第13話 1年間の振り返り
ー学校ー
あー、1年あっという間だな。
この1年、この周りの奴らの意味わからん言葉を何回聞いてきたことか。
それももう、もうすぐで終わりなんだな。
今までにない喜びだ!
「ちょー、もうすぐで1年終わっちゃうんですけどー!最悪ピーヤ! 」
「それなピーヤ! 」
なんだよピーヤって。
意味もない言葉使って満足しやがって、1年の最初から最後まで調子に乗って何が楽しいのか理解できねーわ。
ピーヤピーヤってひよこか?
それとも新しい生物か?
理解しにくい言葉使ってお前ら何者なの?
キーンコーンカーンコーン
「はーい席につけー。1年はあっという間だったな。進級してもしなくても頑張るんだぞ!それに明日からの春休みも問題起こすなよ!じゃあな! 」
キーンコーンカーンコーン
春休みかー、1年あっという間だったな......。
っていうか、アイツらのつまんないこととか考えてたせいで早かったんだな。
ー放課後ー
次は2年生だ。
私が地味でてモテないのはこの学年全員がわかっていることだ。
だったら、もてることを諦めるしかないのか......。
あ!もしかしたらこれがチャンスなのかもしれない!
1年間地味でモテなかったこの黒山かなこが春休み明けで外見が綺麗になったら......。
ッフ......
まだ遅くはないよな?
試してみる価値はある!
「でさでさー、○○があいつに嘘コクしたのよー」
「まじでー!? それでどうなったの!?どうなったのー? 」
「○○がさー、『なんで私なの? 私でいいの?』とか言ってやんのー!」
「はぁー?自分モテるからって上から目線かよー!」
「そーれーなー! 調子にのりやがんのよ!まじ笑えるっしょ!」
お前らも○○だのバカだのしんねーけどよ、お前らの調子にのった上から目線頂いたこっちの身にもなれよ!
いちいち人の噂ばらまきやがってめんどくせー女どもが!
耳の鼓膜を潰して口に強力な粘着テープ貼ったら、もう調子にのった発言は出来ないだろ。
盗み聞きもプライバシーの侵害だ!
まだまだモテねぇ奴らが盗み聞きしてんなよ。
悪夢見るだろうが!
私がお前らをストーカーして色々観察して新聞記事とか書いて校内放送で私生活バラしたら2度と盗み聞きはしないだろうな。
おっとー、こんな性格も直さないとあいつらみたいに負け組になっちまう。
どうするかー......。
この1年で色々考えてやってきたけど、全て成功しなかった。
逆にこの1年でリア充が増えた気がする。
嫌味か!!
非リア充の私に見せびらかしてるのか!?
くっそ、私だって本気を出せばお前らを越えて美少女になれる!
早速、家に帰ってオシャレをして出かけよう!
ー家ー
「これは?こうか?うわ、結構濃くなったな......」
ー20分後ー
「よし!できたできた!」
これなら周りの老若男女全ての人にモテまくりだ!
老人にモテても困るが。
ガチャッ
「おーいかなこ、何か食べ物を......」
「おー!アニキ!どうだこの美少女に変わり果てた姿は! 」
これは成功か?
濃いめのチークを力強く塗り、口紅を中途半端にして、アイシャドウはブラウンを塗った。
そして、髪型をポニーテールにしてみたのだ。
成功だな!
アニキも今頃ドキドキして......
「おーい、かなと何やってんだよ? これ誰の部屋だ?」
キィィィッ......
ドアはさらに広く開けられ、そこには兄の友達が2人いた。
「......えっ......」
「......い、妹か? お前の」
友達二人はそう言い、
「......ははっ、自慢ではないが」
と兄が言った。
私は兄を含めて3人を押し倒し部屋を出て、家を出て、それからはずっと発狂しながら走った。
周りのみんなは引いていたが、どうでもいい。
モテるとかモテないとかもどうでもいい。
そして近くの公園のトイレに入って自分の顔を鏡で見てみた。
すごく酷い仕上がりだ......。
「ンフ......ンフフフフフ、もういいわ。私には無理だわ!人生自分の好きなように生きてやる!モテなくたっていい。何も考えないようにしよう」
❁ ❁ ❁ ❁ ❁ ❁
「お前ら、もう夕方だし、もう帰ろよ」
「あ、ああ、わかった」
そしてかなとの友達は帰った。
兄は、かなこのパソコンの電源がついているのに気づいた。
かなこが見ていた内容の題名らしきところを見てみると、
《こんな女子はモテない!特別にご紹介!》
「見るとこ間違えとる......」
私は他の女子と違う! クール @kokorohima
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