第2話 はるか

パパ!ママ!置いていかないで!


あんな幼い子残して死ぬに死にきれないでしょうね。これからどうするのかしら?

施設に?そうね。それが1番いいわね。

私達にだって私達の生活があるんだから。


お願い!ここの保証人の欄にサインしてくれればいいの!絶対迷惑かけないから!


お姉さんも人が良いねぇ。借金背負わされて。あぁアイツ消えたよ。払えないならそうだな。あんたの大事な…


「や、やめろ!!」


飛び起きた。またあの夢か。。


あれ?あたしあの女子高生とビルから飛び降りて。あれ?え?じゃぁ病院?


違う。ここどこ?

目の前には白い勉強机。下を向けば花柄のシーツ。横を見れば薄いピンクのカーテン。


天国?パラレルワールド?何?


頭を抱えると真っ黒の髪の毛が目の前にハラリと垂れた。


ベッドから跳ね起きて部屋の隅に置かれたスタンドミラーを覗いて絶句した。


あ、あの時の地味な女子高生。


あ、あたし達入れ替わってる!ゼンゼンゼンセ〜が脳内に再生される。


マジか?夢か?転生したのか?


体が汗ばんできて上質な麻のパジャマがそれを吸い取ってくれている。


コンコン


ヒッ!突然のノックに恐怖で慄く。


「はるちゃん、起きた?体調はどう?…学校連絡する?」


優しそうな控えめな女の人の声がする。

お母さんかな?


ガチャ


ドアを少し開けて女の人を確認する。

ブハ!女子高生そっくりじゃねーか!お母さんか。


「あ、おはよう。はるちゃん。ご飯食べられる?」


ぐるるーお腹が鳴る。


「おはようございます…食べます…」


お母さんの顔がぱぁと明るくなった。


「ああ!良かった!食べましょう!」


階段を降りてリビングに着くとテレビドラマでしか見た事のない光景が広がっていた。


日の当たる暖かい部屋。大きなソファ。ダイニングテーブルには美味しそうな朝食。

すげぇ…


「はるちゃん、お紅茶飲む?温かいのでいい?」


紅茶におをつけるの?マジか 


「お、お紅茶飲みます。温かいのでお願いします」

と言うと

「フフ、なんか今日のはるちゃん面白いわね」

とお母さんは笑った。


「…学校休む?連絡しとこうか?……」


うまー!!ご飯うま!!朝からこんなの食べれるなんてマジで天国!!

野菜たっぷりのスープにオムレツ、サラダに雑穀米をムシャムシャパクパク食べ進める。


「ん?行くよ。学校。どこかわかんないけど。へへ」


こんな状況よくわかんないけど、夢かもしれないしいつまで続くかわかんないけど、夢のJK生活経験してみるか!(中卒だったものでね)


ご飯の美味しさにテンション爆上げされてお紅茶をガブガブ飲んで決意した。

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