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くのまる
0章
1つの扉、その扉は蒼く輝いている。
私は『ユウカ』、忌み子として嫌われて生きてきた。普通じゃないという理由だけで、色々失ってきた。雨が降る中 私は森まで逃げた。痛い思いも...苦しい思いも忘れたかった。目の前の輝く扉からふと声がした。
『入りなさい、外は寒いでしょう。』
私は扉を開いた、そこに居たのは紺色に近い髪色でその髪を後ろに1つ結いしている人が居た。整った顔立ち、清楚な振る舞い...室内は広くまるで館のようだった。
『外は寒かったでしょう、暖かい飲み物でもいかが?』
答える間もなく、その人物は暖炉近くの椅子に座り本を開いては柔らかい声色のまま『お客様ですよ』と言った。すると顔に1つ目が描かれた紙を張り付けた燕尾服姿の青年が、慣れた様子で来客用かと思われる席に案内してくれた。私は座ると暫くして。
『私は...ユウカ。あなたは...?』
『僕はアーシュラ、本当は僕がもてなさなくてはいけないのですが...盲目でしてね、代わりに彼が働いてくれているのです。』
彼、とは燕尾服のあの青年だ。軽くお辞儀をする青年は元々普通の人間だが ある事情で両目を失っている。アーシュラはそこに同情したのか 彼に能力を全て与え 代償にアーシュラは盲目になったらしい。
『僕の能力は2つあるんです、彼にはその内の1つ...《心眼》という力を全て与えたのです。心眼は彼の紙に描かれている瞳の絵に宿っていて、常に最善の行動が出来る...いわば未来予知の様な力ですね。』
『もう1つは?』
『...内緒、です。それより貴女の力を教えて下あっても良いのでは?僕は教えましたよ。』
『全て教わったら教えるわ。』
そんな会話をしていると、あの扉からノック音がした。能力者しか見えない...誰かが迷ったのかと思い、扉を見つめていると 突然青年が私とアーシュラに隠れてと指示をした。困惑しつつも隠れて様子を見た。そこには上品な服装に執事らしき姿の人物が居た。来客じゃないか、と思っていたのも束の間 上品な装いの女性が『隠している能力者を出しなさい』と告げたのをハッキリ聞き取った。能力者を?ハンターってあの二人かと見ていた。彼女達は味方ではない、しかし敵にしては攻撃をしてこない...。
『一体...何者なの。』
〔next story...〕
No,title くのまる @Kunomaru417
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