第3話

その頃にはもう、何もかもが狂っていた。


戦争が起こっていた。


普通の戦争とはちょっと違う、でも多くの人が死ぬ戦争。



結局、多数の死者をもたらしたこの戦争は、数年間続き、"自殺戦争" や、"ネット戦争" "遠隔戦争"などと呼ばれ、多くの人の記憶に刻まれることとなった。


結局、この戦争は、「ネット回線の断絶」という政府の政策により終結した。


今、この小説を読んでくれているのは、2020年の人間だろう。




どうか、未来を変えてはくれないか?


ネット回線が断絶した今、世界はとても不便だ。


大陸から離れた孤島の日本は、船に乗って海を渡らなければ、外国にいる人に手紙を書くこともできない。


私はかつて、研究者だった。


コンピュータやインターネットを使って、世界をよりよくしたいと思っていた。


だが今、世界は真逆だ。


2020年に戻りたい。そう思っている。


その為にも、どうか、君たちの力で、未来を変えてほしい。



"偽善だ"


そんなことを言われるかもしれない。


だが、偽善でも、何も行動を起こさないよりいいのではないか。



批判した人に対して、正義感から総攻撃をしかける。


その総攻撃だって、言葉の刃なのだ。

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