④俺はハーレムを、ビシっ!……道具屋にならせていただきます1部2章~ガラポンいかさま道具!パちんこ玉赭ブロー編【カク12+なろう54合計66万PV】コレは親を殺された少年の復讐物語だと思う…
第457話 SSRなんて、たいしたことありません(1)
第457話 SSRなんて、たいしたことありません(1)
そんなバカをやりながら一行は大きな建物の傍に近づいていた。
それはスタジアムとおぼしき大きな建物である。
その中から、大きな歓声が沸き上がっていた。
もうそれは、お祭りかと思うほどにぎやかだ。
そのスタジアムに誘うかのように、入り口に連なる道のわきには露店がいくつも軒を並べる。
大小さまざまな魔人たちが、その露天に寄り道しながら、一方向へと流れていた。
タカトたちの前を歩く魔人たちもまた、楽し気にそのスタジアムの中へと入っていく。
「本日はハトネン様主催のレースだ! 商品もかなりい物が出そろっているぞ! 我こそはと言うものはいないか! 飛び入り参加も大丈夫だ!」
大きな台の上に立つ魔人が、スタジアムの入り口の前でひときわ大声を上げていた。
レースとは一体何なんだ?
タカトは気になってリンに尋ねた。
「なんのレースなの? というか、これはなんの騒ぎ?」
リンは興味なさそうに、建物をちらっと伺った。
「ああこれですか。魔物バトルと言う賭けレースですよ。この建物中で魔人たちの数少ない楽しみの一つのレースをやっているんです。まぁ、ガラはかなり悪いですけどね」
賭けレースとな!
少々、その言葉に興味がわいたタカト。
スタジアムの方向をきょろきょろと見渡す。
「賭けと言うことは、観客がお金を賭けるんだよね……」
だが、残念ながら今のタカトには魔人国の金がない。
いや、人間の世界である聖人国の金すらないのであるが……
したがって、賭けようにも賭ける金がない。
だが、だがである、ココで一発あてれば、貧乏な生活とはおさらばできるチャンスがあるかもしれないのだ。
一発逆転! ビギナーズラックと言う言葉があるではないか。
ならば、やってみるのもありかな……
というか、やりたい……
だから、お金ちょうだい。
タカトは、無言でそれとなくリンに両手を突き出した。
リンは、嫌そうにタカトの手を押し返す。
それは絶対にお前にはお金は恵まんと言わんばかりの表情だ。
「当然、観客は賭けますよ……ただ、出場者も賭けることができるんですよ」
リンは思い出す。
そういえば、ミーア姉さまも、この魔物バトルが好きだった。
ミーキアン様の城で姿が見えないと思えば、このスタジアムを探せば大体、見つかったのだ。
だがリンは、この魔物バトルはあまり好きではなかった。
命を遊び道具にしている感じがして嫌だったのだ。
しかし、食うか食われるかの魔人たちにとって、自分の身を絶対安全圏に置いたスリリングが見世物ショーである魔物バトルは、興奮を誘った。
だから、魔人であるミーアが熱中することもリンは否定するわけではない。
要は、気に入らない自分が、このバトルを見なければいいだけの事なのだ。
ただ、ミーキアンの命によりミーアを探しにスタジアムに足を頻繁に運ぶ。
そうすれば、否が応でも、魔物バトルの音が聞こえ、姿が見えた。
そのため、リンは自然と魔物バトルの事に詳しくなっていたのである。
「出場者も?」
「出場者の場合には、お金でなくてモノを賭ける場合が多いですね。例えば、奴隷とかアイテムとか地位とかですか……」
「と言うことは、お金がなくても出られるの!」
「まぁ、それ相応の賭けるものがあれば可能ですよ」
タカトは、自分の身の回りをきょろきょろと確認する。
だが、持っているものと言えば、権蔵が融合加工で鍛えてくれた短剣ぐらいだ。
タカトは、その短剣を抜いた。
「これなんかどうかな?」
「価値無しですね……」
リンは即答した。
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