてリエナがぼーっと考え事を始めた。


シルエが言う他の女性とは誰なのか?

そう思っていた瞬間バサッと掛け布団が剥がされた。


音で現実に戻されたリエナはシルエに

「お仕置きがそんなに受けたいのなら、受けさせてやるよ」

そう言われて絶句したした顔をする。


「嫌です、やめてください、お願いよ、陛下! エメラルドさんが知ったらきっと悲しみますよ」

そう言った瞬間、何故か?


シルエがリエナの顎に手を添えると持ち上げた。


その瞳は何故か氷のように冷たくて……。

シルエが言葉を紡ぐ。


「ああ、言い忘れていた、彼女はもう居ない、俺が激情して殺してしまったからな?」

そう言われてリエナが黙った。


つまり、リエナはシルエの本当の秘密を今知ってしまったこととなる。

天使王の娘を殺したとなれば天界と戦争になってしまうだろう?

そして、それはそれと同時にリエナの最後の安全ラインを崩壊させた事となる。


「つまり、お前のエメラルドという言葉は、なんのストッパーにもならないという事と、先程も言ったが、もうお前は俺の婚約者なんだよ、その意味、賢いお前ならわかるな?」

そう言われてリエナが絶句した顔をしたまま

「わ、私も用がなくなったら殺すつもりですか?」

それは1番聞きたくない不安の言葉だったのだ!

しかしこの際、聞くしかないだろう。

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