(柚緒駆様の作品)『強請り屋 静寂のイカロス』vs『近すぎた男』

   

【本格推理小説】

『強請り屋 静寂のイカロス』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889130572



【なんちゃってミステリ】

『近すぎた男』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887447013



【本格推理小説とは、かくあるべき】

「本格推理小説とはかくあるべき」というのは、

実のところよくわかりません。

正しい推理小説の書き方がわからないまま書いております。

ただ種を撒いて、芽をちゃんと伸ばしてから花を咲かせる、

そういう意味では他の物語と変わらないと思っています。

あと強いて言えば、後出しじゃんけんをしない事でしょうか。




【私からの一言】

 まずは『強請り屋 静寂のイカロス』。本格派の長編であり、古典的な推理小説の要素をふんだんに取り入れた作品だと感じました。

 第一話はクライマックスの場面を先取りしたような感じになっているので、いわばプロローグのようなものでしょうか。実質的なスタートである第二話の時点で、推理小説的な面白さが強く、私はグッと引き込まれました。

 推理小説なので登場人物も多いのですが、キャラクターの多彩さも、この作品の魅力です。特に初読では、それを強く感じました。これは再読しても面白そうな作品ですね。


 続いて『近すぎた男』、こちらはわずか801文字の短編です。あらすじ欄に「九マイルは遠すぎるオマージュ」と書かれている通り、元ネタとなっている小説を知っているか知らないかで、この作品の楽しみ方も違ってくるのかもしれません(私は子供の頃に一度読んだきりであり、印象的な題名とその作者名は覚えているが内容は全く忘れている。それどころか、短編なのに長編だと誤解していた、というレベルでした)。

 ただし、そのオマージュ云々を別にしても、短い中でちょっとした『推理』を描いている、という意味では面白い作品でした。

   

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