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6年後。

義母が言う。

「優人~~、姫莉起こして来て~~」

そして、優人も

「わかった~~~、母さん。」

今日は姫莉の入学式。僕と同じ高校に通いたいと言ったときは驚いた反面嬉しくもあったが、それよりもそれがきっかけで「昔」みたいに仲良く出来るようになりそれがとても嬉しかった。でも、この気持ちはバレてはいけない、特に本人には。

 二階へ上がり姫莉の部屋をノックしながら

「お~~い、姫、今日から学校だぞ~~、起きろ~~。」

返答が無い。無理も無いか、最近「仕事」が忙しいみたいだし・・・

そして再び、ノックをしながら。

「お~~~い、姫莉さま~~、入学式でございますぞ~~~」

だが、やっぱり返答が無い。「しょうがないな~」と思いつつもう一度ノックして

「お~~い、姫、いい加減遅刻するぞ~~、起きなそうだから入るからな~~」

と部屋に入る。すると爆睡真っ最中の義妹がそこにいた。僕は姫の体を揺すりながら

「お~~い、早く起きないと『約束の時間』に遅れるぞ~~」

と声をかけた。すると姫は起きて、布団をはがした。その瞬間、僕は動揺した。

なぜか、パジャマを来ておらず、下着丸見えのキャミソール姿で姫がそこにいる。

そして姫が

「おはよーー、優君、なんか4月なのに寒いねーー」

と眠そうに言う。



そう、これは私が仕掛けた罠である。実はもうすでに起きてはいたが、あえて寝たふりを続け、家族が取る行動は2択、お母さんが起こしに来るか、優君が起こしに来るか。そして優君が起こしに来たところを見計らってパジャマを脱ぎ、後は部屋に入ってきて優君に私の下着姿を披露!、いくら義妹とはいえ、これは興奮するはず!!。今日から私は優くんを落とすためにあらゆる手段を使うと決めた!!さぁどうだ優くん!!、私のナイスバディーに興奮したか!!


しかし、姫莉の予想とは裏腹に、優人からの返答はあっさりとしたものだった。

「4月にそんな姿で寝るからだろ、ほら早く準備しなよ、時間に遅れるよ」

そして、姫莉が

「夜暑くて、無意識に脱いじゃったかも」

と眠そうに答える。

姫莉は軽くショックを受けていた


 

 なんで?、いくら義妹とはいえ女の人の、しかも成り立てJKの、しかもこの超絶美少女でスタイル抜群(自己評価)の下着姿を見て、興奮も動揺もしないなんて・・・・・・、まさか長年の同居生活で本当に家族としてしか見られていない?いやでも相手は思春期真っ盛りの16歳!いくら平静を装っても、必ずぼろが出るはず!!



 だがそんな姫莉の考えとは裏腹に優人は優人で完全に動揺していたが、平静を装っていた。



 どうしてだ?なぜこんな時期に下着って言うのはさっき話してたか、しかしいくら義兄とはいえ、男に下着姿を見られたんだぞ?なぜこいつはこんなにも平静でいられるんだ?もしかして長年の同居生活で本当に家族としてしか見られていないのか?でも、いくら何でも思春期の女の子、家族でも見られて恥ずかしいものは恥ずかしいに決まっている。と言うことは男としてすら認識されていないと言うことか?・・・・・・悲しい。

などと思いつつ、姫莉に

「じゃあ、ちゃんと準備して来いよ~、もう後40分ぐらいしか無いからな~~」

と、平静を装いながら部屋から出ようとすると。

姫が指を指しながら

「ねぇ優君寒いからそこに掛けてある私の制服取って~~~」

と、言われる。そして、言われるがままに制服を手に取ると姫が

「昨日楽しみすぎて、夜着ちゃった~~!!ちょっと大きめだけど可愛いよねぇ~~ここの制服!!。」

 一度着た制服!!いや待て落ち着け、たかだか一回着たせいふ、ああ姫の匂いがする~~、じゃなくて!!たかだか一回着ただけの制服!!そんなもので、いちいち、あぁ~~この制服絶対姫に似合うだろうなぁ~、想像しただけで可愛い~~、じゃなくて!!どうする、どう渡す?もう僕の下半身は限界なのだが・・・・・・、もし、姫が下半身に気づいたら・・・・・・

妄想姫莉

「うっっっっっわ、さいってーーーー、妹に欲情してるとかほんとにあり得ない。キモすぎ、もう近づかないで」

とか言われたら今すぐ死ねる。確実に。



 どう?優君!!私の着た制服!!それで色々妄想しちゃうでしょ!!これで完全に優君は私に魅了される!!てかされないと、私が死ぬ。以外とこれめちゃくちゃはずかしいんだから!!!



 両者膠着状態、だが、そこで救いのノックが差し伸べられる。

義母が

「あなたたちいつまで準備してんの!!、姫莉もあんまり優人君に迷惑掛けないこと!!早く降りていっらしゃい!!」

と言って下に降りていく。

そこで優人はとっさに制服を姫莉に渡し、「早くしてね」とだけ言って部屋から去る。



そこで優人は、はぁーー助かった~~~!!ありがとう母さん!!としみじみ思う。



そして姫莉は、チッ、お母さんめ!!あと少しだったのにぃぃぃ~~~!!



でも、2人は同時に思った、「良かった~~~、あの状況を母に見られなくて・・・、それこそ死ねる」と。















5分後に、姫が下に降りてきて、母さんに叱られながら食事を取っている。

それを「まぁまぁ~」となだめる父さん。そして僕。どこからどう見ても幸せな家庭だ。

この幸せを僕の独りよがりな気持ちで壊してはいけない。などと思っていると、姫が

「わかった、わかった!明日からはちゃんと起きるから!ごめんなさい!ごちそうさま~~」と言い洗面台で歯を磨き、化粧をし始める。

そこで僕は洗面台に行き、言う

「姫~、『約束の時間』まであと10分しかないし、それに化粧は校則違反だぞ~」

すると姫は

「大丈夫~~~軽めにしておくから~~~、それに、こういうのは第一印象が大事だもん!!」

「大丈夫だよ、化粧なんてしなくても姫は十分可愛いから」

と、とっさに本音が漏れてしまったが、それに姫はニヤニヤしながら

「それは優君から見てってことぉ~~~~~?」

「いや、一般的に客観的に見て」

と答える。

そして姫が嬉しそうに

「今日もアフレコ有るから、軽くはしとかないと~~」

「そか・・・・・・まぁあんまり遅れるなよ、2人に迷惑だから」

「は~~~~い」

そして、僕も部屋で準備を済ませ、玄関で待つ。すると、インターホンが鳴りドアを開けると見知った顔が2人、迎えに来てくれた。

1人が

「はよーーー優人!!今日は姫ちゃんの晴れ舞台だな!!」

こいつは木戸(きど)継(つぐ)義(よし)、小学校からの腐れ縁で、まあ俺の親友。

「ツグは大げさだな~~、晴れ舞台ってほどのものじゃないよ、ただの入学式だから」

するとツグは

「いやいや、我が校に今注目の若手美少女声優が入学!!さぞ注目されるだろーー」

と楽しそうに話す。そして僕も

「いや、声優と言ってもまだ駆け出しだし」

と笑いながら答える。するともう1人が声を掛けてきた。

「おはよう優人君、妹さんはまだかしら?」

こいつは西沢(にしざわ)舞(まい)、ツグと同じく幼なじみなのだが・・・・・・

「ごめん西沢さん、もうちょっと待ってて」

と申し訳なさそうに答えると、西沢さんが

「あら、昔みたいに舞で良いのにって再三言っているのに、私を振り続けていることなら気にしなくて良いのに」

としたたかな笑みを浮かべて話す。

そして僕は作り笑いを浮かべながら

「あはは、善処するよ」

すると舞が

「それも聞き飽きた」

と真面目な顔をして言う。とまぁこの舞とは紆余曲折あり、今の関係で落ち着いているのだが・・・・・・

すると、姫が慌てて二階から玄関に来て

「お待たせしました~~~!!、優君、つぐくん、そして・・・まいちゃん」

そして姫に向かって僕は

「5分も遅れてるぞ!ほれ、二人に謝りなさい」

と冗談交じりに言うと姫が

「ごめんなさい、つぐくん・・・」

とちょっと反省しながら言うと

ツグは

「いいの!いいの!主役は遅れて登場するもんだし!!それに、それを見越して10分早く時間調整してっから」

と笑いながら答える。

そして、姫も笑いながら

「なにそれ~~~~、人が遅刻魔みたいに~~~」

と談笑していると

「姫莉さん、私への謝罪がまだなのですけど」

と舞が割って入る。

そして、姫が

「ごめんなさい、まいちゃん、そんなに待ちきれなかったら先に行ってくれても良かったんだよ~~、まいちゃんだけで」

と悪意のこもった言い方をする。しかし、舞は

「約束は約束。今日4人で登校しようって約束であるのに、私が約束を破ったら元も子もないでしょ?それに芸能人なのに時間も守れない方が果たしてちゃんと仕事できているのかしら?声優の姫莉さん?」

と完全論破され、悔しがる姫。

そこへ僕が仲裁に入る。

「まあまあ、けんかはこの辺で・・・、あと姫、同じ高校の先輩なんだからちゃんと先輩を付けなさい」

と軽く注意し、話題をそらす。

すると姫は不服な表情を浮かべながら

「はぁ~~~~~い」

と言った。でもここでツグが

「俺は今まで通りつぐくんでいいよ!なんか急に呼び方を変えられても気持ち悪いし、なっ舞?」

と明るく舞に話題を振る。しかし舞は

「私は優人君の言ったとおり先輩付けで、上下関係はしっかりとしておかないと」

と言い放つ。

そして姫が笑いながら

「じゃあ今まで通りつぐくんはつぐくんで!!」

と言い。更に

「じゃあ今日から改めてよろしくお願いします!優君、つぐくん、そしてセ・ン・パ・イ」

と言った。

ツグは

「おう、よろしく!!」

と明るく言ったが、舞は

「センパイって誰のことを指しているのかしら?ちゃんと名前も付けて貰わないと分からないでしょ?」

少し疎外感を覚えたのか少し怒りながら言った。

しかし、姫は

「あれ、先輩少し太りました?」

ニヤニヤしながら話をそらす。

すると西沢さんが笑みを浮かべながら

「ええ、体重は変わらないのですが、肩こりがひどくって、姫莉さんの方こそ一年前からどこも変わらないご様子で羨ましいですね」

と答える。

姫も姫で

「変わってないなんてそんなぁ~~~?私も色々と成長してますよ。センパイ。」

と収集が付かなくなりそうなところで、ツグが

「舞様!!肩こりがひどいと仰るなら私めが支えて見せましょう!!そのご立派な胸を」

と言うと。

舞が躊躇無くグーでツグの顔面をおもいっきり殴り、その場は収まった。

そして僕は爆笑した。そして言った

「なんかいいよなこういうの、昔に戻ったみたいで」


桜が舞い散る坂の途中で、完全には元には戻らないけど、変わってしまったものは受け入れて、それでも仲良く出来る様な関係であれれば良いなとこの時思った。そして皆も笑いながら

「そうだね」

「そうだな」

「そうですね」

と言ってくれて少し安心した。






























「わぁ~~~~、もうすぐ学校だよ」

と姫がはしゃぎ始める。

すると舞が、姫莉に対して

「でも本当に良く受かりましたね、姫莉さん。よっぽど優人君に時間を割いて貰ったのでしょう。(貴重な優人くんの時間を奪って、まるで寄生虫ね。どうしたらそこまで他人に迷惑を掛けることが出来る図太い生き方が出来るのかしら?)」

それに対し姫莉が

「そうだね~~、受験前は優くんとずっと勉強漬けだったなぁ~~~、でもそのおかげで合格できたんだよ~~!(私と優くんは一つ屋根の下、ほぼ365日毎日一緒!そもそも前提からしててめぇーは負けてんだよこのクソメンヘラ乳女。)」

二人が悪い笑みを浮かべながら話している。なんか分からんけど恐怖を感じた。

そんな状況も分かっているのか、分かってないのかツグが

「ほんと、声優やりながら桐山受かるってすごいよなぁーー姫ちゃん」

そんな、素朴な疑問に姫は

「声優って言っても、その頃はデビュー仕立てでほとんど仕事無かったし、今もちょい役しかやってない・・・まだまだ駆け出しの新人だよ~~」

と苦笑しながら答える。

そして僕も言う

「姫は誰かさんと違って覚えも早かったし基礎もある程度の応用問題も出来てたから僕が教えることはそんなに無かったよ、誰かさんと違って」

すると姫が

「そうだよ!それよりつぐくんが桐山受かったって聞いたときは世界が終わるんじゃないかと思ったよ~~~、ほんと今でも姫莉の七不思議。」

割とマジなトーンで辛辣なことを言う。そんな姫に対してツグは

「天才ですから」

と言った瞬間、僕はツグの頬をビンタした、そして言う。

「誰が天才だ?誰が勉強を教えた?誰がわかりやすくノートをまとめて渡した?誰が逐一勉強しているかの確認の電話をした?誰が問題の解答と解説をした?言ってみろ継義。」

「優人様でございますその節はご迷惑をお掛けいたしました・・・・・・」

ツグは落ち込みながら言った。しかし続けてツグが

「でも優人!!、天才は良い指導者から生まれるもんだぜ!!」

と言ったので、間髪入れずに3発ビンタを食らわせた。

そんな状況を見て慌てて姫が

「でもつぐくん、バスケで京都とか福岡とか色々なところからスカウト来てたのに何で断わちゃったの?」

するとツグはちょっと困った顔をしながら

「それはまぁ~なんつーーか、高校生って3年間しか無い大事なイベントをさ、知らない奴らといるよりも、大事なダチと過ごしてぇーーなみたいな感じ・・・・・・かな」

珍しくツグが恥ずかしがりながら、真面目に話した。不意に目頭が熱くなる。

そして姫が

「じゃあ、バスケはもうしてないの?」

心配そうにと聞くと。

「してるよ!!部活でもやってるし、休みの日はインカレとかのサークルとか社会人の人と交じってやってる!!だから今は満足!!将来はNBA選手!!」

安心したのか姫は優しく言う

「良かった・・・・・・つぐくんなら絶対なれるよ、NBA選手!!」

するとツグが親指を立てて

「おう、絶対になってやる!!」

と言って。場が和んだ。

そうこうしているとあっという間に校門まで着いた。

すると周りがざわめく、姫はこの状況に慣れていないが「僕たち」はもう慣れている。

そして、同学年の4人組の一人が話しかけてくる。

「おっと、今日も外部秀才二人組とバカ一人・・・・・・ってもう一人いる!!しかもめっちゃ可愛いじゃん、何一年生?知り合い?」

こいつは須藤(すどう)明(あきら)、学年三位の内部進学生。僕たちが来るまでの学年主席だった男。

「この子は僕の妹で名前は姫莉、今日から入学する。悪いけどどいてくれないかな、君と話すことはこっちには無いんだ。」

と冷静にスルーしようとしたが、須藤は絡んでくる。

「なるほど~、学年主席と次席様とじゃ、俺とは話す価値も無いと、でもそこのバカはどうだ?万年最下位の進級出来ただけでも奇跡の継義?、まっ、いいや、それより姫莉ちゃんだっけ?空いてる時間にでも遊びに行こうよ?」

と言いながら姫の肩に手を回そうとした瞬間僕は襲いかかろうとしたが、それより先にツグが片手で須藤の首を絞めて持ち上げて言う。

「おいおい須藤、てめぇ俺の事は何言おうが、何されようがかまわねぇけどよ、俺のダチとその大事な奴にちょっかい掛けようとしてんじゃねえよ三下が」

と言って軽く須藤を投げ飛ばす。

須藤は咳き込みながらこちらを睨む。そしてツグが言う。

「あぁ~、悪い悪い、バカでも腕力だけはあるからさ」

そこへ、偶然バスケ部員3人が通りかかり、

「主将!何やってんすか!!」

「げ、須藤じゃん、なんすか?また須藤に絡まれたんすか?」

「こいつの相手してるだけ無駄っすよ」

「俺らの目標はインターハイ優勝でしょ!!」

何故かヤンキースポーツ漫画みたいな展開になってしまった・・・・・

そして須藤は

「はっ、バスケ部のバカ共か、お前らそんな万年最下位の出来損ないとつるんでるとお前らまで成績下がっちまうぞ」

と笑いながらバスケ部員達に言う。しかしバスケ部員達は

「確かに主将は勉強は出来ないですし」

「万年最下位ですし」

「進級出来たのも奇跡だと言われていますが」

「バスケでは今年のU17に選抜濃厚選手なんだよ!!」

すると須藤は

「たかが都大会4位でいい気になりやがって!!、トップ取らねえと意味ねえだろ?」

と言うがツグはそれに対して

「じゃあてめぇーがまず勉強でトップ取ってみろや!!優人と舞を抜いて」

うん。その台詞はかっこ悪いぞ、ツグ・・・・・・

諦めたのか須藤は去り際にまた姫に何かしようとしたが、姫が

「私、一応芸能事務所に所属しておりまして、私に何かされた場合、事務所から貴方に裁判の内容証明が届きますので、お忘れ無きよう」

と冷酷に言った。

それにビビったのか須藤達は何も言わずにその場を去った。

そして姫が驚きながら

「優くん達有名なんだね!!」

言った。するとバスケ部Aが

「そうだよ!高等部からの外部入学で学年主席の座を一度も奪われたことの無い爽やかイケメン月に最高13人に告白されたことのある『綾戸優人』、同じく外部入学で学年次席の座を一度も奪われたことの無い才女、その美貌とスタイルからファンクラブまである『西沢舞』、そして万年最下位の座を譲った事の無いバスケ部のエース『木戸継義』!この学校でこの3人の名前を知らない人はいないよ」

とバスケ部Aから説明を受ける姫莉。そして姫莉はツグに尋ねる

「つぐくん・・・・・・よく留年しなかったね・・・・・・」

すると、どや顔でツグが

「だって俺には優人と、バスケ部の皆が勉強教えてくれるからよ!!」

こんなにかっこ悪いどや顔見たことが無いとそこにいる全員が思ったであろう。

「じゃ、主将!また部活で~」

とバスケ部員達が去って行く。

姫莉が

「タメなのに何故敬語?」

と言う。

それに僕も

「バスケ部ってあんなやる気あったっけ?」

するとツグが言った

「スラム○ンク読ませたら、皆やる気出した」

姫莉が

「なるほど、遅れてきたちゅうにびょ」

と姫が言い切る前に口を塞いだ。

だが、舞が

「なるほど、遅れてやってきた中二病を患ってしまったのね」

と呆れながら言う。

それ言っちゃだめな奴なのにーーーー。だがツグは

「何言ってんだお前ら?あいつら俺らと同じ高二だぞ?」

うん、これ以上は何も言わない。





















 「そろそろ掲示板見に行くか」

とツグが言ったので皆で掲示板を見に行く。

姫が

「叶ちゃんといっしょだといいな」

と不安気に言う。

そこへ、タイミングの良いことに姫の親友の「赤坂(あかさか)叶(かな)美(み)」がやって来て

「おはよー姫莉!!掲示板見た?あっ、先輩方もおはようございます!」

そして僕らも

「おはよう叶美ちゃん、今後とも姫をよろしく」

「はよーー!!叶ちゃん!!これで二中組は全員か!!」

「おはようございます、叶美さん」

そして僕が

「一年生の掲示板はあっちだから一緒に見に行こうか?」

と言うと、叶美ちゃんは明るく

「そうですか!!でも先輩達は見に行かなくても大丈夫なんですか?」

と尋ねてくるので、僕は

「僕と西沢さんは決まっているようなもんだから」

と言うと、叶美ちゃんはよく分からないと言った感じで

「決まっている??まぁそういうことなら一緒に見に行きましょー!」

と言って、僕たちは一年生のクラス分けの掲示板に向かうが・・・・・・

「ちょっと待て」

とツグに向かって言う。すると、ツグは

「どったの優人?はよ行こうぜ!」

と言ってきたので、僕は呆れて

「いやいやいや、ツグは自分の見ないと駄目だろ!」

と言うと。ツグは何故か自信満々に

「俺もお前らと同じ特進クラスだから」

と言う。僕は呆れ返って

「もう冗談は良いから早く自分のクラス見に行って来いよ」

と言うとツグは

「んじゃ比較的空いてるし、二年のボードから見に行こうぜ!!」

と言って。二年のボードの前で衝撃を受ける。

特進クラスに木戸継義の名前がある・・・・・・僕も舞も驚いて言葉が出ない。

そして、ツグが

「じゃあ一年のボードに行くか!!」

と、どや顔で言う。

どうなっているんだこの学校は・・・・・・・まぁいっか(思考停止)

そして一年のボードの前について姫と叶美ちゃんが必死に自分の名前を探す。すると叶美ちゃんが

「あった!あったよーー!姫莉も一緒だよー!!」

と嬉しそうに言う。

ほっとしたのか姫が

「よかった~~」

と言い、緊張の糸がほどけたのか力が抜けている。すると舞が

「まぁ、分かっていたことでは有りましたけど」

と言う。そしてツグも

「そうそう、学校の配慮かなんか知らんけど外部性は一年目は同中で固まってるんだよなー」

と言う。すると姫が少し怒りながら、

「優君知ってたのに黙ってたでしょ!!」

と言われ、僕は

「あはは、ごめんごめん、ちょっとした悪戯だよ」

と言うと、姫は「もぉ~~」といった感じで拗ねている。「こういうところも可愛いな。」

と思っていると姫が赤面している・・・・・・・



うわーーー口に出してた!!!!ちょーはずい・・・皆の前で・・・・・・死ねる。

そこで叶美ちゃんがニヤニヤしながら

「兄妹でイチャつくのも良いですけど~~、ほどほどにしてくださいねぇ~~それじゃ、私たちは教室に向かうのでそれじゃ!!」

と助け船を出してくれて、姫達は教室へ向かっていく。こういうときに空気を読んでくれるところあたりが最高だ!ありがとう叶美ちゃん!!

そして、僕は恥ずかしすぎるので二人に

「ちょっと寄るとこ有るから先行ってて!!」

と言い走り去った。







そして、舞と継義の二人も教室に向かう

唐突に継義が

「なあ、舞『中学の時みたいなこと』はすんじゃねえぞ」

と真面目に舞に言う。すると舞が

「分かってるわよ、私だって反省してるし、それに・・・またバラバラは嫌だもの・・・・・・」

すると継義が

「そか」

と言う。

そして舞が

「それにまた貴方に蹴られるのは御免だわ」

と悪戯っぽく言う。それに対して継義は

「俺が蹴ったのはロッカーだ!!!お前に蹴りは入れてねぇ!!兎に角俺が言えのは・・・」

すると舞は笑いながら

「分かっているわよ『正々堂々と勝負しろ』って事でしょ?」

と言って、それを聞いて継義も

「まぁそういうことだ」

と言い返したところで教室に着いた。




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義兄妹同士の恋愛はアリですか? @k-pum

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