第12話 文化祭

今日は待ちに待った文化祭だ!

と言っても友達の文化祭だが、彼氏彼女でいるよりは絶対楽しいはずだ!

「あ、かなちゃーん!こっちこっち!」

「あ、まみちゃん......」

まみちゃんの制服姿は初めて見たが、とても今の女の子って感じの格好だった。

スカートは太ももぐらいで、上の服のボタンを2つ外していた。

まるで何かを強調するように......。

「ん?かなちゃん?」

「まみちゃん、その格好......は」

「あーこれ、制服だよ?でもあとからコスプレするからまた違う姿になるよ!」

「そうなんだ、楽しみだな。」



まみちゃんと私は色々なところを回って楽しむことが出来た。

クレープを食べたりお化け屋敷に入ったり......。




そしてまみちゃんは回る時間が終わり店をする側になった。

コスプレ喫茶だ。

「かなちゃーん!この服どう?似合うかなー?」

「あ、似合うね......」

な!こんな露出して大丈夫か!?

こんな格好してたら男が狙ってくるだろうが!

もっと乳隠せ!

スカートもこんな短いとケツ触られんぞ!?

見た目としては合格だが、色々考えると心配だわ。

いや、私が目をつけられないから怒ってるわけじゃない!

まみちゃんが被害にあうのが嫌だからだ!

............1人で何言ってるんだ?

「じゃあ、この席座って」

「あ、ああありがとう......」

「この中で選んで呼んでね!それではごゆっくり」

まみちゃんは頭を下げて控え室のような所へ行った。

いや、キッチンだな。

教室の1部にカーテンを作ってキッチンを隠していた。

さぁー、どうしよう。

お、ショートケーキだ!美味しそうだな。

でも、よく食べるものだしこれはやめておくか。

あ、フォーチュンクッキー?美味しそうだな!

食べてみよう!

「すみませーん」

すると、まみちゃんがキッチンからでてきた。

「はーい!ご注文お伺いします!」

相変わらず可愛い。

「このフォーチュンクッキーお願い」

「フォーチュンクッキーですね、かしこまりました!」

まみちゃん、可愛いな。

他の席に座ってる男どもも惚れてやがる。

「お待たせしました!フォーチュンクッキーです!クッキーの中にはおみくじを書いた紙が入っております、お気をつけながら楽しんでお召し上がりください!」

そう言ってまみちゃんはフォーチュンクッキーを乗せた皿を私の前に置いた。

「それではごゆっくり」

頭を下げて他の席へと注文を聞きに行った。

なかなか美味しそうなスイーツだ!

そういや、フォーチュンクッキーってのは中に何かが書いてある紙があるんだっけな。

そしてクッキーを半分に割って、紙を広げてみる。

書いてあったのはとても衝撃なことだった......。

「おいおい!そこのおねーさん!早くコーヒー入れろよ!」

いきなりここの学校のヤンキーらしき人が大声を上げてきれた。

面倒くさそうなヤンキーが怒ってるな。

「申し訳ございません!ただいま他のお客様のご注文を伺っており、人数不足なので、少々お待ちいただけないでしょうか?」

とまみちゃんはこのうっとうしいヤンキーを相手に気を使って言ったが、

「はー?っんだよ生意気な奴がー!」

そう言ってヤンキーはまみちゃんを殴ろうとした。

だが、まみちゃんには当たらなかった......。

「ぐふっっっっっっ!」

私はとっさにまみちゃんの前へ行き、まみちゃんが殴られないように私が殴れたわけだ。

「はぁ?お前なにやってんの?」

ヤンキーは私に向かってそう言った。

「なにやってんの?......じゃねーよ!見た目だけでいきるお前らに言われたくねーわ!堂々とダサい格好しやがって、調子こえんのもいい加減にしとけよコラー!」

私は腹が立ったので、ヤンキー達にそう言った。

「な、なんだよお前!モテないからって余計なことすんじゃねーよ!きょ、今日のところはこれで許してやるよ、次何かやったらただじゃ済まないからな! 」

そう言ってヤンキーは去っていった。

まずさっきただで済んでないし。

ってか、あんなにビビりなら最初からいきらなくてもモテないのに、何を無駄なことしているんだろう。

まあ、あんたらが何をしようが私には関係ないが。

それからは楽しい喫茶店に戻り、ヤンキーのせいでいなくなったお客さんも来るようになった。

まみちゃんも楽しそうだし良かったなー。

そして帰りに、まみちゃんに昇降口まで送ってもらい、少し話をしていた。

「まみちゃん、今日は迷惑かけたね......。ごめんね」

「どうして謝るの?悪いのはあの人たちだよ?むしろかなちゃんは私をかばってくれたから感謝しかないよ、まだ頬痛む?」

「いや、大丈夫だよ。ありがとうね。じゃあ、また連絡するよ」

「うん!文化祭の片付けとかがあるから忙しいかもしれないけど、できるだけ早めに返すようにするね!」

すると突然強い風がブォンッと吹いた。

なんとその時まみちゃんのスカートの中が丸見えになったのだ。

まみちゃんはスカートを必死に抑えて風が止むと、

「それじゃ、またね!」

といい校舎の中に入っていった。

私は走った。

全力で走った。

スカートの中を思い出しながら。

そしてしばらくして立ち止まり、フォーチュンクッキーの中の紙をポケットにしまっているのをふと気付いた。

内容は......

『すぐ近くに危険が迫っている。だがその先には幸せなことがやってくる。』

待てよ。すぐ近くの危険はヤンキーとのトラブルか。

幸せは......もしかして............







まみちゃんのスカートの中を見たこと。


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