役に立てる事
その時、ティリスの周囲の水面が、一瞬だけパシャっと跳ねた。ただ、俺は何かそれが引っかかった。違和感を抱いたのだ。
これだけの戦闘であるし、大技を出す準備を二人がしている。川の上流の浅瀬だし、魚がいても不思議ではないので、水が跳ねるのも──
(……魚? いや、待て! 今ここに魚なんているはずがない!)
目に見えている川は確かに透明な水の川であるが、ここには猛毒を垂れ流している原因──巨大
それに気づいた俺は、慌てて駆け出していた。
ティリスは大魔法のモーションに入っている。ララも何か大技を出す。ここで二人の息が合わないと、きっとこの
なら、俺にできる事は──
「食らいやがれ、化け物! 剣聖の何とかバスターーー!」
ララがそう叫んで戦斧を振り下ろすと、空間に断層が生じた。その断層から闘気の奔流が生まれ、そして波となって
なるほど、剣聖の<
だが、今の俺はそれに感動している時間はない。ティリスの背後で水飛沫が小さく上がっているが、彼女がそれに気付いていないのだ。そう……あれは
(間に合え~~~!)
横目で、ララの闘気剣が
それと同時に、ティリスが上位魔法を放った。
「<
ティリスの両腕から、不死鳥を象った炎が生じて、
ティリスが魔法を放つと同時に、俺は彼女に体当たりするように飛びかかって、その背中を押した。
「アレク様!? えっ──」
ティリスが驚いて俺を見たが、その瞬間に美しい顔を蒼白とさせていた。
ティリスを救う代わりに、奴の触手が俺の腹を貫いていたのだ。
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よかったら読んでやって下さいませ。
金髪の聖女様が俺の前でだけ奇声を発するんだがどうすればいい?
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