『おともだちロボ チョコⅡ』チョコ、西へ行く①
※この作品は「入間の間」に過去掲載された小説の再掲載になります。
謎の生物と戦う、ロボット乗りの少女とロボットの少女。二人の絆は、『おともだち』であること……。
(※この短編は電撃文庫『おともだちロボ チョコ』の続きのストーリーとなります)
「……青い」
起き抜けに窓から覗ける海の景色と、潮の匂いが新鮮だった。更にそれに混じって、ロボットの装甲が歪んだときの金属的な匂いも届く。工場に近い部屋らしく時折、壁と床が振動する。部屋というのもよく見ると倉庫か資材置き場の一室を借りているような、無骨な内装だった。
怪獣の進行が本格化する前、実家は木の匂いに包まれていた。今では見るはずもないし、当時にしても木造建築は希少だった。子供の頃はあまり意識していなかったけれど、周りと比べればそれなりに裕福な環境だったのだなぁと、今頃になって気づかされる。
そんなことを思い出しながら、完全に目が覚める。毛布を剥ぎ取り、身を起こす。
夜の冷え込みが抜けきらず、室内も冷蔵庫の一角みたいに落ち着いている。そんな中に生身の私を置かれても穏やかでいられるはずがない。最近は日中と没後で気温差が酷い。それが異常気象を生む理由らしいけど、これじゃあ授業で習った地球とは別の星にいるみたいだ。
そう思いながらも一方で、窓の外に広がる海を眺めていると地球にいると実感してしまう。
少なくとも火星には、海がないのだから。
あれから、西の町と呼ばれる都市にやってきていた。
あの後。巨大怪獣に学校その他諸々を潰されて青い水溜まりから離れた私は、カァールディスに乗ったままこの町へと運ばれた。同乗していたチョコの操縦に任せたら、勝手に行き先を決めてくれたのだ。打ちのめされていたので正直、助けられたといえる。
陰鬱だったけれど、波のように広がる西の町と、その向こうへ続く海原を目にしたことで少々、気は晴れた。海上都市ともまた異なる海沿いの町は、豆腐みたいな形と色合いの建物を縦横に寄せ集めて独特の雰囲気がある。良い意味で、作り物の感覚を押し出した風景だった。
そこへ身を寄せていくと、浜に流れ着いた流木の気分だった。
チョコはカァールディスを町の入り口に横付けした後、私を担ぐようにこの部屋へ運んだ。
『トモカには休息が必要と判断します』
『……そうなの?』
尋ね返してみると、『おやすみなさい、トモトモ』と新しいあだ名を披露して去って行った。
トモトモはともかく、疲れていたのは事実だった。だから言われたとおり、毛布にくるまって寝た。毛布なのか単なる麻布なのか分からない代物にくるまって、埃っぽく、けれど呼吸を整える時間もないまま、潮が引くように一気に寝入った。
あれだけのことがあって色々、嫌気が差していたのかもしれない。
そして、今朝に至る。あれから半日以上、眠っていたようだ。
道理で頭が痛いわけである。寝癖で沈みきった髪を掻きながら、鈍痛に苛まれる。
寝ても別世界へ旅立てなくて結局、ふりだしに戻ってしまう。
昨日から一日しか経っていないというのが信じられない。言っていることはめちゃくちゃだけど正にそんな気分だった。立て続けに色々なことが起こり、寝床を変えて、匂いも移ろう。
「………………………………………」
それでも私は、今日を生きないといけない。生きたいと身体は躍動する。
学校は全壊した。
西の町に着いた。
その事実を前提とするため呑み込む。
そうして頭の靄が晴れた後、これからの自分がなにをしていけばいいか考えを纏める。
まず免許の取得には失敗した。これが結構痛い、別の学校を探すだけでも一苦労だ。地球上で機能している施設は決して多くない。そういえば生徒募集の広告に地球最大大手と大げさに書かれていたけどあれもあながち間違いではなかったのかもしれない。
免許がない以上、ロボットに乗ること以外の仕事を見つけていかないといけない。仕事を探す、そして生活していくというのが当面の目標になるのかな。そして纏まったお金を作ってからまた学校探しだ。私は生きることそのものが生きる目的ではない。
火星を目指す家族のために、地球上で戦い抜く。
それが私の生きる理由なのだから。
居場所を失っても。恐怖の波に身体をさらわれても。その意思が萎えることはない。
「……でもねぇ」
見回して嘆息する。いくらやる気があっても、仕事、あるのだろうか。
それに家財道具の一切もない。今日から生活していくために必要なものがなんにもない。
おのれ、と右の脇腹を手で覆う。
あのでっかい、巨人みたいな怪獣に全部台無しにされてしまった。
カァールディスを思い浮かべる。
あれは、私の所有物じゃないし。
「お、もう起きていたか。学校暮らしを続けていたから早寝早起きは得意と見た」
いやぁははは、と陽気極まりない声と共に扉が開く。黄色く見える朝日を連れたって、緒方博士が姿を見せた。朝っぱらから髪型はきっちり決まって、開いたハサミのように左右整っている。しっかり整えているのか、まさかとは思うけど天然ものなのか。
それはさておき、私が中で着替えていたらとかそういった配慮は一切ないようだ。
「早い再会となったな。うむ」
床に直接、あぐらをかいて座った博士が再会を喜ぶように笑う。
「……おはようございます」
私は笑えない。笑うほど楽しいことがなにかあっただろうか。
そもそもこの人は、昨日の作戦が失敗すると分かっていて逃げ出した疑惑もあるし。
分かっているなら子細に教えてくれればいいのに。
そうすればもう少し、破滅が先延ばしにできたかもしれない。
「はっはっは、陰鬱そうじゃないか、喉から声が出ているぞ。まぁ朝飯を取るといい、そして腹から声を出せるようになりたまえ」
博士が懐からパンを二個取り出す。白衣に包まれていたためか少し変形しているけど、ありがたく頂戴した。もがもがと噛む。ばくばくと飲みこむ。ぱさついた感触が喉に擦れた。
ひとしきり食べたところで博士が室内を見回す。
「ここは私が借り受けた資材置き場だ。君がよければしばらく使ってくれて構わんよ」
あ、やっぱり。山百合ぐらいの金持ちだったらここを部屋と認識しないだろう。
その山百合もあの巨人に潰されて、死んでしまったのか。
なんだかな、という気持ちになる。悲しくはないけれど、目を伏せそうになった。
「チョコは?」
「修理中だ。相当、無茶をしてしまったようだからね。腕部のパーツはほとんど交換だよ」
私を助けに来たときの様子を思い出す。凄い勢いで助けてもらったものだ。
本当はもっと感謝しないといけないのだろうけど、チョコは、どうなんだろう。
感謝を重ねて思うところが生まれるのだろうか。
「パーツは破損よりも侵食が問題だな。いやぁ、やはり半分以上の出力での稼働は……」
侵食。その単語に反応して、博士の話に、前のめりに口を挟む。
「チョコだけじゃない」
シャツをめくり、右の脇腹を見せつける。
「これはなんなんですか」
寝起きに気づいた異変を、博士がまじまじと見つめる。
「お、やはりきみにも侵食していたか。操縦席に座ったのだから当たり前ではあるが」
足の裏に続いての侵食に博士は動じない。私もげんなりはするけど、少し慣れてきていた。
とはいえ、放置しておくには不気味すぎる鮮やかさだ。
少なくともその正体を知った上で、身体の一部としておきたい。
「そろそろこれの説明をしてくれませんか」
「んー……まぁ隠すことでもないのだが。そいつはMPだよ」
博士は本心からそう言ったようで、ほとんど勿体ぶらないで話してくれた。
「えむ、ぴー?」
博士が宙に指で文字を描く。目で追っていくと、英単語のようだった。
「マーズパーティクルの頭文字を取っている。安直でいいだろう」
マーズ、パーティクル。くぎって、二つの単語の意味を並べる。
「火星の粒子?」
「そう。そいつが火星の青色の正体だよ」
こういうやつだ、と博士が白衣の内側から砂時計のようなものを取り出す。研究室で見た覚えのあるそれにはやはり、青色の中身が充満していた。こっちに放り投げてくる。
手のひらで水をすくうように受け止めたそれが転がると青い軌跡が手に残り、ゾッとしない。
「先に言っておくと、この話を聞いたところできみの状況が好転するわけではないぞ」
なにも解決しない、と立てた指を何本も折る。すべての指が折れるのを見てから、頷いた。
「現状打破より知的好奇心を優先するか。二流科学者の素質があるな」
ニヤニヤとした博士にお褒めの言葉を頂戴する。多分、嬉しくない褒められ方だ。
博士は座り直して、私の手元にある青色のそれを見つめながら言う。
「カァールディスの動力源に使われている粒子、MP。発見したのは私だ」
まぁそれは分かる。大体、この人が関わっていそうなことぐらいは。
しかし火星粒子なんて名前をつけるものを、どこで見つけてきたのか。
「火星の粒子なのに、地球で見つけたんですか?」
現段階で、火星に到達した人類は存在しない。少なくとも表向きには。
この元気で非常識な老人なら当たり前に青い大地の上に立っていそうだけど。
「いや、月で拾ってきた」
「はい?」
第三の星の名前が出て来て困惑する。博士は、「おぉ寒い」と私の使っていた毛布を羽織る。
「最初にそいつを見つけた場所は月さ。だからMPというのはマーズパーティクルではなく、本来はムーンパーティクルから取ってあるのだよ。懐かしいなぁ、発見した当時の火星はまだ赤かった。そして私もまだケツの青い研究者だった」
上手いこと言った、みたいな顔をされたのでそこは無視する。
砂時計風の容れ物を緩く投げ返すと、博士が左手を伸ばして掴む。
「月の裏側で見つけたこいつは、あぁ知っているかい月の裏側は隕石の衝突が激しくてボコボコしているんだ。そのクレーターの一つに降り立ったとき、偶然にも私はこいつを発見した。そう考えるとこいつは隕石で運ばれてきた、未知の世界の産物かもしれんな」
ロマンロマン、と博士が嬉しそうに目を細める。この人が現在の地球上でもっとも暢気であるのは、私の中では疑いようがない。世紀末を歓迎するような言動と仕草には相容れないものしかなかった。
「それ……火星粒子。怪獣のコアの色と一緒なんですけど」
火星、、粒子、怪獣。望まない方向へと言葉が次々に繋がっていく。
「きみのように火星粒子に侵食されているということだろうね」
さらりと酷い部分を認めてしまう。きみのようにって、私まで怪獣扱いみたいだ。
「こんなふよふよした光が、凄いエネルギーを持っている、のかな」
疑問混じりに粒子を見つめる。これがカァールディスや怪獣を動かす力を引き出しているとは信じがたい。でも海水で動くロボットも、過去の人から見れば十分、頼りないかもしれない。
「現在の火星の環境は火星粒子がほぼ構築したといっていい。重力が地球と比べて三分の一程度なのも、海が存在しないこともだ。それがこいつらにとってのベスト、というわけだね」
「はぁ……え?」
火星がこいつで埋め尽くされている。それって、大問題じゃないのか。
「じゃあ、」
今、火星に向かっている一団はどうなるんだ。
みんな私みたいに青くなっちゃうのか。それとも、怪獣みたいに。
「どうなるんだって、どうなるか知りたいから旅立ったのだろうね」
博士はこともなげに言う。みんながあんたみたいな探求欲の持ち主と思っているのか。
「少なくともきみの父上は火星粒子の存在を把握している。その上で旅立つと決めたのだから、なにかしらの考えはあると思うが」
「……父さんが?」
家族の存在を出されては、言葉の勢いも削がれる。父さんが、家族がこの世の謎に一歩踏み込んでいると聞くと、なんとも微妙な気持ちになる。不安定で、落ち着かない。
青色の粒子に満ちた火星。……あの怪獣は火星から来ているのかな? いや、それはおかしい。確かにあいつらは転移するようにこちらへ唐突に出現するけれど、そんな生き物がいるなら火星の表面を観測すればその姿が見えてくるかというと、答えは恐らくあり得ない。
しかし無関係とも正直、思えなかった。
「……そういえば、月は青くなっていないんですね」
月にそんな粒子があるというなら、火星みたいにならないのだろうか。
それとも裏側は真っ青なのか。
うむ、と博士がなにやら楽しげに頷く。
「そこなのだ。不思議なことに、月に残した粒子はまったく広まる様子がない。何十年経っても滅びることなく、月の海で静かに生息している。なぜだろう、と私はずっと不思議だった」
盛り上がってきたように博士の言葉が強まる。
「なぜ月では繁殖しないのか。なぜ火星では爆発的に増加したのか。私は何年も研究を続けた」
ぐいっと前のめりで語ってくる。その顔の横に、指で摘んだ青い容れ物があった。
博士の目だけが動き、ぎろっと、容れ物を睨む。
「こいつはワガママでねぇ」
「は?」
孫でも紹介するような口ぶりに面食らう。博士は粒子の容れ物を揺らす。
やがて、ぐるぐると巡る青い光の、発光が強まってくるようだった。
「それに喧嘩っ早い。気に入らないことがあればすぐに敵意を向けてくる。それは生物に限らず環境においてもだ。この粒子は住み着いた環境を自分に適したものへと変える性質がある。重力すら調節して食い荒らすほどの徹底ぶりでな」
「へぇ……」
敵意という言葉に、カァールディスに搭載されたあのシステムを連想する。
なにか、関係あるのかな。
「私が思うに……」
上り調子で説明してくれていた博士が、そこで言い淀むように口を噤む。
「博士?」
うむ、うむと。博士が切れ悪く、曖昧に二度頷く。珍しい態度だ。
いつも堂々と人の神経を逆なでしているのに。
「いや、この話はここまでにしよう」
そんな、思わせぶりな。そう言いたくなる区切り方で、狙っているのか天然モノなのか。
「推測はついているが、確証がない。この先を語るのはまた今度にしてくれ」
その頃には、はっきりとしているはずだ。
窓の向こう、海を見つめながら博士がそんなことを呟く。
私もまた、海を見る。
海の向こうからは怪獣はやってこない。海水が嫌いだからだ。
……それも、この粒子の好き嫌いなんだろうか?
自分の脇腹と足の裏に目をやる。これを海面に晒したら、なにが起きるのか。
試してみたくなるのは勇気があるのか、頭のネジがすり減って抜けそうなのか。
海を見つめていた博士が私に向き直る。「そうだそうだ」となにか思い出したように。
「少しばかり長い説明になったがようやく本題に入れる。きみに仕事を持ってきたぞ」
「仕事?」
二カッと、博士が部屋の入り口を親指で指す。
「カァールディスのテストパイロットだ。給与はこのご時世にしては弾むぞ、750ジュドルでどうだね」
「聞いたことない通貨なんですけど……」
そんな話だろうと思った。今度は顔を青色に発光させろというのか。
「断るかね?」
「……どうなんでしょう」
「きみにはいい話だと思うがね。仕事を見つけるのも簡単ではない時世だ」
それは分かっている。だから、思いの外、迷ってはいない。
侵食は、得体が知れない。だけど今のところ痛くも痒くもないし、なによりカタツムリに乗っていたら間違いなく死んでいる場面に何度も遭いながらも生き残っているのはカァールディスのお陰だ。あのロボットは、危険かもしれない。でも同時に安全も確保してくれる。
なにより、乗れるロボットを提供してくれるというだけでもありがたい。
ロボットに乗って、怪獣と戦う。
それがこの地球での、私のすべてだからだ。
「エンジンの出力を上げなければ侵食は抑えられるんですか?」
そもそも侵食し続けたとき、私がどうなるのかも聞いていないけれど。
でも体中が青く光り出して私まで火星みたいになって、事態が好転するとは思いがたい。
「彼らを刺激しなければ、仲間と見なして同調し、静観する。問題ないとも」
ただ、と博士の目が言葉の続きを繋げた。
「低出力では凌ぎきれない場面に出会したらどうするつもりだね?」
「………………………………………」
出会いたくないといっても、災難は向こうからスキップしてやってくる。
怪獣との遭遇。巨人との出会い。更に厄介な存在との接触もあり得るわけで。
そうなったら、私は。
「……そのときの感情に任せます」
対峙しなければ生まれないものもある。どうせ今、及び腰でも生きるためならなりふり構わないで戦ってしまうだろう。自分には少々、好戦的な部分があるのは認めているところだった。
「そうかね。まぁきみに機体を託す以上、好きに扱うといい。さぁ、行こう」
博士が意気揚々と立ち上がり、へいへいと手招きしてくる。なんだなんだとついていくと。
「おわっ」
外に瑠璃色の足が見えた。カァールディスが門番みたいに立っている。昨日、チョコが横付けした位置から動かず、損傷や消耗の具合もそのままだ。巨人の舌で貫かれたときの損傷は思いの外軽微で、あのときの落下の原因は別にあるようだった。侵食がどうこう言っていたから、エンジンに無理を利かせすぎたのかもしれない。でもあの後は普通に走ってここまで来られたわけで。
説明してもらっても、まだ謎を多く残した機体だ。
「いやぁ仕事を受けてくれた助かる。早速こいつを研究所まで動かしてくれ、このまま立たせるなと苦情が来ていてね」
あっはっはと博士が私の背中を押してくる。食事を持ってきたことを含めて、なぜ早朝にここを訪ねてきたのか理解する。その自分本位を貫く様は、ある種、憧れないこともない。
「いいんですか、私、免許ないですよ」
「こいつに免許は必要ない。どこにも登録もしていない自家用機だ」
必要ないの意味が分からない。まぁ、警察もろくに機能していない世界だ。モヒカンが肩パッドつけてバイクで走り回っていてもおかしくない環境で、免許にこだわるのもおかしいか。
怒られたら、ごめんなさいするか飛んで逃げてしまおう。
どこまでも、誰も、ついてこられないほど遠くに。
そうすればきっと誰も追いつけない。へへへ、と自嘲混じりに笑った。
カァールディスに搭乗する。結局、私はこいつとの縁を絶ちきれないのか。
モニターの電源を入れて、起動させていく。すぐに立ち上がるあたり、カタツムリ等より高級感がある。乗り心地は相も変わらず最悪だけど。……しかし、なんで私が選ばれたのか。
博士は私の訓練の成績に注目したと言ったけれど、思い当たる項目は一つだけ。
それがなんなのだと我がことながら首を捻ってしまう。
「なんの関係があるのやら」
肺活量なんて、ロボットの操縦に必要なのだろうか。
ちょっと人より長く、大きく叫べるだけでなんでも上手くいけば苦労はしない。
「……苦労かぁ」
確かに、博士が言ったとおり。
世界の謎を知ったところで、今日を生きる糧が得られるわけでもない。
手足を動かさなければ、どうにもならないことはごまんとある。
でっかちになりそうな頭を振って、前を向く。
考えるためには時間がいる。時間を作るためには、生活がいる。
生活のためには、お金がいる。
一歩ずつ進んでいかないといけない。
このどうしようもない世界でも、前はある。広々と、荒涼と、大地がある。
カァールディスと共に、足を振り上げた。
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