第4話

ある人を、言葉の刃で刺した。


それを見ていた野次馬が、その刺した人を今度は10本の言葉の刃で刺す。


その野次馬10人に対して、100本の言葉の刃で刺す。


”正義”


一体何が正義で、何が悪なのか。


それを見失ってしまうことは、正義に対する一番の冒涜だ。


正当防衛が適用されるのは、その被害を受けた人のみだ。


他の野次馬は、私人逮捕しかできないのだよ。





誰かを攻撃する。自分の正義のため。


その正義は、本当に必要な正義なのか。


一度考えてみてほしい。





これは、"自殺戦争"を止めるための、未来からのメッセージだ。


言葉は、変幻自在なものだ。


小説家が心安らぐ小説を書けば、その言葉は"薬"になる。


人が誰かの悪口を言えば、その言葉は"刃"になる。


悪口を、違う観点からみてアドバイスに変えれば、その言葉は"刃"から"ごはん"に変わる。





どうか、言霊の持つ力は強大だ、ということを、覚えていてほしい。


そして、この"自殺戦争"を止めてくれ。





よろしく、頼んだぞ。

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自殺戦争 樋口 今宵 @koyoi_higuchi

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