第3話 はるか2

学校までの行き方をなんとかお母さんに聞いて(そうとう訝しがっていたけど、まぁよしとしよう)


「無理しないでね。いってらっしゃい」

お母さんはそういって何度も背中をさすった。


女子高生かぁ〜ヤバイな。楽しみだなぁ。部活とか何部入ってるのかな?お母さんに聞いとけばよかったなー。ふふお弁当作ってもらっちゃった〜楽しみ〜


スキップしながら歩いていると


ドン!!思いっきり肩をどつかれた。

アター!!!なにすんじゃい!


ぶつかった3人組みは笑いながら逃げていった。同じ制服じゃねーか。

最近流行の挨拶か?じゃぁあたしも!

ダッシュして3人組に追いついて行って思い切りどついた。


どーん!

「きゃっ!!はぁ!?何すんのよ!!」

とキレる3人組。

「ばっかじゃないの?こんな事してどうなるかわかってんの?!」


そんな捲し立てなくても…面倒くさくなったのでダッシュで逃げた。


わけわからん。


学校に入ってからは上履きがなくなっていたり、机にゴミが入っていたり教科書がビチャビチャに濡れていたりで散々だった。


確信した。

はるかはいじめられていたんだな。そうか。それで自殺をしようと。

マジかー


追い詰められていたんだな。かわいそうに。


花のJKライフがー…がしかしあのお母さんのおいしいご飯、温かな家庭に恵まれてわがまま言っちゃぁいけないな。


友達できるといいな。部活とかも入りたいし。これから頑張ってみるかな。

そんな事をトイレで考えていたら朝の3人組がズカズカ入っていた。


「あんたさ、調子にのってるよね?なんなの?」

あーめんどくせー

「のってねーし」

そう言って手を洗ってると


チョキン


振り返ってゾッとした。

真ん中の女がハサミを持って、あたしの髪(ほんとはあたしのじゃないんだけど)を切っていた。


「おいおいおいおい!な、お前!」

「目障りなのよね。いかにも清純派ですーって感じで。その方が軽くなって楽でしょう?慈善活動よ」

真ん中がそう言って両端はクスクス笑っている。


…はぁ…腐ってるな。腐りきってるな。


「髪は女の命って言うのん聞いたことないんか?お前ら。どうせ切るなら自らやったるわ!」

真ん中の女からハサミを奪って思い切り自分で切り落とした。


(ほんとの)はるか、ごめんなさい。

綺麗な髪をごめんなさい。


胸まである真っ黒な髪を顎辺りまで切り落とした。


3人組はあんぐりと口を開けて固まっている。


チョキチョキ ザクザク


「あースッキリした!ほらどけ!掃除しないとな!」


用具入れからホウキを出して大量の髪を集めた。


「あ、あんた頭おかしいんじゃないの?正気の沙汰じゃないわよ!!」

「お前に言われたくないわ!!消えろ!」


ギロリと睨むと3人組はスタコラと逃げていった。






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遥か彼方へ pampi @Lula

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