そんなの自立じゃないと
「自立とか自活ってさ、家族といがみ合うことじゃないと私は思うんだよね。
だって、
それで何が悪いのさ?
自分の大好きな家族の力になりたいというのがそんなに変?
前提が逆なんだよ。『家族と一緒に暮らしてるから自立できてない、自活できてない』じゃないんだ。『他人が思ってるあれこれに振り回されて自分を貫けてない』状態は、たとえ一人暮らししてたって自立なんてできてないよ。体裁を気にして形だけ一人暮らししてるように見せかけてるのなんて、そんなの自立じゃないと私は思う」
アオのその言葉に、
「あ~、それで思い出したけど、私が一年だった時の三年の先輩でさ、今は大学中退してニートしてるのがいるんだよ。
で、その先輩、今、ネットで、
『エリートニートの人生バラ色~♡ 自分は働かず親の金で食うメシ
とか発信しまくってて、絶賛炎上中なんだ。
んでもって、これがその人の発信してる動画」
そう言いながら動画を表示させたスマホをテーブルに置く。
するとそこには、いわゆる<汚部屋>で、美少女キャラのお面を被って、
「は~い、エリートニートのシュバちゃんで~す♡ 今日も必死で小銭のためにあくせくしてる社畜のみなさ~ん、息してますか~?」
などと、完全に他人を嘲り倒そうという意図が丸出しの口上を述べている若い男が映っていた。
「こいつさ、<シュバ
恵莉花のその説明に、
「あ! それ見た! <イキリヒキニート>ってんで叩かれまくってる奴だよね。恵莉花の知ってる奴だったんだ?」
安和までが知ってたことに、恵莉花は苦笑いを浮かべたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます