④俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部2章~ガラポンいかさま道具!パちんこ玉赭ブロー編【カク12+なろう54合計66万PV】コレは親を殺された少年の復讐物語だと思う…
第499話 男の子には男の子のすることがあるんです!(2)
第499話 男の子には男の子のすることがあるんです!(2)
20人もの奴隷を引き連れてタカトたちはミーキアンの城に戻った。
ミーキアンを前にして、何も言えないタカト君。
大広間の椅子の前で、もじもじしている。
そんなタカトにあきれたのか、リンがミーキアンにとりなしていた。
「だから、何なのだ。ゴミの20人ぐらい下水にでも捨てておけばスライムたちが処理するだろう」
突然タカトが叫んだ。
「ゴミじゃなくて! 人間だ! 生きた人間なんだ!」
その勢いに少々ビックリしたミーキアン。
「で、私にどうしろと言うのだ……」
ミーキアンは、見下すような目でタカトを見つめる。
タカトは、胸の前で指をツンツンさせながら声を絞り出した。
「あの……ですね。この人たちの魔の生気を吸っていただけないかと」
「私がか……」
「ダメですか?」
「なんで、そんな不味いものを私が吸わねばならんのだ?」
「魔の生気を吸わないと、この人たち人魔症を発症しちゃうんですよ」
「すでに人魔症の末期だろう? もう、あと、数日で人魔症を発症するゴミではないか」
「だからゴミじゃない! 人間だと何度言えばわかるんだ!」
「仮に私が魔の生気を吸ったとしてもおそらく長くはもたんぞ。その場合はどうするんだ」
言葉を詰まらせるタカト。
人魔症を発症すれば駆除対象。それは聖人世界でも、魔人世界でも同じこと。
分かっているが、その事実を口にすることは、後ろに立つ20人の奴隷たちに死刑を宣告するようなものである。
タカトはうつむき声を絞り出す。
「……すこしでも長く人として生きていてほしいんだ……」
そんなタカトを黙って見つづけるミーキアン。
――コイツもエメラルダと同類か……
ミーキアンの城で夜を迎えるタカトたち。
タカトは、ビン子たちとは別の部屋に通されていた。
エメラルダとビン子が眠る部屋は、魔人世界としてはちゃんとした部屋だった。
聖人世界の客室に似せ、やわらかそうな大きなベッドが1つ置かれている。
それに対して、タカトが連れていかれたのは納屋のような物置小屋。
それは、城の庭先に作られた粗末な木の小屋だった。
小屋の壁には何に使うのか分からないような道具が雑然と並んでいた。
そもそも、部屋を分けようと言い出したのはビン子であった。
「ミーキアン様! 男子と女子は別々の部屋がいいと思います!」
それを聞くミーキアンはキョトンとしている。
――異なことを言う女だ。
「別々の部屋にいては繁殖行動もとれないだろうが?」
それを聞くビン子は拳を握りしめる。
――だ・か・ら! それがダメだって言っているのよ!
ビン子には、エメラルダとタカトが一緒の部屋で一夜をともにすれば、なにか超えてはいけない一線を簡単に超えてしまいそうな気がしたのだ。
おそらく小心者の童貞タカトが、そんな大それたことをするとは思えない。
だが、エメラルダは違う。
すでに大人の女性なのだ。
ただ、男たちによって弄ばれたエメラルダは男性が怖い。
そんなエメラルダであったが、タカトだけは違っていた。
タカトに触れられてもおびえない、それどころか、安らぎを感じているのである。
それは、エメラルダの表情を見れば、ビン子にも分かった。
そんなエメラルダが、タカトと一緒の部屋で寝たとしたらどうだろうか。
うぶなタカトの手をそっと取り、自分の体を密着させるかもしれない。
そんなことにでもなれば、タカトの理性は完全に崩壊するに決まっている。
それだけは許せない!
というか、嫌だ……
という事で、エメラルダとタカトの隔離を提案したのである。
ビン子は白々しく、もじもじしながら答えた。
「私と、タカトだけならいいんですけど……」
エメラルダが少々不貞腐れたような表情を浮かべている。
「あら、ビン子ちゃんももしかして、タカト君とそんな仲だったの?」
慌てて拒否るビン子。
「ちっ! 違いますよ! 全然! いつも一緒の部屋で寝ていたから……ねぇタカト!」
だが、タカトは黙ったまま。
普通なら、こんな時におちゃらけて「それはお前が勝手に俺のベッドに寝ていただけだろうが!」などとツッコみの一つでもいうはずであるが、今に限って言えば、うつむき何かを考えていた。
ミーキアンに奴隷たちの魔の生気を吸ってもらうように提案してからずっとである。
その様子をちらっと見たビン子は続けた。
「……男の子には男の子ですることがあると思うし……」
「だったら、私が手伝ってあげるのに」
エメラルダが冗談ぽい笑顔を作ると、タカトの肩に手を回そうとした。
――だ・か・ら! それがダメだって言っているのよ!
ビン子は、エメラルダの手をギュッとつねると、タカトから引き離した。
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